日本聖公会中部教区・名古屋学生青年センター
名古屋・笹島に対する行政の弾圧を許すな
初出:1998/11 発行 『こえ』 No.36
ささしま・野宿労働者と共に
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松本 普/笹島人権センター、名古屋聖ステパノ教会信徒

<1・29事件>について

 前35号でお知らせしました8名の「傷害罪被告」事件は、10月8日最後の3人のグループの判決公判をもって事実上終わりました。元「被告」の一人として、改めて読者の皆さまに、関心と御支援を寄せて下さいましたことへの感謝と御礼を申し上げますとともにこの《事件》の意味するところを振り返ってみたいと思います。(以降<本件>という)

 <本件>はひとことで言うと、名古屋笹島における日雇労働者・野宿労働者の人権問題に取り組む活動・運動を封じ込めようとして組織・団体・個人に容赦なく加えられた《公安弾圧事件》だと言えます。前号でも言及されているように、本件の背景・動機は、もう一つの<事件1>抜きには語れませんし、起こり得なかったことです。<事件1>とは、本件「被害者」とされたT・Oら6名による昨年10月下旬の金横領詐欺暴行傷害事件であり、高齢のホームレスで、障害者でもあるYさんが肋骨8本を折られ、全治3ヶ月もの重傷を負わされた事件です。Yさん自身、あるいは親族・支援者らによる訴えを門前払いにしてきた警察は、本件が立件され、またYさんの「告発」を検察庁が受理するや、「最早これまで」としぶしぶTらを逮捕し、<事件1>を立件しました。事件発生後7ヶ月後の 5月で、本件の8名「保釈」後のことでした。<事件1>は明らかに事前共謀・現場共謀・私利私欲に走っTら6名の許されない蛮行暴挙であったが、逮捕2名、起訴されたのはT1名で、判決は求刑通りの懲役 1年・執行猶予3年でした。

 他方<本件>では、昨年12月15日《真相求明・糾弾大衆(約35名)行動》中に起きた事が立件され、 1ヶ月後の1月29日にはTらの供述した8名全員が「公安課」指揮の下、逮捕・全員起訴され、判決は、『「私利私欲」といった動機ではないが「約2週間程度のケガを追わせた」』とし、最も重い者で1年6ヶ月が1名、次が1年3ヶ月1名、他6名が1年の各懲役で全員に3年の執行猶予というものでした。紙面の制約上ここまでしか書けませんでしたが、これが「公平で公正な裁判なのだ」と司法当局は言うのです。

 皆さんはいかがお思いでしょうか?

<行政代執行>による強制排除を許さない!

 去る9月17日早朝、名古屋市は野宿生活を強いられてきた人々に対し、全国で初めての行政代執行法を適用し、公権力を行使し“強制排除”という暴挙を行った。以前より出されていた市当局の退去命令に従わなかったと125名の野宿生活者に対し、機動隊・市職員・ガードマン・私服刑事等総勢250人を動員して市は、彼らの最低限度の生活必需品を強制撤去した。5名のうち3名は早朝仕事探しに出ており、残った2名の必死の抵抗を潮笑うかのように“家”は権力によって破壊された。その理由について市は地域住民や市民からの「苦情」によるものと公言してはばからない。また、 '96年1月の東京新宿西口の撤去を「代執行法」による手続を取らず、この戦いで逮捕された2名がその後「無罪」となった経緯を踏まえての「適用」だ。一体、公権力の行使が何の解決にもならない「苦情」で総勢 250名分の公費を拠出し、野宿しなくても済むような行政施策のためには一円の税金も使わない名古屋市とは?失業対策や福祉対策では他都市の取り組みに一切学ばず、「野宿すら許さない」という本音を露呈しつつ「行政代執行法」を全国に先んじて適用する名古屋市とは?そのツケは遠からず野宿労働者たちを立ち上がらせ、怒りの炎となって返ってくるように思えてならない。

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