12月9日 降臨節第2主日(A年)



司祭 テモテ 宮嶋 眞

 平安女学院のチャプレンとして遣わされて、7ヶ月が過ぎた。生徒の感性と行動力に驚かされている毎日である。今、平安女学院の生徒会では、アフガン難民のための支援募金に取り組んでいる。9月11日に起こったニューヨーク貿易センタービル破壊事件は、多くの生徒に大きなショックを与えた。当初生徒たちは、ニューヨークで被害にあった人々、またその子どもたちに支援の手をと考えたようだったが、様々なニュースを聞くことや、学習を重ねる中で、アフガン難民への支援を選ぶようになった。
 コンピューター教室からインターネットにアクセスして、NGOのペシャワール会、国境なき医師団、燈台等の働きや活動の写真を、瞬時に取り寄せたり、UNHCR(国連高等難民弁務官事務所)や、UNICEFの働き、アフガニスタンや難民キャンプの情報などをあつめ、それらを編集して生徒会の会報にのせて、ぜひ支援をとの呼びかけをしている。11月26日(月)には、NGO職員で、アフガン難民キャンプを実際に訪問し、支援をしている方を招待して、学校で対話集会を行った。
 宗教センターもこれらの動きに応えて、いつもこの季節に行っているクリスマス・カンタータ(今年は12月15日(土)午後3時、一般公開)を「平和を求める」クリスマス・カンタータと称して、全学の祈りとして平和希求のカンタータにすることとした。来場される保護者や一般の方々に訴えるのは勿論であるが、さらに生徒達は街頭募金も計画している。おりしも降臨節。聖歌隊のキャロリングにあわせて、四条あたりでということを考えているようだ。彼女達の学びと働きは、まさに、平和の「総合学習」であると思う。
 ふりかえって、教会に集う私たちの働きはどうなのか。世界の苦しみと貧しさ、弱い人たちの叫びに、どれだけ心を開いて、耳を傾けようとしてきたのか。また、そこからどのような実践をなしてきたのか。私たちにも、学びと祈りと実践からの照り返しである、総合学習の必要があるのではないでしょうか。
 本日の旧約聖書イザヤ書にある、エッサイの株から出たひとつの若い芽の上に、主の霊がとどまって、正義と平和の働きをなし遂げたように、彼女達やわたしたちの上にも、主の知恵と識別の霊、思慮と勇気の霊がとどまるようにと祈る。また、福音書において、洗礼者ヨハネが「悔い改めにふさわしい実を結べ」「我々の父はアブラハムだなどと思っても見るな」と厳しく迫っています。それは脅しではなく、「狼と小羊がともに宿り、豹は子山羊とともに伏す。子牛は若獅子と共に育ち、小さい子どもがそれを導く」平和な世界実現への参加という喜ばしい招きなのだと思う。

 

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