2003年12月21日  降臨節第4主日 (C年)


司祭 ヨシヤ 立川 裕

【ルカによる福音書 1:39−45】

◆12月に入りますと、街全体がクリスマスのムードで、点滅する電飾(イルミネーション)やクリスマス・ソングも聞こえてきます。クリスマス・ツリーを飾ったお店もたくさんあります。それらのものは本来、教会が行ってきたことですが、今や、本家を通り越してゴージャスなものも見受けられます。キリスト教的なものが街にあふれて、とっても喜ばしいことですが、それらの飾り付けがどんな意味を持っているのでしょう。

◆「アドベント・リース」
アドベントとは、教会暦の「降臨節」の英語での言い方です。これは「待つ」という意味です。高田基督教会のアドベント・リースは、色の付いたロウソクを5本立てていますが、この色は、教会暦の祭色に合わせています。中心の白いローソクは、クリスマスの日を表しています。まわりの四本のローソクは、降臨節の第1主日から2,3,4の主日を表しています。そしてローソクは、主日にあわせて点灯されます。主日ごとに一本ずつ点灯する数を増やして、クリスマスの日を待つのです。

◆ 「針葉樹の葉」
クリスマスツリーやリースには、モミの木や杉などの針葉樹が用いられます。日照時間が短くなり、寒さも増してくるこの季節は、とかく暗い気持ちになってしまいますが、そういった時期に、葉を落として丸裸になってしまう広葉樹(紅葉は美しいですが)とは違って、緑色の葉を残す針葉樹は、命を予感させます。そこに、命の源である主イエスの誕生の意味を重ね合わせて、緑の輪っかを作り、そして飾ります。とぎれのない輪っかは、キリストの命の永遠性、完全性を表しています。

◆ 「電飾(イルミネーション)」
これらは、近年のはやりです。その昔で電気のない時代は、ローソクを灯すことによって、光なるキリストの誕生を待ち望みました。ローソクは、自らの身を溶かしながら光を放っています。まさにキリストの生き方を象徴しています。最近では郊外の住宅地でも競い合うかのように豪華なイルミネーションがあって、見学者が自動車で集まるところもあるようです。

◆ 「クリスマス・イヴ礼拝」
12月24日の夜、教会の暦で言えば「降誕日前夕」に、キャンドル・ライト・サーヴィスが行われる教会も多いと思います。ローソクの光の中で、キリスト誕生の預言や物語が聖書から朗読され、キャロルが歌われます。一年で一番たくさんの人びとが教会の礼拝堂に集まる時ではないでしょうか。信徒ではない方々にとっては、日曜日の礼拝よりも参加しやすい礼拝ではないでしょうか。是非、お近くの教会に12月24日の夜、お出かけになってはいかがでしょうか。お勧めいたします。


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