月報「コイノニア」
2001年7月号 No.215


マグダラの聖マリア

司祭ヨハネ

 マリアは墓の外に立って泣いていた。泣きながら身をかがめて墓の中を見ると、イエスの遺体の置いてあった所に、白い衣を着た二人の天使が見えた。一人は頭の方に、もう一人は足の方に座っていた。天使たちが、「婦人よ、なぜ泣いているのか」と言うと、マリアは言った。「わたしの主が取り去られました。どこに置かれているのか、わたしには分かりません。」こう言いながら後を振り向くと、イエスの立っておられるのが見えた。しかし、それがイエスだとは分からなかった。イエスは言われた。「婦人よ、なぜ泣いているのか。だれを探しているのか。」マリアは、園丁だと思って言った。「あなたがあの方を運び去ったのでしたら、どこに置いたのか教えてください。わたしが、あの方を引き取ります。」イエスが「マリア」と言われると、彼女は振り向いて、ヘブライ語で、「ラボニ」と言った。「先生」という意味である。
       (ヨハネによる福音書第20章11―16節)

 7月22日はマグダラの聖マリア日です(今年は主日と重なるため23日に移動)。冒頭の聖句はその日の福音書の一部です。マグダラのマリアは古来西方教会で非常に崇敬され、さまざまな伝説にいろどられて、しばしば文学や美術の題材にもなりました。彼女がベタニアのマリアその他の女性と同一視され、聖書の豊かな女性像の多くが彼女に帰せられたことが大きく作用しています。わたしたちが思い描く彼女の人物像にも、聖書の中でマグダラのマリアと特定されていない女性たちの姿が投影しています。
ベタニアの病人シモンの家で「一人の女」がイエスの頭に香油を注いだ話(マタイ26、マルコ14)は、ファリサイ派のシモンの家で「一人の罪深い女」が涙でイエスの足をぬらして髪の毛でぬぐい香油を塗ったというルカの物語(7・36以下)と同一視され、さらに、一人の女=罪深い女=マグダラのマリア、とされました。さらにまた、ベタニアのマルタ・マリア・ラザロの家での出来事として、マリアがイエスの足に香油を塗り髪の毛でぬぐったというヨハネの記事から、マグダラのマリアはベタニアのマリアとも同一視されました。
これらの物語がもともと一つの出来事に基づくものかどうか、また、はたしてマグダラのマリアの行為なのかどうかについて、聖書は沈黙しています。しかし、想像を少しふくらませるだけで、このような同一視は容易に生まれるでしょう。五世紀の大教皇レオ一世以来、西方ではこの同一視が定着し、さまざまな伝説の温床となりました。
マグダラのマリアについて聖書がはっきり語っていることは、悪霊につかれた病をイエスによっていやされ、十字架上の主を遠くから見守り、その埋葬を見とどけ、復活の朝(香料を携えて)イエスの墓へ行き、天使から復活を告げられ、復活の主に最初にお会いして弟子たちに伝えたということです。東方教会では「携香女」と呼ばれ、イエスに早くから随行していた婦人たちの一人として、また復活の最初の証人として記念されますが、西方のように肥大化することはなかったようです。そのイコンはイコノスタスの祝祭日の段に置かれるものの一つとして描かれます。手許にその図像がないので、西方の作品を上に掲げます。
「全能の神よ、み子はマグダラの聖マリヤの心と体の健康を回復され、さらに復活の証言者として召されました。どうかみ恵みによって、わたしたちを赦しまたいやし、み子の復活の命によって力づけ、主に仕えさせてください」。祈祷書にあるこの日の特祷です。この祝日の意味が明瞭に述べられています。
(図は14世紀『ベリー候の豪華時祷書』より「キリストの埋葬」。主の遺体が聖母やアリマタヤのヨセフらの手で石棺に納められるところ。マグダラのマリアは、ニコデモの持参した没薬と沈香でイエスの手の傷口をふさいでいます。右肩に垂れている長い髪の毛は、西方における彼女の伝説的象徴です。)


7月の教会委員会から

7月1日主日礼拝後

《報告事項》
▽礼拝(主日・週日礼拝以外)
6月3日故松本勇治郎兄逝去者記念式
6月9日故谷亮三兄・絹姉・照芳兄私宅逝去者記念式
6月17日ナタナエル菅原一樹・森津なぎさ聖婚式
6月17日故ベニヤミン津田雅之介兄納骨式
6月20日6月逝去者記念聖餐式(レクイエム)
6月28日八木基督教会婦人会との合同昼の祈り
▽7月逝去者記念聖餐式(レクイエム)予定7月18日(水)11時
◎今月から主日聖餐式代祷逝去者名簿の他にレクイエム逝去者名簿を作成し、未受洗者や他教会所属者を含め遺族が記念したい人びとのためにも祈る。
▽結婚式予定
10月7日(日)守岡太郎・アンジェラ服部桜聖婚式
11月11日(日)水津雅幸・康子結婚式
▽青年会=後述
▽GFS=7月8日聖アグネス教会にてGFSの集い
▽ジュニアチャーチ=後述
▽日曜学校=後述
▽聖マリア幼稚園=後述
▽幼稚園委員会=7月23日に第3回会合を行う。
▽営繕=婦人トイレ水栓をレバー式に更新した。
聖堂壁モザイクの一片剥離は旧聖堂からの移設の過程で生じたものであった。
▽ボーイスカウト=後述
▽礼拝音楽委員会=ハンドベルクワイヤ再開。→後述
▽信伝協=9月15―16日信徒の集い。9月30日親睦会でハンドベル演奏

《協議事項》
▽6月度会計報告承認
▽その他
@信徒の集い窓口を南寛委員にお願いする。
Aつのぶえ講読部数を50部から100部に増やす
B幼稚園運転資金として教会会計から百万円貸付。
Cバザーは例年通り11月3日に実施する。
Dチャンセル用椅子発注は司祭と服部氏に一任。
E節電および防犯対策の徹底
F8月教会委員会は休み
G司祭夏休み8月26日(日)午後―31日(金)


聖マリア幼稚園コーナー

母の会会長 小西紀美

 岡崎道の交差点角に教会と幼稚園があることを意識したのはいつの頃だったでしょう。私の実家の墓がこの近くにある為、年に何度か訪れるたび、その交差点を通ったものでした。
 自分の日常生活において、教会というものの存在が全く意識下にないことが、かえって信号待ちをしている時に見える建物に目が留まったのかもしれません。そしてその横に幼稚園があることを知りました。
 二十数年も後に、まさか自分の娘がその幼稚園に通うことになろうとは夢にも思わないことでした。そしてここはかつて主人が通っていた幼稚園だったのでした。
一昨年前、園の見学をさせていただくにあたり、初めて中に足をふみ入れ、子供達の表情を見たとたん、「かわいーい」と思わず口ずさみ、ひと目で好感を持ちました。子供達の目が笑っている、口元が微笑んでいる、楽しそうにおしゃべりしている…。そんな子供達のあたりまえの表情がとってもかわいく感じたのです。まさにひとめぼれの瞬間でした。みんなの輪の中に入れてもらい、先生方の話を聞いている(?)娘の目の輝きは、家で私と遊んでいる時のものとは比べものにならないほど輝いておりました。―ここに決めた―。娘の入園というよりも、まるで私自身が通うような感覚で決めたように記憶します。そしてその気持ちは今に至っております。
 娘は入園まで常に私にベッタリくっついておりました。それがうそのように入園式の日から一度も泣くことなく一年間通ってくれ、休日まで「幼稚園へ行く―」と言うぐらい幼稚園大好きっ子となりました。私には全く信じられない事で、これはきっと神様が私たち親子を導いてくださった結果なのだと感じずにはいられません。幼稚園に、教会に、そして何よりも先生方に感謝の気持ちでいっぱいです。又、私自身も子供同様幼稚園が大好きになっていったのです。
 そんな私が今年度、聖マリア幼稚園母の会会長という大役を仰せつかることとなりました。たった一年しか園の生活を経験していない私にどうして役が務まるものかと悩みました。しかし、これも導かれ、与えていただいたものと思い、まだ数ヶ月ですが皆様のご協力の下、努めさせていただいております。
 昨今、幼児虐待という言葉を見聞きすることが多く、子育ての難しさを痛感する毎日ですが、子供と一緒に登園し、笑顔で迎えてくださる先生方にお会いし、お話をさせていただくことにより、子育てに関するヒントをいただいたり、一日の元気や勇気を与えていただいているように感じております。今後も今まで以上に、皆様に感謝の気持ちを持ちながら、日々を過ごしていきたいと思います。どうぞよろしくお願い申しあげます。


聖書ヘブライ語へのお誘い

新しい聖研として「聖書ヘブライ語入門」が水曜日(第三を除く)10時半から行われています。ヘブライ語など専門家のためのもの、と思われがちですが、実はそうではありません。イエス様はヘブライ語で書かれた聖書を読み、ヘブライ語で賛美を歌い、ヘブライ語で話されました。新約聖書に出てくるイエス様の御言葉やたとえ話は、そのヘブライ語からギリシア語に訳され、さらに日本語に訳されたものです。だから日本語の聖書を読むときに、ほんの少しでもヘブライ語とヘブライ的表現の知識があれば、今までよくわからなかった御言葉の意味がわかり、より深く味わうことができます。また、アーメン、ハレルヤ、ホサナなど、わたしたちがヘブライ語のままで使っている言葉や、よく耳にする地名や人の名前などの意味を知るのはとても楽しいことです。聖書を読むためにも、礼拝や教会生活においても、ヘブライ語の知識はなにかと役に立つものです。現在、数人の婦人の方々がこの聖研に参加しておられますが、皆さんとても楽しんで勉強しておられます。その方々の感想も聞いてみてください。ゆっくり進んでいますし、まだ始まって間もないので、今から参加しても十分追いつけます。何となくしり込みしていた方々、入りそびれていた方々、この機会にチャレンジしてみませんか?


各部からのおしらせ

=日曜学校=
20日(金・祝)・21日(土)SS北小松キャンプ。7月22日より8月いっぱいまで夏休み。

=ジュニアチャーチ=
8月3日(金)〜5日(日)芦生キャンプ。平日参加可能なスタッフ募集中です。吉村まで。
8月19日(日)10時朝の礼拝。

=幼稚園=
7月24日(火)〜26日(木)日本聖公会保育連盟保育者大会(千葉)。
30日(月)宝ヶ池、31日(火)御所にて園外夏期保育。8月3日(金)・4日(土)お泊まり保育。

=青年会=
8月11日(土)・12日(日)八木キリスト教会と合同で青年会交流キャンプ(美山方面)。
お問い合わせは斉藤仁まで。

=婦人会=
7月15日(日)7月度例会。「私暦をつくる」。

=幼稚園委員会=
6月27日(水)夜、二回目の幼稚園委員会が開かれました。次回は7月23日(月)。

=ハンドベルクワイヤ=
練習は毎週火曜日に行われます。
第一・第三火曜日は10時半から「朝の部」。第二・第四火曜日は19時半から「夜の部」

=ボーイスカウト=
夏季キャンプ
<草刈り>7月14日(土)〜15日(火)芦生キャンプ場。
<ビーバー隊>7月28日(土)〜29日(日)加茂青少年山の家。
<カブ隊>8月3日(金)〜5日(日)舞鶴市小橋。
<ボーイ隊>8月11日(土)〜14日(火)芦生キャンプ場。
<ベンチャー隊>8月11日(土)〜14日(火)芦生キャンプ場。


ニュースとお知らせ

=西山静夫さんの近況=
ご自宅の中でそろそろ歩きできるようになりましたが、転倒されると自力で立ち上がることができません。火・木・金はデイサービスセンターへ行っておられます。それ以外の外出は当分困難な状況です。引き続きお祈りください。

=芝正巳さんスイス勤務へ=
7月27日から一年間、ご家族同伴でスイスに住まわれることになりました。教会員の皆様宛の手紙を掲示板でご覧ください。

=聖マリア教会案内ちらし改訂=
昨年作成した京都聖マリア教会の案内ちらしがなくなりましたので、このほどその改訂版を作りました。受付台に置いてありますので適宜ご活用ください。

=逝去者記念聖餐式=
7月18日(水)11時から七月の逝去者記念聖餐式を行います。主日代祷で記念している逝去者以外に記念したい方がおられましたら、お名前と逝去年月日・享年をお知らせください。未受洗の方についてもお祈りします。

=教区ビル工事=
7月5日(木)ザ・パレスサイド・ホテル営業開始のため教区ビル改修工事が行われています。第一期工事7月4日(水)まで。その間教区センターに駐車できません。その後も9月末日までは営業しながら第二期工事が行われますので、駐車できないことがあります。

=GFS 全国研修会ソウルで開催=
7月30日(月)〜8月2日(木)韓国ソウル市で「2001年GFS 全国研修会in ソウル」が開かれます。当教会からは、佐々木まゆみ、牧子、恭子、速水純子、村田洋子の五姉が参加されます。

=吉村伸さん、管区の会議へ=
7月20日(金)―21日(土)、管区(東京)で開かれる「各教区総務・広報担当者協議会」に京都教区情報発信委員の吉村伸さんが参加されます。

=信徒の集い=
今年度教区信徒の集いは9月15日(土)〜16日(日)の日程で、舞鶴市のホテルマーレとポートシャインホテルで開催されます。事務局は東舞鶴聖パウロ教会。詳細は掲示板のポスターとちらしをご覧ください。当教会の窓口担当を南寛さんにお願いすることになりました。

=京都いのちの電話より=
社会福祉法人京都いのちの電話の後援組織「千人会」への入会のお願いが来ています。この会の会費がいのちの電話の活動を支えます。立石昭三さんが募金委員の一人になっておられます。詳細は掲示板でご覧ください。


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