主教室より 2006年5月
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日本聖公会 北海道教区


北海の光 主教室より <2006年5月号>
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 聖ミカエル幼稚園のチャプレンに就任し、こどもやお母さん、職員にお話しする機会も増えました。五月の「母の日」のために、こどもたちにどのようなメッセージを伝えるかを考えながら、自分の母のことを思い浮かべました。

 八三歳になる母は大阪に住んでいますが、普段はあまり会う機会がありません。たまに主教会などのついでに寄るのですが、「夕食は済ませていくから」と言っておいても、夜遅く着くと、食卓には母の手料理がいっぱい並んでいます。私の好きなものと一緒に、十勝バターや北海道牛乳、そしてサッポロビールの缶まであります。

 「どうして?」と聞く私に母は、「スーパーに買い物に行って『北海道』と書いてあると、他のバターや牛乳の方が安くても、それを買ってしまう」と言います。そんな母には、サッポロビールだからといって必ずしも札幌で生産されたとは限らないなどということを言っても仕方がないと悟りながら、「さあ、これも食べなさい、あれも食べなさい」と言う母に「ありがとう」も言わずに食べだそうと思って箸を延ばした瞬間、「まこと、ちゃんと食前の感謝の祈りをしたの?」という声が飛んでくるのです。

 五〇代半ばの息子、それも主教である息子。母にとっては、その息子はいつまでたっても小さな、手のかかる、心配なこどもなのでしょう。口では素直にありがとうと言えない私ですが、心の内ではいつも感謝しているのです。

主教 ナタナエル 植松 誠