2003年2月16日   顕現後第6主日(B年)



司祭 バルトロマイ 三浦恒久

神は人と人との間に

 イエスが伝道活動に入られたのは、およそ30才の頃であったと言われています。その第一声が「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」でした。イエスは神の国到来という良きおとずれを、人々に宣べ伝えるために立ち上がったのです。
 この伝道活動の開始とともにイエスがなさったことは、4人の漁師を弟子にすることでした(後にイエスは合わせて12人の弟子を選ばれるのですが・・・)。イエスは単独では行動なさいませんでした。イエスは弟子グループを形成して、集団として伝道活動をしようとされたのです。
 では、イエスが伝道活動と同時に、弟子集団を形成しようとした理由は、どこにあったのでしょうか。そのヒントが「二人または三人がわたしの名によって集まるところに、わたしもその中にいる」(マタイ18:20)というイエスの言葉の中にあります。すなわち、神は人と人との間におられる。交わりを通して神は働かれる、ということです。イエスは交わりを大切にされました。
 マルチン・ブーバーという人が、「はじめに関係があった」と言っています。この言葉は今日の日本が、今一度深く考え、回復しなければならない言葉だと思います。親と子との関係はどうでしょうか。教師と生徒の関係はどうでしょうか。自然と人間の関係はどうでしょうか。
 人間(ニンゲン)というすばらしい日本語があります。「人と人との間」=「人間」(ジンカン)すなわち人間(ニンゲン)ということです。
 イエスは伝道活動の開始と同時に、弟子たちを召し出されました。それは、人と人との間に神が働かれているのだということを、確信していたからではないでしょうか。関係の重要性を、イエスは自覚していたのだと思います。

     神はどこに
     神は人と人との間に
     神の国はどこに
     神の国は人と人との間に
     イエスは十二人を弟子に
     その中に神が
     その中に神の国が
     熱血漢
     正直者
     理想家
     懐疑な主義者
     裏切り者
     それが十二弟子
     それが人と人との間
     その中に神がその中に神の国が

 

 

 

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