4月21日  復活節第4主日(A年)



司祭 セオドラ 池本則子

イエス様の声に聞き従う

 復活節第4主日は『良き羊飼いの主日』と呼ばれています。この主日には毎年ヨハネによる福音書の10章に記された「羊と羊飼い」の記事が読まれます。
 羊と羊飼いの生活というのは、日本ではなじみのないものでなかなかイメージがわかないと思いますが、その関係は親子のようです。羊飼いは自分の羊一匹一匹に名前をつけ、わが子のように大切に可愛がります。一匹一匹の特徴や性格をよく知り、一匹一匹を見分けることができます。羊の方も自分の世話をし養ってくれる自分の羊飼いをよく知っており、自分の羊飼いの声を聞き分けることができます。羊飼いにその名を呼ばれた羊は喜んで、よく聞き慣れた羊飼いの所に近づいて行き、その後に従います。他の者には決してついて行きません。羊たちは、外に出て迷ってしまわないように跳び越すことのできない高いそして大きな囲いの中にいます。その羊の囲いには一つだけ門があります。羊飼いは毎朝、その門から中に入り、自分の羊を草のある牧場に連れて行って養うのです。その時、羊たちが野獣や強盗に襲われたり殺されたりしないようにと、常に羊たちの先頭に立って命がけで羊を守り、安全な道を行かせるのです。羊たちは羊飼いがいないと生きていくことができません。この羊の囲いにある門を通らないで、ほかの所を乗り越えて入って来る者は、盗人であり、強盗です。もし、そのような盗人や強盗に襲われたら、羊は抵抗することができません。また、囲いを出て草を食べに行く時にも羊飼いがいなければ、どこへ行ったらいいのかわかりませんし、途中で野獣や強盗に襲われて命を落としてしまうこともあるのです。
 私たちも羊のように羊飼いに守ってもらわなければならない弱い人間です。野獣、盗人、強盗に譬えられるこの世的な思い、煩い、誘惑に目が奪われ、誤った道に踏み外してしまう可能性をいっぱい持っています。正しい道に導いてくださる良き羊飼いが必要です。イエス様は私たちを正しい道に導いてくださる良き羊飼いです。また、イエス様は私たちを救いに導いてくださる門です。イエス様以外に私たちを救いに導いてくださる門はありません。イエス様は私たちのためにその命を惜しまず献げ、復活の命を与えてくださいました。私たちは誘惑の声に聞き従うことなく、一人一人をよく知り、一人一人の名を呼んでくださるイエス様の声に聞き従い、イエス様という門から救いに入れられ、イエス様によって正しい道に導かれて養われていきたいと思います。


 

 

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