日本聖公会中部教区・名古屋学生青年センター
名古屋学生青年センターの起源 その論理と背景
ブルース・マッチ
日本聖公会学生運動の発足とその歩み

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神学的背景

 名古屋学生センターの起源の神学的背景はカナダのキリスト教学生運動(SCM)、カナダSCMが加盟していた世界学生キリスト教連盟 (WSCF)およびカトリック共和会(SCC)のキリスト教理解に基づくものであり、セロ・パウルス司祭・教授とマージョリ・パウルス博士、ブルース・マッチ司祭・キャノン、とアン・マッチ夫人という人々を通して基を築かれた。パウルス夫妻もマッチ夫妻も大学在学中はカナダSCMの熱心な会員であり卒業後もパウルス夫妻はリーダーとしてSCMの活動を続けた。マッチ夫妻は卒業後 SCMの支援を積極的に行い、地域の教会の牧師補の任期を終えた後には学生を対象とした働きにたずさわることが期待されていた。また両夫妻は 1940年代後期から、1960年代後期の解体まで、カトリック共和会という聖公会内の一修道会の会員であった。

 中部教区において大学生を掴む試みをはじめようとする教会の計画がはじめに話題にのぼり、後に名古屋にセンターをつくるという構想が現実になりはじめ、センターの発足当時に学生を対象とする試みの形や在り方が実行にうつされる時、 SCMやSCCの神学的見解はまことに自然にかたちを与えられた。カナダ聖公会の宣教協会 (MSCC)への中部教区からの大学生対象の仕事に支援を求める最初の要請は1954年になされれその時パウルス夫妻は休暇でカナダにおり、中部教区のためにMSCCとの連絡に当った。中部教区の要請にこたえて、MSCCは1954年秋には学生対象の活動のためにマッチ夫妻に勤務を命じ、 1955年の4月に日本に派遣するよう準備を始める手続きをとった。

 1955年から1957年パウルス夫妻とマッチ夫妻は名古屋で大学生の活動にたずさわるためにチームを組んで働く計画が決まった。この計画はパウルス夫妻が東京の聖公会神学院に招聘され、セロ・パウルス司祭が教鞭をとることになったため変更されたが、マッチ夫妻は1957年3月に名古屋に移り、当時神学院の卒業生であり、日本のSCCの会員でもあった塚田理司祭、教授によって着手された活動に合流することになった。
 SCMとSCCの文書からの引用は、開始からマッチ夫妻在任中の13年間の名古屋学生センターの使命、在り方、目的を確認するのに役に立つと思われる。1990年代の終わりの時点でカナダにおいて、1970年、私たちは名古屋から、パウルス夫妻は東京から夫々カナダの教会と大学で働くために日本を去った時以来続いてきたセンターの活動を権威をもって語ることはできないが、それにもかかわらず、名古屋学生センターの卒業生の教会での生き方と働きを通して、当時の神学と見解の影響が注目に値する程に続いていることが想像される。

カナダのSCMの基盤と目的から
 「カナダのSCMはイエス・キリストのうちに、神の究極的な目的と、人間が真実に生きる道の全てが示されてると信じる学生の交わりである。この運動は自ら学び、祈り、行うことによって、イエス・キリストを知って従うことに務め、カナダにある諸大学すべての学生たちを、この交わりに集める。我々はこの運動が基ずく理念を、共に学ぼうとするすべての学生と連帯するものである。」

SCCの目的から
 「カトリック共和会は1939年に創設され、聖公会に属する司祭、信徒の共同体である。その主たる目的はキリスト教信仰の受肉的(インカーネイション)聖典的(サクラメント)本質を立証することである。共同体はキリスト教信仰がこの堕落した世界の無秩序にたいして、積極的に攻撃を加えることを求められていると信ずる。キリスト教は、このような洞察に照らされて誠実に実践されたなら、神の意思に従うため、この堕落した世界を革命するであろう。要するに、カトりック共和会は宣教的社会福音と完全なカトリック神学とを結び付けるものである。

 SCMにおける経験は、キリスト教によって従来受け入れられていた教義の指針なしに、至高の真理の表現であるキリスト教信仰を探究する自由をメンバーに提供した。SCCの神学と交わりは、教会の使命はこの世の救済のために働くことであると信ずるものが、キリスト教会の献身的な会員として、信仰を実践できる、組織された、革進的な枠組みを提示した。SCMもSCCも信仰を十分に理解するための探究に携わろうとするクリスチャンの学生とノンクリスチャンの学生を歓迎した。そして、学生たちが信仰に献身するようになった場合には教会においても社会においても社会的に責任のある信仰の実践を奨励された。

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