Q. 新しい改訂聖歌集はいつ完成するのですか
A. 2006年春の日本聖公会定期総会承認を目指して、現在作業が続けられていす。同年中には印刷発行され、皆様のお手元にお届け出来るようにしていきたいと考えています。
 
Q. 改訂聖歌集は全部で何曲おさめられるのですか。
A. 全部で600曲ほどになる予定です。その他チャントが一緒に掲載されることになります。
 
Q. 改訂聖歌集は、どうして「アーメン」のつく曲が少ないのですか。
A. 聖歌はすでに初代教会においても用いられていました。これらはすべて旧約聖書の詩編を歌ったものでした。けれども、「ユダヤ教会ではなく、キリスト教的に用いた」ことを示すために、必ず「栄光の頌」つまり「父と子と聖霊に栄光」を最後につけて歌っていたのです。初代教会がいよいよユダヤ教会から本格的に脱皮してキリスト教になっていくにつれて、キリスト教独自の聖歌が生まれてきました。そして、もはやユダヤ教と区別するための栄光の頌は必要でなくなり、栄光の頌につけられていたアーメンもなくなっていきます。アーメンは栄光の頌につけたもので、聖歌につけたわけではなかったからです。 英国聖公会で1833年以降のオックスフォード運動が起こると、セイラムという英国独自の典礼形式から、多くのラテン聖歌を英語に翻訳することが盛んになりました。そして、そこには栄光の頌が含まれていたのです。そこで、多数の聖歌に栄光の頌を付けて歌うことが行なわれ、かつて用いられていた栄光の頌のアーメンが再び用いられるようになりました。オックスフォード運動を推進した人々は、このようなラテン聖歌に示されるような中世の慣行にこそ、キリスト教の真髄が示されていると考えたのです。この結果、ほとんど全ての聖歌にもアーメンがつけられてしまいました。アーメンを全ての聖歌に付けて用いる最初で典型的な聖歌集は、英国聖公会で用いられていたヒムズ・エンシェント・アンド・モーダン(古今聖歌集)だと言われています。この傾向はすぐに聖公会から他のプロテスタント諸教会にも広がりました。 しかし、1920年頃になると英国聖公会において、アーメンについての再検討が始まりアーメンを聖歌につけるのは誤りであると認めるようになりました。その結果、1950年以降には事実上もちいることを止めるようになったのです。それ以後、発表される聖歌集は、アーメンの用い方を極めて限定したものとしております。現行の古今聖歌集もこの流れに沿っているわけです。
 
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Q. 改訂聖歌集の大きさはどうなるのですか。
A. 改訂古今聖歌集試用版の大きさになります。また譜の中に歌詞を入れることについては、皆様よりの御意見を参考にしながら検討を進めていきます。
 
Q. 公表されている現行聖歌集の評価チャートが、作業の判断基準になっているのでしょうか。
A. 基本的にはおっしゃるとおりですが、全てその通りではありません。評価チャートが作られた後もそれぞれの聖歌について検討が続けられており、その聖歌の背景や位置づけについて新しい発見があるなどして、評価が変更されたものもあります。中には、削除すべきとされていたものが変更なしで掲載されることになったものもありますし、逆のケースもあります。
 
Q. 1995年発行の増補版、また2001年に発行された改訂古今聖歌集試用版の曲は、全部新しい聖歌集に掲載されるのですか。
A. 全部掲載されるわけではありません。現行聖歌集の各曲と同様、そのまま掲載されるものもありますが、修正が必要なもの、削除されるものもあります。この作業につきましては、現行聖歌集改訂作業と平行して行いたいと考えています。
 
Q. 新しい聖歌集に引き継ぐ曲は、聖歌集改訂委員の好みで選ばれているのではないですか。
A. いいえ、決してそのようなことはありません。その聖歌の成立背景や内容を検討の上、方針が決定されます。植民地支配華やかな時代の作品には、差別的な内容や表現が用いられている場合もあります。こうした聖歌はやはり、21世紀に引き継ぐことは出来ないと考えているのです。委員も人間ですので好きな聖歌や苦手な聖歌はありますが、好きな聖歌を選んでいるのではなく、個人的には好きだったとしても、21世紀にはどうしても引き継げないということで採用を見送っているのがほとんどです。
 
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Q. 改訂聖歌集が完成すると、現行の聖歌集はどうなるのですか。
A. 改訂聖歌集は、現行の聖歌集に代わるものを作り上げるのが目的ですので、総会承認後は原則としてすべて改訂聖歌集に切り替わることになります。しかし現行の祈祷書改正の時もそうだったように、しばらくの間併用期間が持たれることになる見込みです。併用期間がどのぐらい必要であるかは、各教会の礼拝における使用状況を見て判断されることになるでしょう。
 
Q. 海外の聖公会では、新しい聖歌集が完成しても、従来のものがそのまま使えるようになっていますが、どうして日本聖公会では、新しいものが出来ると従来のものを使えなくしてしまうのですか。
A. 現行の聖歌集は、その大半が1850年代以前に作られた作品となっています。1959年の発行ですから1900年代後半の作品がほとんどないのは当然ですが、日本の歴史と照らし合わせれば、明治以前の作品が大半ということになります。江戸時代末期から現在に至るまで日本の状況は激変しています。聖歌もまた、時代の背景や教会の宣教課題の変化を踏まえ、歩み続けているのです。聖歌集の改訂は任意のことではなく、必然的なものなのです。また従来の聖歌集の中で時代を超えて引き継ぎたいと思われるものは新しい聖歌集にも含まれています。全く新しい聖歌集を作っているのではなく、よいものを残し、修正すべきものを修正し、使われないもの、使いにくくなったものを削除して、新しいものを加える、これが聖歌集改訂なのです。従って従来のものを使えなくしているわけではありません。
 
Q. 私の愛唱歌が新しい聖歌集に引き継がれるかどうか心配しています。最終方針はいつ頃公表してもらえますか。
A. 改訂作業の進み具合にもよりますが、全体の方針が決まる2005年頃には公表できるのではないかと思います。
 
Q. 私の愛唱歌を是非残してほしいと要望すれば、それは聞き入れられるのでしょうか。
A. 聖歌集の改訂は必然的なものであり、個人の希望を超えたところで作られていかねばなりません。従って、希望をお寄せいただいた場合、必ず聞き入れられるとは限りません。
 
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Q. 聖歌集改訂委員はどのような人が選ばれているのですか。
A. 委員会は8名で構成されることになっており、現在は委員長に森紀旦主教(中部)、委員として、内田望司祭(大阪)、大岡創司祭(京都)、宮崎光司祭(東京)、青木瑞恵姉(横浜)、加藤啓子姉(東京)、鈴木隆太兄(横浜)、鈴木伸明司祭(北関東)です。
 
Q. 改訂古今聖歌集巣用版に親しむため、聖歌各曲をおさめたCDがあればと思うのですが。
A. 著作権の問題上、公の形で改訂古今聖歌集試用版のCD版を制作するのは多くの困難があり、現在のところ考えておりません。しかしながら教区によって自主的に録音作業を進め、CDなどを作成しているところがあります。こうしたことは、個人使用の範囲であれば著作権上も問題ありませんので、当該教区に相談してみてください。一方チャントのCD版は今後の普及促進の意味からも、聖歌集改訂委員会で制作したいと考えております。
 
Q. 新しい聖歌集の値段はいくらですか。
A. 現行聖歌集(1,500円)+αに抑えたいと考えております。
 
Q. 教会に時々新しい聖歌の案が送られてきますね。
A. そうですね。聖歌集改訂委員会で承認された聖歌のうち、特に紹介したいもの、教会暦に合ったものなどを各教会にお送りしています。これは本格版改訂聖歌集に掲載する案で、皆様の御意見を伺いながら最終的な修正を行いたいと考えています。各教会の皆様におかれましては、是非これらの聖歌を礼拝で用いていただきたいのです。そしてその感想やお気づきになった点などをお寄せください。すぐ礼拝で用いていただけるよう、基本的に一枚刷りの形でお送りしています。
 
Q. 新しい聖歌についての意見は、どのように伝えればよいのですか。
A. 各教区に聖歌集改訂のための担当委員を決めていただいていますので、教区ごとにまとめていただき、聖歌集改訂委員会にお寄せいただければと思います。個別にお寄せいただきますと、どこからお寄せいただいた意見か分からなくなったり、フィードバックが出来なかったりすることがあります。皆様の愛する聖歌のことですので、相当数の御意見があると思います。そこで是非、教区でまとめてお寄せいただければと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

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