月報「コイノニア」
2002年10月号 No.230


イスラームをめぐって(13)

司祭ヨハネ

 神がアブラハムを試そうとして、あるみことばを出され、彼がそれを果たしたときのこと、主は言いたもうた、「わたしはおまえを人々の導師にする」。彼が、「私の子々孫々までもですか」と言えば、「わしの約束は悪逆者どもには通じない」とお答えになった。
(二「雄牛の章」124)

シーア派最大の十二イマーム派を中心に、スンナ派との違いを見てみます。彼らの信条は、神の唯一性、神の正義、イマーム、預言者、来世の五項目とされており、神の正義とイマームにおいてスンナ派と異なると言われます。
神は正義であり、人間の悪は人間自身の行為であって神に帰することはできない。そこから人間の自由意志説が出てきます。これに対しスンナ派は、天命の思想に見られる予定説をとります。政治的には、体制に正義を求め、必然的に反体制派になるシーア派に対し、スンナ派は共同体の統一と安定を第一義として歴史を素直に肯定します。
しかし最大の違いはイマーム論にあります。啓示の言葉にはすべて表面的な意味の背後に真実の内的な意味が隠されており、預言者と、預言者から伝えられたイマームだけが知り得る。冒頭句はシーア派の根拠とされるコーランの一節です。アブラハムの後裔とはムハンマドとその一家を指す。ゆえにその後継者は預言者の家柄に属さねばならず、それが神の意志である。「わしの約束は悪逆者どもには通じない」とはイマームの職責の超自然性を示すものであり、神によって任命されたイマームは罪を犯すことがない。ムハンマドは死の直前、神の意志を受けて、後継のイマームとしてアリーを指名した。神は預言者につながるイマームを立てて宗教的・政治的導師とされた。神によって選ばれた代々のイマームは、預言者同様、神の意志を直接受ける存在である。信者はその指導に従うことにより正しい生涯を送ることができる。スンナ派のカリフは政治的指導者にすぎず、イマームとは全く異なるものである。
十二イマーム派は、アリーを初代イマームとし、第三代フサイン(9月号)の男系子孫をイマームと認めて、第十二代ムハンマドまで数えます。この第十二イマームは死なずに長期の「お隠れ」(ガイバ)に入って今に至り、世の終わりに「時の主」として再臨して正義を実現する。ガイバの間は法学者がイマームの意志を信徒に伝えるとされ、イラン革命でホメイニーが唱えた「法学者の統治」の理念はその現れと言われます。
シーア派において、コーランの権威はスンナ派同様ですが、第二典拠のハディース(預言者伝承)は彼らが独自に認める四書だけとされ(8月号)、さらに各イマームの聖言行録(アフバール)が重視されます。スンナ派は六つのハディース(公認六伝承)と、アブー・バクルからアリーまでの四カリフを「正統カリフ」と認めます(9月号)。
十二イマーム派はイランの国教であり、イランを拠点としてイラクやレバノンにかなりの信徒をもちます。その他のシーア派にはイエーメンで支配的なザイド派、イラン、インドなどの少数派イスマーイール派、シリアやレバノンの山岳地帯にドゥルーズ派やヌサイリー派などがいます。各分派の信条は、スンナ派に近いと言われるザイド派から、極端派と呼ばれるドゥルーズ派まで幅があります。
スンナ派の地域は、アラビア、エジプト、トルコ、アフリカ中部以北、インド、パキスタン、アフガニスタン、インドネシアなどで、イラクではシーア派と半々の割合と言われます。


写真はイランのエスファハーンにある王のモスク
(17世紀初。現エマーム・モスク)


聖マリア幼稚園コーナー

園児募集のご報告と御礼

 去る、9月1日より2003年度の園児募集が始まり、9月中に行った募集に関する一連の行事=11日の第2回子育て支援講演会・20日の入園説明会及び在園生保護者との懇談会・25日の保育見学会及び在園生保護者との懇談会等、今年も無事終了しました。今年度新たに見学会を設けました。幼稚園見学は各々の方が都合の良い日に来て下されば良いと考えていましたが、なかなか単独でおいでになれない場合が在ると知り、日を設定してみました。募集にまつわる三回の集まりは各々対象が異なるということを感じました。それは、子育て支援の為に幅広く、また、説明会ではまさしく聖マリア幼稚園てどんな幼稚園かな?と考え、そして最後の見学会に来られた方々は殆どが心を決めておいで下さったように思います。上記の一連については、教会のみなさまを初め、在(卒)園生の保護者の方々が、そして各々のお知り合いの方が、幼稚園のアピールやポスターの貼付などにご協力下さいました。10月1日より始まっています願書受け付けで、来年度4月からのスタート園児数(10月25日現在。まだ定員には至っていませんので引き続きお申し出でがあればお受けします)がほぼ確定しました。三歳児(花組)21名、四歳児(赤組)20名、五歳児(緑組)12名 合計53名で来年四月の始業を迎えます。少子化に伴って園児が減少した折りには、皆さまには物心両面でお助け頂きました。お陰様で少し回復してきました。ミレニアムベイビーかな?団塊の世代の孫かな?とも思いますが。現在満三歳児の受け入れを始めたり、HPの開設などあの手この手で幼稚園のアピールを重ね、幼児教育の大切さを伝えて来ました。それが満三年になります。みなさまからのアドバイスで「聖マリア幼稚園」の存在を明らかに!と思って始めたものです。「ひつじの幼稚園」と言ってその存在を再認識頂けるようになったかとも思います。また、Pre-Pre Schoolも十月の在籍数は一六組。来年度もまたその中から、いえ、それに留まらず満三歳児(小花)入園を希望して下さる方があれば嬉しく思います。今年度のあとの五ヶ月を充実した保育で毎日を過ごさせてあげたいと思っています。11月1日の園児数は47名です。念のために。そして、この紙面を借りて、現時点でのご報告と御礼を伝えさせて頂きます。感謝。
 (園長 ルデア菅原さと子)


ボーイスカウト50周年記念式典開催

 10月27日(日)午後3時より聖マリア教会礼拝堂においてボーイスカウト京都第24団の50周年記念式典が催されました。
 記念礼拝のあと、式典では各功労者が表彰され、マリア教会の下田屋司祭をはじめ、牧師を歴任された浦地司祭、古谷司祭、京都聖マリア学園にも感謝状が贈られました。 村島文二初代隊長をはじめ設立当時の主要メンバー達や、当時の牧師であった故山田司祭夫人も遠方より駆けつけていただき、素晴らしい式典になりました。
 午後7時15分より場所を改め、からすま京都ホテルにて親睦会が持たれました。140名もの出席者で当時の懐かしい写真紹介や、25年前のタイムカプセルの開封などの企画を交え、懐かしい談笑のひとときを過ごし、あっという間に会のお開きを迎えました。歴史を再確認し、また新たな五〇年に踏み出したBS二四団でした。


各部からのお知らせ

=日曜学校=
毎日曜日9時30分より朝の礼拝(礼拝堂)。10月27日(日)秋の遠足(二条城)。11月3日(日)誕生日会。24日(日)感謝祭。
10月29日(火)午後7時半より教会会館にて教師会。

=ジュニアチャーチ=
11月は3日(日)、17日(日)10時より朝の礼拝(礼拝堂)。9日(土)秋の遠足(大阪方面)。

=幼稚園=
10月25日(金)お誕生日会。31日(木)生活表配布。11月5日(月)8日(木)グループ会。11日(月)幼児祝福式。22日(金)感謝祭、敬老参観、施設慰問。

=婦人会=
10月13日(日)午後1時半より教会会館二階集会室にて10月度例会。礼拝に引き続き、下田屋先生より「結婚式の音楽」を中心にお話をうかがいました。

=ボーイスカウト24団=
10月27日(日)の50周年記念礼拝、式典、懇親会には何かとご協力いただきまして誠にありがとうございました。お陰様を持ちまして無事滞りなく行事が終了いたしました。紙面をお借りしましてお礼申し上げます。


ニュースとお知らせ

=木元民さん入院=
10月11日に慢性心不全でバプテスト病院に入院されました。御加祷ください。

=江口治子さん逝去=
江口治子さんが10月6日13時7分、ご自宅で逝去されました。享年88歳。8日通夜、9日告別式が仏式で行われました。魂の平安のためにお祈りください。

=三鍋司祭退院=
管区総主事三鍋裕司祭(尾崎泰子さん女婿)は先週退院されました。御加祷感謝。

聖婚式=
▽10月20日(日)マリア野嶋尚子さんと小泉満生さんの聖婚式が14時から行われました。
▽26日(土)11時からダビデ續木力さんと長峰篤子さんの聖婚式が行われました。

=結婚式=
11月4日(月)11時から平野高史さん・田口香代さんの結婚式が行われます。新郎はテレサ平野富子さんのご子息です。

=洗礼志願式=
10月27日(日)瀬佳子さんが洗礼志願式を受けられました。紹介者は末松義密さんと南明美さんです。

=逝去者記念礼拝=
10月27日(日)諸聖徒日・諸魂日の主日逝去者記念礼拝が行われ、聖歌隊とハンドベルクワイアがご奉仕しました。昼食後若王子墓地で墓参の祈りを行いました。

=逝去者記念聖餐式(レクイエム)=
10月16日(水)11時から10月の逝去者記念聖餐式を行いました。(敬称略)
6日―藤原清太郎(1979)、ヤコブ水本実(1991)、
9日―主教ヨハネ山田襄(1993)、
13日―ベルナデッタ名倉洋子(1984)、ヨハネ石川敬介(1985)、
16日―アンナ鈴木かおる(1974)、
18日―岡田啓子(1996)、
19日―ヴォーナド吉田篤史(1986)、
22日―ミレー尾上良知(1972)、
23日―*ヨハネ牧口重明(1971)、
24日―宇野誠治(1985)、主教サムエル法用渉(1997)、
28日―成尾延一(1974)、
30日―イサク谷口イサク(1972)、
31日―ヨハネ立石新吉(1977)、山岡剛司(1996)

=代祷箱活用を=
青年会が代祷箱を設置しました。代祷項目を書いて入れておくと、代祷の時青年代表が読み上げます。これまで通りその場で口頭で言っていただいても結構です。

=東豊中聖ミカエル教会一行来訪=
11月10日(日)奥康功司祭他東豊中聖ミカエル教会一行約30名の方が来られ、主日礼拝をともにされます。

=小聖堂祭壇フロンタル奉献=
吉田栄子さんが緑のフロンタルを刺繍・制作してくださいました。感謝。この期節に用いていますので小聖堂でご覧ください。

=日本伝統手芸若葉流つまみ絵奉献=
木元民さんが自作をお献げくださいました。会館二階集会室に飾らせていただきます。

=武藤主教様巡錫・堅信式=11月24日(日)武藤六治京都教区主教様をお迎えして堅信式が行われます。堅信を希望される方は至急お申し出ください。

=伝道区婦人会秋の修養会開催=
9月9日(水)13時半から当教会にて伝道区婦人会秋の修養会が行われました。小林聡司祭講演「平和は分かち合うことから」。礼拝ではハンドベルクワイアがご奉仕しました。

=伝道区長選出=
9月29日の伝道区会において次期伝道区長に門脇光禅司祭(再任)の推薦が決まりました。


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