愛知聖ルカセンター 子ども英会話クラス・造形教室|尾張旭市
〈幼児・小学生向けの子ども英会話クラス(英語教室)、造形教室(工作)などを、尾張旭市の中心部で行っています。〉
造形教室
アーティザンクラブ
尾張旭・瀬戸・名古屋の子ども英会話・造形教室
愛知聖ルカセンター
488-0801 愛知県尾張旭市東大道町原田68
Tel 0561-53-8937 Fax 0561-52-7657 e-mail alc.chubu@nskk.org
アーティザンクラブ講師 田原幸二
僕がアーティザンクラブの講師を始めてから5年。思えばけっこう経ちました。
アーティザンクラブでは、僕のことを「先生」でなく「リーダー」とみんなが呼んでくれます。
これがけっこう大事なことでして、Teacher(教える人)でなく、Leader(導く人)ということなのだと思い、僕はとても気に入っています。
そんな僕がこの仕事を引き受けてから、いろいろ体験していくにつれ大事にしていることが3つほどあります。それはあえて「なるべく教えない」「自分で考えてもらう」「思いきり失敗してもらう」というものです。月謝もいただいている造形教室ということを考えると、「教えない」なんて客観的に見るとわりとムチャな話かもしれません。しかし、どうも作ることに関してやってもらえる、教えてもらって当然という、すべて受け身の子がわりと多いことに気づき、作ることってそういうもんなんだろうか?と当初疑問を持ったのがきっかけなのです。
ここはせっかくやらせていただく仕事だし、なんとかこれは打ち破っていかねばと思いました。
待っているだけでは、なにも物事は動かないですから。(注 道具の使い方などは教えてますけどね)
もちろん、きっと小さな子どもたちにはつらい思いをさせる時もあるだろうし、親切丁寧に教えて手伝って、わかりやすく工作を仕上げていった方がずっと自分も楽なのでは?などと迷った時もあったのですが、教会の方や保護者のみなさんからもご理解をいただけているようで、なんとかここまでやってこれました。
その「教えない、導くだけ」というやりかたも、うまくいったりいかなかったりがあるものの、最近では子どもそれぞれの発芽のような瞬間を感じることが増えてきました。僕が教えてことではなく、自分で考えて、作り方を発見し、完成を目指す工作がぽつぽつと生まれ始めています。
しかしその途中では完成したと思いきや大きな欠陥をはらんでいて分解することなどもあります。観察していると、子どもたちのなかには「失敗したくない」という思いがある子もいるようです。失敗はよくないこと、そう考えている子も少なくありません。しかし、そういう時はむしろよくやった!とその体験を褒め、『なんでこうなったか、もう1回考えてみようか』と話してみることにしています。(でもやっぱりここでも僕はなにも手伝わないのですが 笑)
よく言われることですが、本当に失敗の中には学ぶべきところが大きいのです。むしろプラスの出来事だと子どもたちには伝えるようにしてこの教室は進んでいきます。
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そして、それらを乗り越え作りきった時の子どもたちの顔はとても自信に満ちあふれています。本当にきみ子ども?と思うくらい大人っぽい顔つきになることもあり、僕も驚かされたりします。
工作以外でもアーティザンクラブではよく火を起こしたりもするのですが、以前なら半日ほどかかっていたのに、今ではあっけないほどあっさり火を起こしてくれます。こういうところにはなんだかちょっとたくましさを感じています。
やはり作る、考えるということの背景には「強く生きる」というテーマが見え隠れしているものなのではないか?と講師をやっていくにつれその思いが強くなっていきます。
子どもたちを見守る中、この部分がゆっくりと子どもたち全体で伸びてきているように感じます。これこそが彼、彼女らが自ら得た成長なのかもしれませんね。
最後に。
その子どもたちの様子に、実は僕もまた強く影響されています。その行く先に正しい答えがあるかどうかだけにこだわることなく、手や眼や体全体でいろいろ感じ考え探しつつ、今後も子どもたちと共に進んでいければと、思っています。
愛知聖ルカセンター創立20周年記念誌寄稿文
『教えない、ただ、導くだけ』
田原幸二(たはらこうじ)
1970年 兵庫県生まれ。
1993年 金沢美術工芸大学彫刻専攻入学。
1996年 第17期国際瀧富士美術賞受賞。
田原幸二彫刻個展をはじめ、グループ展などを中心に発表、製作活動中。
講師紹介
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