日本聖公会中部教区・名古屋学生青年センター
第8回名古屋越冬闘争報告
初出:1983/4発行『こえ』No.5
ささしま・野宿労働者と共に
表紙ページへ戻ります
宿泊・貸し会議室のご案内
センターの場所をご案内します

2〜3歳児のための幼児グループ
子どもたちにのびのびとした造形表現の場を!

おうちから通いで参加できるキャンプ
各プログラムがどんな願いのもとに、どのように生まれ、作られてきたか。

在日フィリピン人の子どもたちに教育の機会を!
死刑制度廃止を求める運動その他のご案内
関連サイトのご案内
あなたもセンターの会員になりませんか!?
名古屋学生青年センターはどんな団体か
名古屋学生青年センター40周年、日本聖公会学生運動30周年の記念誌をお読みいただけます
名古屋炊き出しの会

★ 統計上に見られる今回の傾向 (一覧表)

1. 前回との比較でいうと、炊き出し、青カン(野宿)者数はほぼ同じであるが、無料宿泊所入所者、病院入院者が大幅に増加しており総体的には、この時期生活にこまる労働者は増加していることがわかる。

2. 実行委員会が、行政の下請機関になっているのではという疑問もあるが、実行委員会の果している役割は看過できない。殊に、実行委メンバーのつきそいなしで社会福祉事務所に相談に行った人たちが、受診・投薬・相談のみで処理されている傾向は今後の課題となろう。

3. 入院患者の激増は特に目をみはるものがあるが、なかでも前回皆独であった結核患者が6名も含まれていたことは、特に重大である。

★ 越冬活動専門部に関して

1. 炊き出し活動
 仕込みから給食までは、主に名古屋炊き出しの会、福信館炊き出しの会、日本基督教団社会委員会の三者が中心となって、協力・分担し、行なった。又、これには多くの現物カンパ(米・野菜等)が、三里塚、境川、半田農場の農民から、連帯の意味をこめて送られてきた。給食活動を行ないながら気づいたことだが、給食時に労働者との対話(個人的なものも含め、無料宿泊所入所者数、労働相談の結果等、労働者の関心事についての報告等)が不足していたことが反省点として指摘できる。

2. 深夜パトロール(午前1〜3時)
 事前に用意したコース地図に従い、3コースに分かれて行なった。これには、平均15名の仲間が参加して行なわれたが、今回は、前回までとくらべ、特に日雇労働者自身の自主的参加が顕著であり、この点は望ましい傾向であると言えよう。尚、この活動については越冬期間以降2月一杯、連日ではないが有志によって実施された。

3. 医療
 今回は特に医師団の取り組みも早く、充実した医療活動(場所的にも設備的にも充実した一斉検診、全期間の連日診療への医師の参加等)ができた。しかし、事前の対行政交渉の結果(行政は非協力)地下鉄構内という、およそ診療・治療をする上では非常に問題の多い(衛生対策、防寒対策、女性患者を含む人権上)場所での医療行為をせざるを得なかったこと。又、要注意と診断された人の一部が、越冬小屋の収容能力の関係で野宿せざるを得ず、翌日行方がわからなくなり福祉事務所へ行けなかったことは今後の課題である。

4. 越冬団結小屋

 今回も又、行政の非協力の故に、緊急避難所、救護テントとして、越冬小屋が日雇労働者中心にして建設された。これは笹日労が中心となって運営委員会を組織し、以後期問中、管理運営されていった。テントは、総計716名、一日平均42名が利用できた。

★ 行政の対策・姿勢の問題

 行政の「越年対策」は前回同様、きわめて不備なものであり、日雇労働者の実態をなんら把握していないものと言わざるを得ない。今回も、無料宿泊施設の「収容」能力に関する見通しの甘さ(定員170名に対し、入所者236名)から、結局スシ詰め状態となった。又、臨時相談所においても非人道的対応の故に、労働者のニーズに応じた対処(要治療者を簡易宿泊施設に「収容」)ができなかったり、受け付け場所として屋内を使用させない為、多くの労働者を寒風の中で待たせたり(一人の労働者が具合悪くなり、救急車ではこばれた)入院決定者が手続きに行く時、職員が私用で最後まで付添わなかった為、入院できない労働者がでたり読み書きのできない労働者に対する差別的対応等があった。この他にも、無料宿泊施設・厚生施設問題、不況、施設・病院の退寮・退院後のケアー、結核予防、救急医療等、列挙すれぱきりがない。

★ 今後の課題

 以上、簡単ではあるが、第8回越冬活動の概容を見てきたが、これらの諸問題は越冬期間中で準備・企画・実践・保障されるものであり得ないことは自明である。ここで、年間活動を通じて粘り強く地道に解決すべき個々の問題を、今後の課題として明確にしておく必要がある。

 日雇労働者「問題」は医療だけの問題、めしだけの問題、労働だけの問題といった個別問題ではない。8年間の取組みの中で一人一人の労働者と接してきた私達が知らされてきたことは、彼らが、季節労働・出稼き労働・タコ部屋暴力飯場・最悪不況・完全失業の実態・大半が疾病者(含結核患者)であることの実態・帰る家もなく野宿を強いられている実態・高齢者・身障者・在日外国人等の諸問題のいくつかを背負って苦境の只中に立たされているということである。それ故、総合的な視点を持った課題として、かつ越冬期だけでなく年間を通して取り組まなければならない課題なのである。もちろん、短期的・長期的取り組み課題もあろうが、今回特に緊急を要する課題の一つは、これらの問題を行政が総合対策として、すみやかに取り組むべき責任を追求してゆくことである。二つには、結核問題である。これは、日雇労働者が置かれている場的状況〈朝の笹島・夜の地下鉄構内・飯場・炊き出し医療活動(火・金)等〉結核予防法の観点からみても重大な社会問題であり、保健所・県の責任として、一斉検診を含む予防対策・ケアーを早急に実施させてゆかなければならない。又、昨年から取り組んでいる、入院・入施設者の訪問活動も、単に労働者の入院生活が、病気をなおす為のみにあるものととらえるのではなく、先に述べた様々な問題を集約しているものとしてとらえ、より根本的な問題に迫ってゆく中で、日雇労働者「問題」に取り組んでゆかねばならない。

前の頁へ