第519号(2002年10月)


 10月初旬、札幌キリスト教会で「テゼの集い」が開かれました。テゼはフランスの田舎の小さな村にある修道会で、修道士たちの中には聖公会の司祭やカトリックの方など、いろいろな教派の方々がいます。テゼの理念は、和解と一致で、毎日何回かの歌と祈りと沈黙の礼拝がささげられます。毎年何万人もの巡礼者がテゼを訪れ、その中にはカンタベリーの大主教やローマ教皇もいますが、このテゼをもっとも特徴づけるのは、世界中から集まってくる若者たちです。必ずしも熱心な信仰をもった人だけでなく、苦しみ悩みを持った人、また無信仰の若者たちがテゼを目指して集まり、何千人もの人たちが一堂に会してささげる単純素朴な礼拝は、まさにテゼのハイライトです。
札幌での今回の集会にも、教派を越えて多くの方々が集まりました。カトリックのシスターや神父さんたち、ルーテル教会、日本キリスト教団の方たち、また聖公会の方々も沢山来てくださり、礼拝堂が一杯になりました。エキュメニカル(超教派)の集会の開催をどんなに一生懸命呼びかけても、このように多くの方が集まることはありません。ブラザー・ギランと植松功さんに導かれて静かに歌い、み言葉に耳を傾け、長い沈黙。それは、わたしたちが普段慣れている礼拝と違って、ひたすら静まって神様の前に座るという単純素朴なものでした。このようなことが実はわたしたちの信仰生活の大事な生命なのだと気付かされました。
自己本位な主張ではなく、沈黙して神様の愛の中に身と心を委ねるこのような集いを人々は求めていたのです。
 
         主教 ナタナエル 植松 誠


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