聖餐式聖書日課関係
福音書
イエスの地上の生涯
2099  こころを尽くして
こころをつくして
宮崎 光 (1965-)
YOKOHAMA
鈴木隆太 (1959-)
 主イエスの説かれた重要な二つの掟、すなわち「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、主なる神を愛しなさい」、また「隣人を自分のように愛しなさい」を主題に、『試用版』のために改訂委員である作者たちが新たに創作した聖歌です(作詩者については2087、作曲者については2009 を参照)。
 1、2節では、主のみ言葉そのものを歌っています。3節は、「掟を知る者」である律法の専門家が「何をしたら、永遠の命を受け継ぐことが出来るでしょうか」[ルカ10:25] と主にたずねた場面を念頭に、その対話の経緯を描いています。そして4節では、神を愛し、隣人を愛する姿勢・行動は、決して二律背反ではないことを、十字架のイメージを伴って告げます。
 十字架は、縦の木が「神と人」の垂直的関係を、横の棒が「人と人」との水平的関係を表す、と教えられることがあります。そして、縦と横が交差している重なり合った中央に、その要として、神と隣人を愛することを実現された、「十字の真中の主イェスがおられる」のです。短いながらも、イタリア歌曲のような味わいを持つ美しい旋律によって福音の根幹が歌い上げられています。A年・特定25、B年・特定26、C年・特定10の福音書に対応した聖歌です。
 『古今』では「隣人への愛」を歌ったものが、あまり多く見られなかったのですが、キリスト教会の宣教課題でもあるこの主題を、豊かに展開する聖歌が今後も求められます。
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