第504号(2001年7月)


 佐藤信康司祭ご夫妻が東京からお出でくださり、新札幌ニコラス教会で、嘱託として牧会してくださっています。四月初めの主日、嘱託司祭の任命式をしましたが、聖卓に佐藤司祭と並んで立ち、聖餐式を司式しながら、昔のことを思い出しました。
 予備校時代、わたしは東京で下宿していました。当時在籍していた教会とは別に、自転車で七、八分のところに練馬聖公会(現練馬聖ガブリエル教会)があり、聖日には予備校に行く途中、早朝聖餐式によく出たものです。ほとんどの場合、会衆はわたし一人か、もう一人ぐらいで、朝の忙しい時間、早口で捧げられる聖餐式は二〇分以内には終わり、そこからすぐ駅まで急いだものです。その教会の牧師が佐藤信康司祭でした。
 今、当時の自分のことを考えると、練馬聖公会の週日の聖餐式に行ったことが不思議で仕方ありません。高校生のときには教会・キリスト教に反発し、親元から離れて東京に行ったら自由になれるから、教会には行かないと楽しみにしていたはずです。「自分のことを知っている人もいないし、しばらく教会から離れてみよう」などと思っていたのです。
 誰に気兼ねすることもない一人の生活になったときに、しかも予備校通いの忙しいときに、聖日になると足は教会に向いていたのです。強がりを言ったり、一生懸命背伸びをしていた時代、心は神様を求めていたのだなと今あらためて思います。そのようなときに、何もおっしゃらずに温かく見守っていてくださったのが佐藤司祭でした。
     三〇年後、共に捧げる聖餐式に胸が熱くなりました。 主教 ナタナエル 植松 誠


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