フェアトレード


小規模コーヒー生産者の現状

 世界のコーヒーの約半分を生産していると言われている小規模コーヒー生産者は、国際コーヒー市場の中でとても弱い立場にあります。彼らは国際コーヒー価格の急激な下落に翻弄され続け、また市場へのアクセスがないために、たとえ生産コスト以下であっても、コーヒーの収穫を仲買人へ言い値で売らざるをえない状況があります。
  その結果、途上国の小規模生産者とその家族の日常生活における食事・住居・医療サービス・子どもたちの教育は、多くの場合十分に満たされていません。


フェアトレードは、約50年前、欧米のキリスト教団体が、それまでの「貧しい」途上国への一方的で継続が難しい「援助」、というスタイルではなく、対等で持続可能な、お互い自立しあった関係をめざして始められた、と言われています。


生産者の生活を保護するフェアトレードコーヒー


(C)フェアトレーディング

フェアトレードコーヒー生産者。「フェアトレードは働く原動力になる。」
セゴビア県サンルーカス地区、ニカラグア

  フェアトレードコーヒーは、コーヒー生産者によって民主的に運営されている協同組合と海外マーケットとの間で直接取引されています。従って、中間業者に余分なマージンを吸いとられること無く、適正なお金が生産者の手に渡る仕組みになっています。
  国際的に定められた最低買い取り価格により、不安定なコーヒー国際価格に関わらず、途上国の小規模コーヒー生産者に安定した収入を保証しています。

 フェアトレードコーヒーを選ぶことは、高品質のコーヒーを選ぶということだけではなく、 私たちが支払うお金から適正な額が、コーヒー栽培に従事する小規模生産者の手に確実に渡ることを意味します。フェアトレードは生産者に安定した収入をもたらし、その結果、彼らは家を修繕し、コーヒー豆の加工場所をより働きやすいように作り直し、子どもに服を買うことができるようになります。更に、保健医療サービスを受ける機会を手に入れ、子どもたちは以前より長く学校へ通えるようになります。
 フェアトレードコーヒーは、途上国の多くの小規模コーヒー生産者とその家族の生活を守るために大きな役割を果たしています。

◎フェアトレードの生産者側のメリット

・安定した収入
・労働環境と労働条件の改善
・適切な住居、医療、教育が得られる
・森林、環境が守られる
・自尊心と自立を手にできる

◎フェアトレードの消費者側のメリット

・質の高いコーヒーが持続的に飲める
・無農薬で健康的
・生産国の生態系、水、土壌、生物、人々の健康が守れて、落ち着く
・適切な対価を生産者が手にしているという安心感
・世界の人々や自然と一緒に自分も生かされていることが感じられて、うれしい。


 
(C)フェアトレーディング

フェアトレードコーヒー生産者、ヒルベル(左端)とその家族。
「価格の切り下げは働く意欲をそぎ、働いても働いてもお金が入ってこないので、生産者がコーヒー農園を放棄せざるを得ない状況に追い込まれているんだよ。・・・私たちは運がいいね。なぜなら私たちのコーヒーの一部は公正に取り引きされている。私たちは安心と自信を感じることができますよ。少なくとも自分のコーヒー園を手放す必要もなく、高品質のコーヒーの生産をちゃんと維持し、努力に見合った収入を手にすることができるからね。」
プンタレナス県サンタエレナ地区 コスタリカ

  
(C)フェアトレーディング

フェアトレードによる収入によって立てられた小学校の前でポーズを取る子供たち。ここにあるコーヒー生産協同組合への12年間のフェアトレードの恩恵は、道路の修繕、生産者の子供たちへの奨学金、診療所、オーガニック生産への移行など様々なところで見られます。グアナカステ県ティララン地区 コスタリカ