日本聖公会中部教区・名古屋学生青年センター
7年間の越冬炊き出し活動を通じて
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7年間の越冬炊き出し活動を通じて
(松本 普/センター後援会員) 1982/4
…際限なく、彼らに注がれる眼(まなこ)。彼ら日雇労働者に対峙する側の視線と内容。それは、何よりも7年前の私自身の視線と内容であったのです。…
…クリスマスから始まったこの活動。我々キリスト者は、日雇労働者をどのように見てゆくのか?…
…これまで炊き出しに対しては奉仕のイメージが強かったのですが、参加してみて、名古屋のそれは、キリスト教各派の信者や、労働者の中から問題意識を持ち、自ら社会へ働きかけようとする者等の協働作業であり、単なる奉仕活動とは言えない性質であることが分かりました。…
…僕は彼が「もう死ぬんや」と言っても何も言えなかった。それは彼に神の愛や社会構造の矛盾を説くことがむなしかったからである。いやそれよりも正論と言われる物が打ち砕かれ言葉が無くなってしまったという方が正しい。…
…「生き抜くための越冬闘争」が決して大袈裟な表現ではなく、差別された者の人権回復の闘いであることを知らされました。…
…日雇労働者「問題」は医療だけの問題、めしだけの問題、労働だけの問題といった個別問題ではない。8年間の取組みの中で一人一人の労働者と接してきた私達が知らされてきたことは、…
…未消化ながらも多くのものが私に与えられたと思います。今後キリスト者として自分の生活のなかでそれらをどのように生きる姿勢として表わしていくのか、研修以来考えつづけています。…
……
…途中から端折ってしまったし、触れていない点もある。知らないことも沢山あるに違いない。不正確な記述になったことも心配する。さて、この現実を踏まえてどうするのか。…
…日雇い労働者の救援を呼び掛けた時、「彼らは怠け者だ」とか「援助は彼らの自立心を損なう」などともっともらしい意見を言う人がありました。…
…日雇労働者と聞くと、現在の社会を批判的に見て運動をしている人でも、「ああ、炊き出しね」と反応する人が多い。…
…12月6日に大名古屋ビルヂングで凍死者が一人出てしまいました。12月27日には二人目の、そして12月31日には名古屋駅西口噴水側で三人目の犠牲者が出てしまいました。その報告を聞く度に私達は、がっくり肩をおとして、言葉も出ません。ただでさえ落ち込んでいるのに、ある一人の労働者が「お前らは、まわる事だけしかできんのか!」と私達に食って掛かってきました。…
…私は前回越冬斗争の反省文の中で越冬斗争についての問題点を三点にまとめました。「アリとキリギリス」「炊き出しをしないですむように炊き出しをする」「福祉問題は労働問題である」の三点です。…
…今年もまた、全国の皆様からの御支援・御協力・御加祷によって、名古屋「笹島」での越冬活動が闘い抜かれました。'92年12月25日から'93年1月10日までの年末年始の17日間、仕事もなく、帰って休憩する家もなく、厳冬の下で「野宿」を強いられた約900名もの労働者にとって、越冬とは文字通り〈生きていくための闘い〉であります。…
…しかし、ここ数年来、「越冬」と聞くと、わたしは思わず、「しんどいなあ」とっぶやくようになった。なぜだろうか。…
…この法は、戦前の慈善、恩恵的な公的扶助制度の反省の上に立って作られたとされ、運用如何によっては人々の生活を守る上で、大きな役割を果たすはずなのである。従って、ここで大まかに精神と仕組みを確認しておきたい。…
…「ミッドナイト・ラン」と名付けるが、炊き出し、夜回りである。そこでの体験や出会い、ホームレスとの対話が、奉仕する人々の励ましになることは、いずこも同じであろうか。NY市には1万人の路上生活者がいると言われる。…
…みなさんの、ひとにぎりのお米が、1枚の毛布が、温かいカンパが、優しい行動への一歩が、今日も、死と紙一重のぎりぎりの状況の中で、野宿を強いられている労働者の、生きる支えとなるのです。…
…そもそも「支援」とは誰に対して誰が何を支援するのだろう。笹島の場合は、野宿労働者以外の人が野宿労働者に対し、野宿労働者が置かれている状況を変えるべく支援しているとされる。それでは「支援」はその状況をどのように変えることを目指しているのか。はたして、野宿労働者のこの社会への復権を目指しているのだろうか。…
…叫んでも叫んでも聞かれる事のない現実に、諦めを覚えている労働者は多いだろう。また支援活動に力を注いでも、労働者の置かれている状況は悪くなるぱかり。虚しい思いをしている支援者も多いと思う。そんな中、労働者自身が団結する事なしには何も生まれないのだと、言葉だけではなく具体的に仲間作りへの取り組みが、行なわれる様になってきた。…
…今回の越冬医療活動のなかで、特筆すべきは、多くの活動初参加のボランティアたちの大活躍のこと、昼間に実施した診療・相談活動のこと、また移動診療・相談『出張診療』の試みのことである。…
…さしあたっては、「居住権」とは「すべての人が」隣人との確かなつながりの中で自分たちの文化を守りながら生活すること、といえるかもしれません。世界のそれぞれの地域での個々の生活維持システムを守り育てることは、国際連帯の基礎でもあるはずです。…
…「住」は「人が主」と書く。しかし現在の状況では、その主権は「人」ではなく「行政」にある。「住民参加の街づくり」は虚飾に過ぎない。…
…今まで全く知らなかった笹島の野宿労働者の人たちと、たとえば、もちつきをしたときとか、船見寮で交流訪問したときとか、臨時相談所に行ったときとかに話を聴いたり、話をすることができた。…
…1997年8月27日。名古屋市中区の若宮大通公園「冒険とりで」(木製巨大ジャングルジム)にて野宿生活を強いられていた人々と支援者が、名古屋市当局と愛知県警によって強制排除された。…
…社会保障・社会福祉をめぐる最近の動きはめまぐるしい。いや、恐ろしい動きになっている。昨年11月に成立した財政構造改革法は、社会保障、社会福祉、教育などの生活予算を向こう3年間連続して自動削減する、というものであった。…
…1月29日早朝、名古屋で野宿者とその支援者の計8名が、2名の「ホームレス」男性に傷害を追わせたとの容疑により逮捕されました。一部マスコミでは、支援活動上の意見の対立がこの事件の原因であるかのように報道されました。…
…前35号でお知らせしました8名の「傷害罪被告」事件は、10月8日最後の3人のグループの判決公判をもって事実上終わりました。元「被告」の一人として、改めて読者の皆さまに、関心と御支援を寄せて下さいましたことへの感謝と御礼を申し上げますとともにこの《事件》の意味するところを振り返ってみたいと思います。…
…政府は国民の税金で働いており、国民(政府の失策から生み出された野宿者)が困っているときはその務めを果たすべきで、対策のために国家がお金を出すことに対する国民感情は暖かいという話は、日本の政府、愛知県、名古屋市の姿勢とのあまりの違いにビックリするとともに、うらやましい限りだった。…
…最近、ひょんなことから薬物依存者のSさんと出会い、薬物依存者の救援活動について話し合うようになった。すると、今までは、あまり気をつけて読んでいなかった新聞や雑誌などの「薬物依存者」をめぐる事件報道や記事が、次々と目に入ってきて、…
…失業者が増える中で、野宿を強いられる労働者はその後も急増し、政府の集計発表でも、99年10月では 20,451人と3月より26%も増えている。実際の人数はさらに多い。この深刻な状況に対して、政府は99年5月に「ホームレスの問題に対する当面の対応策について」をまとめた。政府レベルとしては、初めての施策である。…