教会暦
降誕節
2020  栄光の国の天使の群れは
Angels, from the realms of glory
James Montgomery (1771-1854)
BLAENWERN
William Penfro Rowlands (1860-1937)
(訳詩 青木瑞恵、訳詩協力 福井嘉彦)
 天使の賛美、羊飼いの訪問、東の賢者たちの訪問、といったクリスマスの光景を描き、「皆来て拝もう 新しい王」とくりかえし歌う、喜ばしい歌です。
 作詩者のジェームズ・モントゴメリーは、メーレン(モラビア)兄弟団の牧師の息子として生まれ、一時は聖職を目指したこともありましたが、詩の才能に恵まれ、新聞の出版に携わりました。社会的な問題に関心が深く、そのような視点から400余の聖歌を書き、英国の五大賛美歌作家の一人に数えられています。この詩は、1816年に『降誕』という題で、彼自身が主筆の新聞に発表されました。その後1825年に自作の詩集を出した折りに、『すべての人々への大いなる喜びのよき訪れ』と改題され、1871年から多くの聖歌集に収められるようになりました。その際にすべての聖歌集で、「罪人として運命付けられている人間」と表現されている最終節は省かれました。
 曲は、多様な詩との組み合わせで、英国の教会では好んでよく用いられていますが、このモントゴメリーの詩との組み合わせは、歓喜への思いを溜めるかのような落ち着いた前半部から、徐々に高揚していく後半部へと展開する壮麗な曲によって、喜ばしい降誕の物語が目に浮かぶ、味わい深い聖歌となりました。
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