第492号(2000年7月)
今、沖縄サミットが開かれています。先進諸国の首脳が集まってのこの会議の主要なテーマとして、日本ではあまり報道されていませんが、世界の重債務国の借金を帳消しにすることが協議されます。そして世界中がその結果に注目しています。
アジア・アフリカなどの世界の最貧国と呼ばれる国々では、世界の先進国や世界銀行などに借りたお金が累積して、もはや返済不可能になっています。借金の利息を少しずつ返済するために国家予算の半分近くを充てても、借金はますます増え続けます。そして、それらの国々では、当然ながら、国民の最低レベルの食糧・医療・教育・福祉さえも保障されないのです。
この原因や責任の所在を問うことはもちろん必要です。しかし、それを究明したところで、現実の累積債務を返済することはまったくできません。先進国や世界銀行もそのことを認識して、昨年のケルンでのサミットでは、債務の帳消しの方向で不十分ではありますが合意に達しました。
累積債務に苦しむ国々では、聖公会の教会がどこでも先頭に立って人々のために必死で働いています。そして、債務帳消しのために、先進国の聖公会の教会・聖職・信徒も時刻の政府に訴え続けてきました。
いま、世界の注目はサミットの主催国である日本の対応に注がれています。日本政府は帳消しには一貫して消極的な態度を示してきました。そのため、この1ヶ月というもの、私の手元には毎日のように、イギリスやアフリカから、「日本聖公会も日本政府に働きかけてください」という手紙が届いています。
主教 ナタナエル 植松 誠