日本聖公会中部教区・名古屋学生青年センター
ニューヨークのホームレス
初出:1994/5発行『こえ』No.27
ささしま・野宿労働者と共に
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関本 肇

 アメリカと言う繁栄した近代国家、自由な広大な夢の国に、まるで時の徴しのようにホームレスが現われたのは1980年以降と言われるが、政府は1990年になって、15,000人のスタッフを投じて大々的な調査を始めた。なぜホームレス。それは文字通り、Home-less、家が足りないのである。毎年50万戸の低所得者向けの住宅が消えて行く。放火、倒壊、解体等、言ってみれば毎年100万人以上の大都市が消えていくのである。家賃はやたらに上昇する。2年で30%、ポストンでは50%以上と言う。収入の5割以上を家賃に払う人を低所得者と言うそうであるが、そのような人が600万所帯、そのうちの470万は60%の家賃、そしてこうした人々は、ホームレスの瀬戸際で、その数1000万人がホームレス寸前とされている。しかしこれらの調査は子どものいる家族が対象であって、単身者の実態はつかめていない。

 聖ヨハネ大聖堂の入り日や、マンハッタンの街角には、いつも紙コップに小銭を入れてカチャカチャ音を立てて、私はホームレスと呼称している人達が日中も目につく。ニューヨークの新しい市長はこのNY風景を排除すると言っているが、現実には無理であろう。夜中過ぎ、午前2〜3時ごろになると、周辺の宗教団体やボランティアグループが、車を連ねて街角の公園に、200食、300食のディナーバッグや温かいスープ、デザートなど、そして毛布や必要な日用品を持って行く。どこからともなくホームレスの人達が集まってくる。「ミッドナイト・ラン」と名付けるが、炊き出し、夜回りである。そこでの体験や出会い、ホームレスとの対話が、奉仕する人々の励ましになることは、いずこも同じであろうか。NY市には1万人の路上生活者がいると言われる。

 今年の大斎節に、この1万人の中の100人余の世話をしているフランシスコ会アトーンメント修道院のブラザーに来てもらって話を聞いた。焼け石に水だと言いながら素晴らしい働きを、この100年間つづけている。私と同年の日本人のブラザーがいて、とてもいい話が聞ける。我々に何ができるかと聞いたら、祈れと言う。そうしたら何か起る!との答えが返ってきた。1年に1度ホームレスに目を向けてなにかやろう!とも言われた。アトーンメント会のことは、また改めてお伝えしたい。教会一致を標榜して、100年前に集団で聖公会からローマ教会に移った修道院といえば、ご存知の方もあると思う。

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