教区会主教告示 2005年12月
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日本聖公会 北海道教区


北海の光 教区会主教告示より <2005年12月号>
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 本日、ここに日本聖公会北海道教区第六四(定期)教区会を開催するにあたり、広い北海道の隅々からお集まりくださいました議員、代議員、招待議員、教区役員、陪席の皆様に心より感謝申し上げます。また、この教区会のためにご奉仕くださいます札幌市内の教会婦人会、会場の札幌キリスト教会、補助書記の皆様にも感謝いたします。聖公会の神学では、教区が一つの教会です。そして教会は神の家族です。昨今、私たちの周りでは家庭崩壊が社会現象として挙げられを中、神の家族は固く一つにまとまっていて、私たちが集うところにはいつも喜びと感謝があります。今回の教区会でも、神の家族としての喜びと感謝がこの場を満たしていると私は信じております。この短い二日間、共に祈り、祝い、交わりを深め、話し合い、新たな喜びと希望を与えられますようにと祈ります。

 この一年間も、北海道教区がその証しの道を歩んで来られたことを主に感謝するとともに、その歩みの中で、教区の教役者と信徒が自分に与えられた賜物、労力、お金、祈りなどをもって教区・教会を支えてきてくださったことを感謝いたします。特に教区の働きに関しては、普段私たちの目には見えないことが多いのですが、常置委員を始め教区の諸役員、委員、教区事務所職員などの尊いご奉仕があったことを感謝するものです。

 本年四月、教区内二四教会のうち、一五教会に関係する教役者の人事異動を行いました。その結果、それまで定住教役者のいなかった九つの教会に加えて、今年からは小樽聖公会、留萌キリスト教会、北見聖ヤコブ教会も定住者がいなくなりました。教区の半数の教会に定住教役者がいないということに私は心が痛みます。教区の宣教を考えると、何とか一人でも多くの教役者が今この教区に必要です。もちろん、それらの教会は管理牧師がいて、主目礼拝なども月に数回は行われています。また、教会は牧師だけが宣教・牧会に当たっているのではなく、信徒もその務めを果たしていることも確かです。しかし、また同時に、教会の宣教・牧会は、信徒やその地に住む人々の毎日の生活に関わるもので、そのために専念できる働き人が必要です。広大な北海道教区で、管理牧師が適切に教会を看ていくことは困難ですし、それらの教会では主日以外の、礼拝や聖書の学び、また高齢者が増えている現状での信徒訪問、病者訪問などもなかなかできません。教会と牧師館があるのに、誰かが訪ねていっても閉まっていたり夜も真っ暗という状況は、宣教にとって大きな阻害要因です。教区の宣教を考えて適正な人事異動を考えるにも、肝心の教役者が不足している現状では限界があります。北海道教区として、宣教の最前線に送り込む教役者の確保が最優先課題だと私は思います。本教区会では、宣教献金の使途に関する議案が出されていますが、その中で、来年は聖職への献身者の出現を願って 「召命黙想会」 開催のための費用も計上されています。引き続き、どの教会でも聖職に召される人が与えられるように祈り、この 「召命黙想会」 に参加する人を送り出してくださいますよう、本日ここにおられる議員、代議員の皆様にくれぐれもよろしくお願いいたします。

 教役者不足という事態に関係する事がらをもう一つ申し上げたいと思います。主目礼拝に司祭による聖餐式ができないということが多くの教会で起きています。そのような時、信徒だけでも主日礼拝を守れるようにという意図で、さる七月、主日礼拝司式者講習会を開きましたが、当初の予想をはるかに上回る五〇人もの信徒が北海道中から参加してくださり、熱気あふれる研修が行われました。そして、更に二回目の講習会も開いてほしいとの要望も多く出されています。このような動きが教区に出ていることを感謝するとともに、信徒の働きがこれからも教会生活のいろいろな面で聖職者に代わって行われていくように願い祈るものです。

 教区の教役者不足から、この一年間も退職聖職の方々には主日礼拝のご奉仕など、大変お世話になりました。教区会の場を借りて深く感謝申し上げます。また、本年一月に、テモテ佐々木忠良司祭が天に召されましたが、佐々木司祭の生涯にわたる北海道教区へのご献身に感謝し、その魂の平安のために祈ります。

 さて、聖職への献身者をお与えくださいという私たちの祈りに主が応えてくださり、四月から一人が聖職候補生として神学校で学んでいます。また、明朝には、主のお許しがあれば、四人の聖職按手式が行われ、二人が執事に、二人が司祭に叙任されます。これらのことを皆共に主に感謝いたしましょう。今回、特に、四名中二名が五〇歳を過ぎて、一人は六九歳で献身したということに注目したいと思います。それまでのこの世での仕事を終え、主の召しに応えて聖職になられるこれらの方々の宣教・牧会は、長い人生経験に裏打ちされたものとして、これからの北海道教区に大いに貢献するものと信じています。聖職が誕生するのは、主教による按手があってというのではなく、長い年月をかけて、人々の祈りがあり、教会の祈りがあり、そしてそこに主のお召しが与えられ、それに対して本人の応答があり、最後に主教の按手があって、聖職が生まれていくのです。これらすべての過程で最も大切なことは祈りです。そして、これからも私たちは聖職が生まれることを祈るとともに、自分も主によって呼ばれているのではないかとよく考え、祈り続けていっていただきたいと思います。

 本年六月、英国ノッティンガムで開催された全聖公会中央協議会(ACC−13)に、私は日本聖公会を代表して出席いたしました。その内容につきましては、今ここでご報告する時間がありませんが、その期間中の一主日、私はレスター教区に招かれて、日本聖公会、また北海道教区に関する講演を頼まれました。その申し出を受けた時、私はあまり気乗りがしませんでした。北海道教区の場合、現在受聖餐者は千百人ですが、この数字はレスター教区の一教会の現在受聖餐者数よりも小さいのではないかと思います。また一つの教区で聖職が四百人以上もいるという英国の教区から見ると、北海道はあまりにも小さいし、日本聖公会全体としても本当に小さな管区であることを思った時、何か気後れしてしまったのです。しかし、レスター教区での講演会では、意を決して、私たちの現実の教区・教会としての姿を、ありのままに語りました。異教社会・異文化の中で、一%にも満たないキリスト者が一生懸命自分の信仰を生きていること、経済不況や人口全体の高齢化の中でも、教会のために力強く奉仕し、捧げている信徒たち、厳しい自然と広大な地で、いくつもの教会の牧者として心血を注いでいる聖職たち、ほんの小さな地の塩、世の光に過ぎないこれらの人々の教会・教区が、過去の戦争の反省に立ち、平和と和解の道具になろうとしていること、この世の小さくされた者たちと共に歩んでいこうとしていることなど話しました。反響は大変なものでした。レスター教区の聖職・信徒だけではなく、そこに居合わせたアフリカなどのACC−13の参加者たちから、北海道教区と姉妹教区になりたいとか北海道教区内の教会と姉妹教会になりたいとの申し出があり、また青年の交流をしようとか、もっと詳しく日本や北海道の教会のことを知りたいという手紙や電子メールが何通も届きました。北海道教区のような小さな教会の生き方が、世界の諸教会の宣教に何か貢献できるものを持っていることに改めて私自身気付かされ、また、私たちも北海道教区の殻に閉じこもっていないで、外の教会に目を向けることの大切さを学んだような気がいたします。常置委員会が、北海道教区と海外の教会との宣教協働に目を向けるための教区の窓口について検討を始めていることを私は大いに評価し、今後の進展に期待をしています。

 さて、北海道教区の宣教とは、まず第一義的には、教区の二四教会が行う宣教です。主キリストの福音をそれぞれの教会がどのように受け止め、その中に生き、そしてそれを人々に伝えていくかということです。福音とは文字通り、良きおとずれであり、喜び、慰め、希望、勇気を私たちに与えてくれるものです。これらの教区の成長はひとえに二四の教会それぞれの宣教にかかっていると言っても過言ではありません。一つのみ言葉を引用します。「わたしはすべての人にわが霊を注ぐ。老人は夢を見、若者は幻を見る」(ヨエル三・一)。教会はいつも夢を見、幻を語るところであると思います。自分たちの教会に夢があり、幻があでしょうか。聖霊が注がれ、そこに主のみ力が与えられる時、必ず夢と幻があるはずです。最近、ある教会では教会委員たちが泊まり込みで教会の将来展望を語り合ったということを聞きました。どの教会も、たとえ定住教役者がいなくても、人数が少なくても、いろいろな困難があろうとも、どうぞ夢と幻を探し求めて、みんなで、あるいは教会委員会などで語り合い、そこに向かって希望をもって歩み出していただきたいと思います。夢と幻である以上、それは現実とは隔たりがあるかもしれません。しかし、それゆえに、信仰の歩みとなるのです。宣教の夢・幻を持ち、信徒としてそれにどのように責任をもって関わっていけるかを祈り求め、また宣教の最前線に遣わされている教役者たちは、信徒たちの先頭に立って、その宣教の夢・幻が形あるものとなって実りをもたらすことができるように、そしてその結果として、救いに導かれる者が日々与えられるように一層の奮起をお願いしたいと思います。

 この一年間の教区、教区主教への皆様の温かい、篤いお祈りとお支えを心から感謝し、これからの一年間、また主のお導きと祝福が教区と皆様の上に豊かにありますようお祈りいたします。 

主教 ナタナエル 植松 誠