2010年2月記事

広島復活教会のホームレス支援     広島復活教会牧師 司祭 オーガスチン 小林 尚明

 昨年の8月から復活教会の東隣りの公園でホームレスの人たちへの炊き出しを行っています。神のおとずれの編集者の方からその経緯とどんな人たちが活動しているのか報告してくださいと依頼されましたので、少しまとめてみました。

反省と学び

 近年、日本聖公会では信徒の高齢化と減少が言われています。この状況を打破するために何をすべきか、教区主教と事あるごとに相談しましたが、要は目新しい活動ではなく、教会の本質的な宣教の働きをしなければならない、ということでした。  そこで昨年一年、復活教会では、教会の努力目標を「福音宣教と教会の働きについて学び、教会の活動を見直す」に決めました。まず初めに百瀬文晃神父の著書「キリスト教の原点」の勉強会をいたしました。そして4月18日(土)には、百瀬神父に来ていただいて「福音宣教と教会の働き」について研修会を行いました。百瀬神父さんが一番最後に強調されたのは「教会は希望を語らねばならない」という希望こそ、御国(神の国)の福音の希望でした。

ランベス会議報告

 この学びと共に、教会は何をしなければならないか、教会の宣教とは何かを考えていまして、行きついたところは、ランベス会議の報告書でした。1988年の報告書の中に、教会は神様の愛されているこの世界に遣わされていることを確認した上で、教会の宣教を
1.み国の福音を宣言すること
2.改宗者を教え、洗礼し、養育すること
3.人のニードに愛の奉仕をもって仕えること
4.社会の不公平な機構を改革するように努めること
と説明しています。この発見が大きかった。

夜回りの会

 この会は、正式名称を「野宿労働者の人権を守る広島夜回りの会」と言いまして、広島平和礼拝や一昨年聖公会とカトリックで行ったフランス、ルルド巡礼のお世話をしてくださったカトリックの肥塚侾司神父(広島司教区付)が代表をされているホームレスの人たちへの支援組織で、12月から3月末までは、毎週水曜日夜(4月からは月二回)、おにぎりやみそ汁などをもって行き、さまざまな相談にのるものです。会が把握しているホームレスの人たちは百名を越えています。私も昨年の一月からお手伝いをさせていただいています。

韓国スタディ・ツアー

昨年6月8日(月)~12日(金)に日本聖公会の主催で、地域宣教についての大韓聖公会の活動を見学して来ました。立派な報告書が出来て、各教会に配布されていますからそれを参考にしていただきたいのですが、「いと小さき者に仕える」ことこそ教会がしなければならない宣教であることを学び、「タシソギ(再起)・センター」でのホームレスの人たちへの給食の奉仕をさせていただきましたが、その給食(ビビンバとおみそ汁など)のおいしさに驚かされ、広島で配っているおにぎりがみすぼらしく感じてしまいました。

炊き出しスタート

 今年もカトリックの皆さんと聖公会の信徒で肥塚神父さんに指導していただき五島列島の巡礼に行きました。その反省会を6月15日(月)に復活教会で行いまして、韓国で体験してきたことをお話しして、夜回りの会とは違った、もっと美味しい食事を提供したい、というお話しをしました。それでは一つやってみますか、ということになって、8月30日(日)からスタートすることになりました。ですからこの活動の最初の奉仕者は、五島列島に巡礼に行ったグループなのです。  そして、一回目はカレーライスを提供する事にして、そのチラシを夜回りの会の人たちにも手伝ってもらって配りました。来られた方は、約65名。少しアルコールも出して、テーブル、イスも用意して行いました。これは想定外だったのですが、近所から苦情がきてはいけないということで、近くのマンションにチラシを持って行き、ご理解を頂いたのですが、「どこから資金が出ているのか」と尋ねられまして、「信徒の募金です」、というと「私も寄付させてください」とお金を持ってきてくださった方がありました。また当日、エプロンを持参して「こういう活動に興味があります。手伝わせてください」という方も現れました。 そうこうして、10月25日(日)、12月27日(日)と昨年は3回行いました。

炊き出し

炊き出し

自己満足なのか

 

二ヶ月に一回くらいの活動でホームレスの問題が解決するのか、自己満足なのではないかという批判もあるかも知れません。 この活動を始めた時に私もそう思いました。 しかし、ホームレスの人たちへの支援活動は、夜回りの会をはじめ、司法書士会や介護福祉会の方々などさまざまな人たちが活動しています。その中にあって私たちクリスチャンが出来ることを少しでも行っていけばいいのではないかと考えながら行っている状況です。 ただ復活教会の宣教活動は、もっと沢山あって、日本キリスト教海外医療協力会への使用済み切手およびカードの収集送付。アルディナウペポ(東アフリカの子どもを救う会)への協力、清鈴園、愛の園老人ホームへの奉仕などがあります。それらの活動の最後に始まったのがこのホームレス支援なのです。



震災画作成苦労話 ―ストレスに向かう       神戸聖ヨハネ教会牧師 司祭 ヨハネ 角瀬克己

 計画から約半年、作業を始めてから約4ヶ月~ひとまず絵が完成しました。当初予想していた以上に時間が懸かりました。正直なところ、こんな計画を提案したのは失敗だったかなあ、という思いが心をよぎったこともありました。でも一方で、少しずつやっていけば、何とかなるだろう、とも思っていました。
何か物事を実行するというのはストレスのかかるものです。しかも終局点まで長時間を要する、作業をしていてもなかなか全体が見えてこない~そういうときと言うのは本当に疲れるものです。
 昨年、大学の学生有志によるボランティアの計画が持ち上がりました。ある福祉施設が主催するイヴェントに出演して欲しいという依頼があったのです。参加者を募集し、応募者を集めてどんな出し物を行うか相談し、計画を実施するスケジュールを立てました。相談の結果、こども向けに描かれた絵本をベースにして造られたミュージカルを行うことになりました。シナリオは出来上がっており、歌も伴奏も楽譜になって出版されています。後は必要な衣装と小道具を製作し、しっかり練習を積み重ねるだけです。小道具は出演者とは別に、小道具作成グループが担当、衣装は出演者が自分の着用するものを作ることになりました。
いよいよ本番1週間前になりました。もうそろそろ仕上がっているだろうと思って、リハーサルを兼ねて、最終的なチェックをしようと出演者に招集をかけると、メンバーが揃わないのです。「今日は他のクラブの練習日だから」、「わたしは出かける予定を入れてしまっているから」、「わたしはアルバイトがあるから」等々。まるで婚宴の譬えのような有様です。そして詳しく聞いてみると、全員が顔を揃えて練習したことは一度もないということでした。
出演を引き受けた以上、しかも本番を間近に控えプログラムも出来上がっており、アナを空けることはできません。出演者を何とか引っ張り出し、集中練習をさせて、どうにか仕上げましたが、職員、スタッフはクタクタです。
 練習スケジュールははっきり決まっていたし、練習を積めばよいだけ。でもそれができないのはなぜか?それは学生が僅かなストレスにも耐えられなくなっているからです。物事を為す、というのは少なからずストレスが懸かります。何かを犠牲にしなければなりません。僅かなストレスに耐えながら、成し遂げる、ということに慣れていない者にとっては、小さなストレスさえ辛抱できない、そしてその結果、物事を成し遂げることが出来ない、達成感をえられない、面白味を経験できない~そんな風に感じられます。
今回、絵の制作を通して、教会全体がストレスに立ち向かった、と言えると思っています。そしてそれを乗り越えたからこそ、面白かった、という経験をしたのだと思います。ストレスの懸かることは避けたい、でもストレスに向かうことがわたしたちの成長にとって大切なことではないでしょうか。

震災画 震災画2



 当日は午前5:30からの追悼の祈りに引き続き、震災当時当教会の牧師であった中村豊主教(現日本聖公会神戸教区主教)をお招きし、午前10:30より主日礼拝を行いました。昼食はいつものうどんではなく、震災後の炊き出しを覚えて、白ご飯と豚汁を頂きました。午後1時30分より記念礼拝を行い、「震災の絵(仮称 現在タイトルを募集中)」の除幕を行いました。他教会の聖職・信徒の方々も多数おいで下さり、記憶に残る礼拝となりました。「満月の夕」で歌の奉仕をしてくださった青年会のみなさんどうもありがとうございました。