日本聖公会中部教区・名古屋学生青年センター
日本聖公会学生運動発足とその歩み
関本 肇
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SCM現場研修ー生野・釜が崎ー

 私は1968年以来、日本SCM協力委員会の委員長であった。これはキリスト教諸教派、諸団体を統一する日本SCMを標榜したが、実態はもっとゆるやかな協力団体であった。有能な主事が事務局を引き受けてくれたから、委員長の仕事が続けられたと思っている。その活動内容は、協力委員会の開催を中心に、聖書研究ゼミナールの立案と実施、また傘下諸団体のプログラムを応援して、ネパール・キャラバン、東南アジヤを歩く会、沖縄セミナーがあり、WSCFに手島主事を選出・参加させるなど、聖公会SCMと同じような流れであった。

 しかし、何かが物足りない。何度かSCM関係者協議会を開いた後、そんな思いを持ち寄って六甲YMCAキャンプで、関西キリスト教都市産業問題協議会(KUIM)、釜が崎協友会、在日韓国キリスト教会館(KCC)、キリスト教釜ヶ崎越冬委員会、生野地域活動協議会の責任者、代表者の参加をえて、70年前後の学生の全国的運動の崩壊の後に、なにができるか、またSCMの明日の可能性は何かを検討した。その中で参加者たちは、在日の韓国・朝鮮人の生きる生野と、日雇い労働者の町、釜が崎を現場として選び、日本社会の底辺に苦しみながら日常を生きる人々と、できることなら共に労し、共に語り、その現場の中で御言葉に触れるべく、「差別の社会構造とキリスト者」と題して、日本中の青年・学生キリスト者に「現場研修」参加への呼び掛けをしたのである。

 SCM協力委員会の主事の中原真澄氏が中心になってこの取り纏めをした。また、この参加者の中には、生野に住み、釜が崎の現場にコミットしている仲間がいる。様々な関わりを持つカトリックの神父や医療従事者、労働者のための食堂を開いている牧師もいる。参加の学生は生野と釜ヶ崎で20名である。研修の内容は密度の高いものになった。学生たちも手応えを感じた。旅費はプール制にし、日雇いに出た稼ぎも参加の経費のために均等に分けた。

 こうしてSCM現場研修は今年、1998年で第20回を迎える。そのネットワークニュースを見ると、現場研修の研修生から何人もの牧師が生まれているのはどういう事だろう。聖公会関係でもバングラデシュでJOCSのワーカーとして8年目の石田裕医師や、アジヤキリスト教協議会のURM総幹事として香港に駐在の八幡明彦氏がいる。一人一人を思い出せば切りがない。とにかく、SCM協力委員会が、従来の不毛の議論を止めて関西に現場を見出し、SCM現場研修を継続していることは高く評価したいし、将来の可能性を感じる。私は1992年に、沖縄教区からニューヨークの現場に出向した。その後、協力委員会の委員長は生野のKCCの李清一氏が、主事は神戸学生・青年センターの飛田雄一氏が当たっている。思えば長い付き合いである。

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