先日、スペインのサンティアゴ巡礼に行きました。サンティアゴ巡礼とは、フランスとの国境であるピレネー山脈から、スペインの西の端のサンティアゴ・デ・コンポステ
ラまでの八百キロの道を歩く巡礼で、中には遠くポーランドなどから数千キロの道を歩く人までいます。私たちは、その道をバスで四日間で走破してしまいました。
リュックサックを担ぎ、帽子を被って杖をついて歩き続けている巡礼者の姿をバスの窓から眺めながら、気付いたことがあります。ハカとかバンブローナなど、巡礼の起点
を歩き始める人々のリュックはとても大きくて重そうなのが、ゴールのサンティアゴの近くを歩く人々はとても軽装になっているということです。旅を始めるときには、あれ
も要る、これも要ると、荷物は増えてしまいます。下着の替えも、ズボンもシャツも、ガイドブックも、薬などもと。
歩きながら、いろいろ捨てていくのです。本当に必要なものはそれほど多くはないということを学んでいくのです。下着は替えが一着あれば十分。それを洗濯して背中に干
しながら歩く巡礼の姿も見かけます。
あれもこれも必要だというのは案外私たちの迷信で、私たちの人生の歩みで本当に必要なものは、ほんの少しなのでしょう。沢山のものを背負い、その重さに喘ぐよりも、
思い切って捨ててしまうことによって身軽になりたいものです。
巡礼のゴールである天に召されるときには何も持っていけないのですから。