第511号(2002年2月)
パレスチナとイスラエルの紛争が泥沼化しています。パレスチナ側の自爆テロに対してイスラエルは戦車やブルドーザー、ミサイルなどでパレスチナ自治区や占領地の村や町を攻撃、破壊しています。また、パレスチナ過激派の幹部の暗殺なども起き、それらに対する自爆テロが続き、報復に継ぐ報復の連鎖はとどまるところを知りません。
パレスチナには多くのクリスチャンがいますが、その中にはかなりの聖公会信徒がいることはあまり知られていません。一月中旬、イスラエル軍の攻撃対象となったガザ地区のラファでは、深夜二時に突然戦車などでの攻撃が始まり、五十三軒の民家がおしつぶされ、これによって四百人の子供を含む七百人がホームレスとなりました。始業率は七十%にも上り、飢えや病気が蔓延しています。
ガザ地区には聖公会のエルサレム教区が経営するアハリー・アラブ病院があります。もともとは、北海道教区の生みの親である英国のCMSが宣教医師や看護婦を派遣して創設した病院です。アハリー・アラブ病院はこの貧しい地域にあったすべての人に分け隔てなく高水準の医療を提供する唯一の病院です。そして、単に病人や傷ついた人々へのケアだけでなく、ラファのような町で難民となった人々への食糧や衣服などの生活に最低必要とされるもの救助する活動もしています。しかし、紛争の長期化で、アハリー・アラブ病院やエルサレム教区の窮状は深刻です。カンタベリー大主教も、「パレスチナのクリスチャンを忘れないで」と呼びかけています。
主教 ナタナエル 植松 誠