今月の説教要旨
2002年10月
(牧師) 司祭 マタイ 西川 征士
2001年10月7日(聖霊降臨後第18主日)

『主の家族である教会を大切に』

 本日の特祷を見ると、今週の私達の教会生活のテーマは「主の家族である教会」を黙想しながら過ごすことにあるようです。

 「主よ、主の家族である教会を、絶えることのない恵みのうちにお守りください。」

 先ず一般の「家族」について考えてみましょう。

 私の家族も長男も二男も東京で暮らしています。娘は結婚してやっぱり東京で暮らしていて親子兄弟みんなバラバラになり、私の家族は今は家内と二人きりで、みんな一緒だった頃と較べると、大分寂しくなりました。家族親子が一緒に居られることが、どんなに楽しく、素晴らしいことでしょう。

 琵琶湖のそばに今津という町があります。JR今津駅前に大きな看板があって、そこにちょっと変な言葉が書いてありました。「ちょっと待て、もう一度帰ろう故郷へ」だったと思います。その下に「今津警察署」と書いてあります。どうしてこんなことが書かれているのでしょうか。

 今津町は滋賀県・福井県の田舎からの玄関。お父さんやお母さんが嫌いになったり、嫌な事に出会った子供が家出をして今津駅から電車に乗って出て行くのだそうです。今津駅は家出をする子供たちの玄関になっているのです。

 家族はとても大切なもの、楽しいもの。家族がバラバラになると良くありません。家族は幸せに生きて行くのに一番大切なものですから大事にしなければなりません。聖書の中でも聖パウロが教えています。「あなたがたは・・・・・神の家族なのである。」(エペソ2−19)

 私たちは神の家族と言っています。お父さんやお母さん、お兄ちゃん、弟や妹が居たりする家族はもちろん大切ですが、もう一つ別の「家族」があります。天のお父様、神様を中心に私達はみんな神様の子供、大きな「家族」だと教えています。神様を信じる人は皆神様の家族。教会は「神様の家族」です。神様の家族ですから、どんな苦しい時も、どんな辛い時でも、いつも天のお父様、神様が見守り、励ましてくださいます。いつも安心していられます。だから「神様の家族」から離れてはいけないし、みんな家族として仲良くしなければなりません。

 昔イスラエルのダビデ王が歌いました。『見よ、兄弟(家族)仲良く共に居るのは、なんと大きな喜びで、何と美しいことか』(詩133−1)

 この詩のように、神様が、私達が神様の家族、兄弟としてみんな仲良くしている姿を思い、うれしく、美しいと言っておられます。

 どうして神様が人間や世界、そして家族を造ってくださったのか、よく考えねばなりません。

 私も小さい頃、砂場遊びやドロンコ遊びをよくしたものです。皆さんもそうでしょう。砂やドロンコで、山、川、海、木、花、動物、人間達を次々造って楽しみました。神様はこの砂場遊び・ドロンコ遊びと同じように、昔々自然やこの世界のあらゆるものを造り、そして最後に人間を造り、箱庭造りをされました。(創世記1〜2章参照)。出来上がって、神様は「さあ、自然も動物も植物も、そして人間達も、みんな仲良く生きなさいよ」と、きっと喜んで言われたことでしょう。

 神様は私たちが神様の家族としてみんな仲良くしている姿が一番うれしいのです。その楽しみのために世界と人間、家族を造って下さったのです。日常茶飯事のように起こっている児童虐待死、その他の殺人事件、それに米国でのテロ事件・報復戦争など、神様はどんなに悲しんでおられるでしょう。神様の大切な家族として、神様から離れないで、みんな一つになって仲良く生きて行きましょう。