「秋祭りを終えて」 

                             執事 アンデレ 松山健作

 


  「わたしの名のためにこの子供を受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。わたしを受け入れる者は、わたしをお遣わしになった方を受け入れるのである。あなたがた皆の中で最も小さい者こそ、最も偉い者である。」 (ルカによる福音書九章四八節)

 今年の秋祭りも三〇〇名以上の来場を記録しました。十一時からの礼拝では、補助席をいっぱい出しました。幼稚園では、いつも長くても十五分ぐらいの礼拝です。日曜学校の三〇分の礼拝は、園児たちにとっては長く感じたことでしょう。けれども、一緒に歌を歌い、お話に耳を傾け、たくさんの人の中で一緒に礼拝をおささげできたことに驚かされました。

秋祭りは、「子どもたちが楽しむこと」が目的です。また同時に保護者のみなさん、そして教会のメンバー、保育者という大人も一緒に楽しむということが大切です。そのため礼拝も、大人と子どもが別々に行うのではなく、同じものを共有します。一緒に神さまに向けて、お祈りするという行為を大切にします。

今年度は、福島の子どもと母親を支援する会津放射能情報センターのため、台風や洪水の被災者、また幼稚園の新遊具についてお祈りしました。私たちが自分自身だけのことでなく、他者を覚えてお祈りする力を身につけることができればと思います。

引用した聖書を読んでいますと、イエスさまの時代、子どもたちは、その社会において、存在価値が認められなかったということがわかります。つまり、ユダヤ社会で定められた律法を守ることができない存在として、愚かな者と同列にされていました。

けれどもイエスさまは、そんな当時一般的な子どもの理解に対して、新たな理解を示されました。それは「最も小さい者こそ、最も偉い者である」という教えです。

「小さい者」とは、その社会で苦しみを受けている者という意味合いを含んでいます。つまり、子どももやはり小さいゆえに除け者にされたり、暴力を受けたり、さまざまな苦しみを受けて小さくされた存在なのです。

イエスさまは、ユダヤ社会の中で小さくされた者に寄り添い、苦しみを背負い、十字架へと向かわれました。それは一般社会では理解されない道を選んで行ったメシアの生き方を示すものであったのです。