月報「コイノニア」
2001年4月号 No.212


主の復活 (古聖所への降下)

司祭ヨハネ

イエスと一緒にガリラヤから来た婦人たちは、ヨセフの後について行き、墓と、イエスの遺体が納められている有様とを見届け、家に帰って、香料と香油を準備した。婦人たちは、安息日には掟に従って休んだ。そして、週の初めの日の明け方早く、準備しておいた香料を持って墓に行った。見ると、石が墓のわきに転がしてあり、中に入っても、主イエスの遺体が見当たらなかった。そのため途方に暮れていると、輝く衣を着た二人の人がそばに現れた。婦人たちが恐れて地に顔を伏せると、二人は言った。「なぜ、生きておられる方を死者の中に捜すのか。あの方は、ここにはおられない。復活なさったのだ。まだガリラヤにおられたころ、お話になったことを思い出しなさい。人の子は必ず、罪人の手に渡され、十字架につけられ、三日目に復活することになっている、と言われたではないか。」
(ルカによる福音書第23章55―24章7節)

聖金曜日正午から、主教座聖堂(聖アグネス教会)で京都伝道区合同の受苦日礼拝を行う慣例になっています。いつから、なぜそうするのか、不勉強のため知りません。そこでは毎年同じ式文で、聖書も聖歌も固定されています。大斎節から復活節へ、とりわけ聖週から復活日にかけてそれぞれの教会で行われる一連の礼拝の中で、受苦日礼拝だけが別のものとして浮いてしまうのは残念です。十字架の時をどのように過ごすかについて、教会には豊かで多様な伝統があります。各教会がそれぞれこの豊かさを実現していくことも大切ではないでしょうか。
諸教会が一堂に会して主の受難に与ることに意味を見出すとすれば、たとえば、主の十字架がこの地上における特別な一地点ゴルゴタにおいて起こったことがあげられるでしょう。ガリラヤから主に従って来た婦人たちは、なすすべもなくそのまわりにたたずんで、胸かきむしられる思いで十字架の主を見上げていました。そのように、わたしたちもまた各教会から一箇所に集まって十字架の時を共に過ごす、ということです。
ゴルゴタはたしかに地上のあらゆる場所の中できわめて特異な地です。その特異性について、バッハもマタイ受難曲の中で「ああゴルゴタ、禍いなるゴルゴタよ。栄光の主はここで辱めにけがされ、この世の祝福も十字架の呪いとなった。天地の創造者もその生命を失い、罪無き者も罪ありとしてここで死に定められた」と歌っています。
しかしまた、ゴルゴタは、わたしたち一人ひとりの内に、しかも中心に位置する特異点でもあります。そこで主を十字架にかけたのはわたしたち自身であり、十字架はわたしたちの暗黒を担う限りない暗黒です。ところが、まったく不思議なことに、その暗黒の中から主は光り輝く復活のみ姿を現されました。十字架の暗黒が、即、限りない光を限りなく溢れ出させる光の泉となる。
使徒信経では「十字架につけられ、死んで葬られ、よみに降り、三日目に死人のうちからよみがえり、天に昇られました」と唱えます。ヨハネ黙示録でも「恐れるな。わたしは最初の者にして最後の者。また生きている者である。一度は死んだが、見よ、世々限りなく生きて、死と陰府の鍵を持っている。」と主は言われます。以前にもご紹介しましたが、東方教会のイコンでは、古聖所(陰府)に下って死者に福音を告げ、彼らを死の束縛から解き放って引き上げるキリストの姿によって復活を表現します(古谷功「イコン」)。ご自身を無とし、低いものとするために、暗黒のきわみである陰府にまで下られた主即死者に命をお与えになる栄光ある復活の主であることを示す、すばらしいイメージです。
(図は15世紀末、北部地方派によるイコン「主の復活(古聖所への降下)」)


祝 ご復活!

4月15日(日)復活日の午前4時半、ジュニアチャーチを中心とする18名の人々が大文字山をめざして教会を出発しました。約二千年前、マグダラのマリアが、「朝早く、まだ暗いうちに」、主を葬った墓へと急いだように、五山の送り火でおなじみの「大」の字の頂点にあたる場所で、夜明けの礼拝をささげるためです。聖土曜日深夜に始まり、真夜中過ぎに行われた復活日最初の聖餐式に次いで二つ目の復活日礼拝になるこの大文字山早天礼拝は、聖マリア教会恒例の行事です。深夜聖餐式に出席した人々の中には、この早天礼拝に参加する中学生の娘さんを送り届けるために、文字通り夜を徹してイースター・ビジル(復活徹夜祭)を守ることになった人もいました。
午前7時早朝聖餐式、8時英語聖餐式を経て、10時45分、新しい聖堂で二度目に迎える復活日大礼拝が盛大なプロセッションで始まりました。昨年以来、度重なる礼拝奉仕ですっかり定着した聖歌隊は、この日大幅に人数が増えて三十数名の大聖歌隊となり、写真のようにチャンセル左右両側を埋め尽くして、サーバーの動きもままならないほどでした。さらに特筆すべきことは、この日初めて登場したハンドベル・クワイアのご奉仕です(写真下)。この日のために大斎節中熱心に練習を重ねてきた聖歌隊とハンドベルの演奏は、すばらしいオルガン奏楽とあいまって、教会暦最大の祝祭日である復活日礼拝にふさわしく感動的なものでした。これら音楽奉仕者たちに支えられた総勢約150人の会衆の歌声はいつもにまして豊かに響きわたり、「天の全会衆とともに」ささげる大賛美を実感させるものとなりました。
今年はまた、昨年3月まで司牧しておられた浦地洪一司祭(現平安女学院中学高等学校校長)が共同司式をしてくださいました。入院中のところ、医師の外出許可を得てのご奉仕でした。新聖堂建築のために五年間浦地司祭と労苦を共にしてきた教会員一同は、約一年ぶりに同司祭から陪餐し、感慨に浸りました。浦地司祭が転勤の際に献げられた復活のろーそくも、ひときわ光り輝いて御復活の喜びを告げていました。
 礼拝後は会館ホールで、各自持ち寄りのごちそうをいただきながら楽しいひとときを過ごしました。
 復活日に先立つ聖週には、今年も「しゅろの行列」に始まり毎日様々な礼拝が行われました。特に聖木曜日夜の「洗足式・聖餐制定聖餐式」、京都伝道区全教会が主教座聖堂に集まって行う聖金曜日「受苦日礼拝」、聖土曜日夜の「復活のろーそく(パスカル・キャンドル)の祝福・洗礼の約束の更新・復活日深夜聖餐式」などが重要ですが、昨年に比べてこれらの礼拝への出席者がたいへん少なかったのは残念です。ご復活の喜びをより深いものとするために、長い歴史の中で教会が築き上げてきた礼拝として大切にしていきたいものです。

初お目見えの
ハンドベルクワイヤ
これからも継続して
練習するそうです。
(メンバー募集中)


4月の教会委員会から

《報告事項》
▽教籍異動=ドルカス星野冨美姉逝去3月7日
▽聖週の礼拝=4月1日発行の「聖週とイースターのご案内」参照
▽結婚式予定
4月28日(土)11時森川孝則・山田佳江
6月2日(土)11時青木太一・中村仁美
6月17日(日)菅原一樹・森津なぎさ
9月23日(日)14時30分安藤譲一・大橋明子
11月11日(日)14時30分水津雅幸・康子(東京在住)
▽今年度教会実習神学生
アルバン阿部芳克(二年生)北海道教区聖職候補生(51歳)
▽堅信式日程=5月20日(日)復活節第六主日
▽青年会=青年会主催ミニバザー企画中。第一回青年自然クラブ「森へ行こう」。
▽GFS=7月末―8月初全国研修会(ソウル)。来年度は京都が担当。
▽ジュニア・チャーチ=復活日大文字山早天礼拝
▽日曜学校=14日イースターエッグ作り、17日教師会、22日遠足嵐山天竜寺
▽聖マリア幼稚園=10日入園式・始業式、11名入園
▽礼拝音楽委員会=ハンドベルクワイア発足。復活日および5月20日堅信式にも奉仕。教会コンサート案内55の教会へ
▽納骨堂=既納骨者真鍮ネームプレート貼付完了

《協議事項》
▽2・3月度会計報告承認
▽礼拝堂建築会計報告承認。4月5日に310万円を管区に返済する予定
▽聖マリア幼稚園中・長期ビジョン検討委員会設置について=教会と幼稚園の架け橋として、幼稚園の発展について考えるために、教会委員会のもとに表記の委員会を設置する提案がなされた。その方向で進めるために教会委員会の中に準備小委員会を設置することを決定。5月の教会委員会に具体案を提案し発足させる。
▽その他
@高齢者、病者などへの支援態勢の確立を目ざして(継続審議)
A教会実習神学生の教会委員会陪席について。
B野外礼拝について。


聖マリア幼稚園コーナー

 昨年度、24名の卒園生が巣立ち、2名の子供達が転園していきました。先生の交代で、不安になりかけていた幼稚園の全員。新任ならぬ強力新任を迎え、神様の導きに感謝します。今年度4月10日に、11名の新しい子供達を迎えて入園式、始園式が行われました。花組(麻衣先生)が10名、赤組(尚子先生)が8名、緑組(朋子先生)が8名の26名でスタートしました。昨年度に比べ、半分程の人数になってしまいました。又、この4月より定員数が既存の建物の面積から割り出されて87名(旧100名)になりました。そして数年の様々な要因によって、幼稚園の存在が薄れてきた事にみんなが危惧し、幼稚園の現旧の保護者を始め、教会内外のご協力等を得、説明会やアピールを重ねる事によって、「岡崎道の角の教会には幼稚園があったのだ」と、この聖マリア幼稚園を新しい方々の心に留めて頂く事が出来たように思います。とは言え本当に少子化です。保育園への申し込みは増えているのに・・と、どこの幼稚園も、特に昔ながらの地域は頭を抱えているのが現状です。開園以来92年以上という中で、我が園の大切な部分のひとつである、今だからこそ守らねばならないもの、神様に出会い、ひとりひとりの大切な成長を見守っていく為に頑張らねばと思っています。教会委員会でも幼稚園に対して、協力体制で色々話し合って下さっている事に感謝致します。本年もどうぞ宜しくお願い致します。
(園長・菅原さと子)

新任のごあいさつ
  主任 藤 田 尚 子

 この春から聖マリア幼稚園に再び勤務させていただくことになり、夢のようで、いまだにほっぺをつねる日々です。教会の皆様、幼稚園の先生方、みなさま本当に笑顔で温かく迎えてくださり、マリア教会から離れていた空白の時間もまるでうそのようです。
 以前のマリア幼稚園勤務で学んだことは生活・子育てに大変役に立ちました。ただ心残りなのは、信仰に基づいた子育てができず、人を思いやったり感謝したり、ということが上手く自然な形で自分の子ども達に伝えられないもどかしさがあった事です。けれどもそれ以外は本当にさまざまな経験をすることができ、きっと神様は色々な世界を見てくるように外の世界に連れ出してくださったのだなと思うこのごろです。だからこそ、信仰に基づいた生活の素晴らしさを改めて大きく感じることができたのかもしれません。
 主人を突然亡くして、心にポッカリと穴が開いてしまった時も、遠い京都の地から心配してくださっている皆様のお気持ちが伝わってきて、何か言葉では表せない信仰のつながりを感じ、皆様のおかげでしっかりと立っていることができました。
 色々経験したことを生かして、幼稚園で、そして教会で精いっぱいがんばりたいと思います。これからも宜しくご指導の程お願いいたします。


各部からのおしらせ

=日曜学校=
4月22日(日)春の遠足(嵐山方面)。
5月20日(日)4月5月お誕生会。今年度より二ヶ月に一回お誕生会を開催します。
5月15日(木)午後7時より5月度教師会。

=ジュニアチャーチ=
5月6日(日)・20日(日)午前10時より礼拝堂にて朝の礼拝。
5月27日(日)春の遠足(奈良明日香村方面)。

=幼稚園=
4月26日(木)春の遠足(植物園)。5月1日(火)・2日(水)家庭訪問。
5月8日(火)よりPrePre開始。

=婦人会=
4月30日(月・休)4月度例会は立石恭子さん宅にて家庭集会。

=ボーイスカウト=
4月22日(日)ビーバー隊親子ハイク(大文字山方面)大文字山と教会を結ぶ秘密通信あり。
5月13日(日)ビーバーランド(宝ケ池菖蒲公園)。
4月22日(日)カブ隊ポイントハイク(宝ケ池周辺)
リーダー交代・任命式。新リーダー=隊長・中川、副長・寺嶋、中本、荒木。
5月13日(日)カブ・ボーイ合同ハイク(百井方面)。
ボーイ隊新リーダー=新たに女性インストラクター3名を迎える。
副長・貞弘、藤井(宗)、
インストラクター・藤井(靖史)、鈴木、片山、長谷川。
新団委員・谷口、西田、宮脇(順子)。


ニュースとお知らせ

=幼児洗礼式=
4月15日、森田いずみちゃんの洗礼式がありました。教名ロイス、教父母は前田潤さん、辻法子さん、末松玲子さんです。
また、29日、新實杏奈ちゃんの洗礼式が行われます。

=浦地司祭手術=
浦地司祭は4月16日に入院してカテーテル検査を受けられ、23日に手術の予定です。お祈りください。

=入院=
河内長野在住の浦地つね子さん(浦地司祭ご母堂)は、先ごろ三日市の青山病院に入院されました。お祈りください。

=逝去=
ベニヤミン津田雅之介兄(岡崎入江町、1949年受洗、1950年堅信、当教会)が16日に逝去され、17日通夜の祈り、18日葬送式が当教会で執り行われました。享年68歳、法用修夫人完子さんの実兄です。

=結婚式=
4月28日(土)11時より、森川孝則・山田佳江さんの結婚式が行われます。

=堅信式日程=
5月20日(日)にバルナバ武藤六治京都教区主教をお迎えして堅信式を行う予定です。

=逝去者記念聖餐式=
4月の逝去者記念聖餐式(レクイエム)は4月25日(水)午前11時からです。

=逝去50日記念式・納骨式=
4月21日(土)11時、聖堂において、星野冨美さん逝去50日記念式・納骨式が行われます。

=ハンドベルクワイア練習日程=
5月から再開します。第2・第4火曜日の10時30分からと、19時30分からの二つのグループに分けて行います。都合のよいグループにご参加ください。条件は「中学生以上」「練習の継続参加」です。申込みは続木創さん、林悦子さんまで。

=卒業・入学・就職=
〈小学校入学〉(聖マリア幼稚園卒園)吉村和馬君(ノートルダム学院小)、河原林大督君(錦林小)、森千夏ちゃん(東京都豊島区大成小)、新實未由子ちゃん(第三錦林小)
〈中学校入学〉久保恵さん(修学院中←修学院第二小)
〈高校入学〉津田祐理子さん(京都市立音楽高校←岡崎中)、小林由布子さん(ノートルダム女学院高←岡崎中)、佐々木恭子さん(堀川高←北嵯峨中)、久保歩さん(北稜高←修学院中)、安屋敷和良さん(高槻高←高槻中)
〈大学入学〉南耕祐さん(福岡県立大社会福祉学科人間形成学科←洛北高)
〈就職〉佐々木統さん(クリニカル・サプライKK )、
佐々木景子さん(富士通KK ←大阪電気通信大工学部情報工学科)

=今年度実習神学生=
21日(土)からアルバン阿部芳克さん(北海道教区聖職候補生、神学館2年生)が一年間教会実習に来られます。よろしくお願いします。

=芦生のんびりキャンプ=
4月29日(日)―30日(月・休)、恒例のキャンプが芦生で開かれます。プログラムなしでのんびりします。九時教会発。会費は実費をワリカン。お問い合わせは吉村伸さん、佐々木栄さんまで。

=教区教育部リーダー研修会=
4月29日(日)16時―30日(月・休)12時半、大津聖マリア教会。中学卒業以上で、教育部キャンプまた教会キャンプ・日曜学校に関わっている、またはこれから関わろうとしている人(未成年者は保護者印が必要)。申込期日4月23日。

=教区青年交流キャンプ=
5月3日(木)14時―5日(土)13時半、サン大淀キャンプ場。詳細は斉藤仁さん、浦地愛さんまで。

=第105回教区婦人会大会=
5月11日(金)―12日(土)、ピアザ淡海(ホテルピアザびわ湖)「21世紀に生きる教会」。

=京都JOCSのつどい=
5月19日(土)14時―16時、京都国際交流会館。カンボジアワーカー加藤睦保健婦活動報告「カンボジアで伝統的な産婆さんと共に」。

=ウイリアムス神学館講義日等=
下田屋司祭は4月から教理学T・Uの二科目だけの担当となり、金曜日が神学館の日となります。また、総務局の仕事で、木曜日も「朝の聖研」の時以外はおおむね教務所におられます。


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