聖餐式聖書日課関係
福音書
イエスの地上の生涯
2100  ひとりの女が
A prophet-woman broke a jar
Brian Arthur Wren (1936-)
MEGERRAN
Walter K. Stanton (1891-1978)
(訳詩 渋澤博子、訳詩協力 東 弘彦)
 性差別の問題を真正面からとらえた、現代の賛美歌作家B・レン(2034参照)による、発想豊かでエネルギッシュな聖歌です。
 1節では、ナルドの香油で主イエスの足を洗うベタニヤのマリア [ヨハネ12:1-8] を歌います。彼女は、「なぜこの高価な香油を売って貧しい人に施しをしないのか」とそしられましたが、それは主の「葬りの備え」であったことが、主ご自身によって語られました。
 2節は、主の墓を訪れ、そこで「見たこと 聞いた言葉を」使徒たちに「つぶさに伝え」、復活の最初の証人となったマグダラのマリアをとらえています [マタイ28:1-8並行] 。
 3、4節では、聖書や歴史の陰に隠され続けてきた名もなき女性たちに、聖霊の息吹は隔てを取り除く力をもっておよび、その「力と賜物」を生かし合うことと、信仰の継承における女性の重要性を説き、仕えあうために人はみな平等であることを強く訴えています。
 この詩のメッセージを、力強い旋律が生かします。展開部(三段目)では、曲調を一瞬抑えつつ、半音階で上昇させることによって感情に流されないで、着実に賛美を底から盛り上げてゆきます。
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