月報「コイノニア」
2003年5月号 No.237


天に昇り

司祭ヨハネ

「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」こう話し終わると、イエスは彼らが見ているうちに天に上げられたが、雲に覆われて彼らの目から見えなくなった。イエスが離れ去って行かれるとき、彼らは天を見つめていた。すると、白い服を着た二人の人がそばに立って、言った。「ガリラヤの人たち、なぜ天を見上げて立っているのか。あなたがたから離れて天に上げられたイエスは、天に行かれるのをあなたがたが見たのと同じ有様で、またおいでになる。」                        (使徒言行録1・8―11)

このように、ルカは主の昇天を目に見える出来事として絵画的に表現し、多くの画家に画題を提供してきました。下に掲げたジオットのものも、天を見つめる弟子たちがひざまづくなどの違いはありますが、ルカの文章がそのまま絵になったような作品です。「白い服を着た二人の人」は天使の姿で現れ、その仕草から彼らの言った言葉が聞こえてくるようです。
「天に上げられ」と表現するのはルカとマルコですが、マルコの方はきわめて簡潔です。「主イエスは、弟子たちに話した後、天に上げられ、神の右の座に着かれた。一方弟子たちは出かけて行って、至るところで宣教した。主は彼らと共に働き、彼らの語る言葉が真実であることを、それに伴うしるしによってはっきりとお示しになった。」
一方ヨハネは、「天に」の代わりに「神のところへ」「父のもとへ」と言います。ご復活の朝、マグダラのマリアに現れた主は「『わたしの神であり、あなたがたの神である方のところへわたしは上る』と弟子たちに伝えなさい」と言われ、受難の前のいわゆる訣別説教では「父のもとへ行く」と語られます。
こう見てくると、「昇天」とは、絵画的な意味で文字通り天に昇ることではなく、父のみもとから世に来られた御子が父のみもとへ帰って行かれることであり、したがってもはや目に見える姿では地上におられないということです。ルカも「雲に覆われて彼らの目から見えなくなった」と言っています。
 ここで重要なのは、この昇天が、主が永遠に弟子たちと共におられるという約束を伴っていることです。上記三人の福音記者がこの約束と昇天を結合しているだけではありません。マタイは昇天に直接言及しませんが、その代わり、弟子たちの派遣に続けて「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」という主の言葉で福音書を結んでいます。すなわち「インマヌエル」(神は我々と共におられる)、これが、「昇天」に相当するマタイの用語と言えましょう。聖書全体を通して理解される昇天の真の意味は、主が永遠に共にいてくださることであると言うことができます。目に見えない仕方で共におられる主を、聖書は聖霊・神の霊・イエスの霊などの言葉で表現しています。昇天は聖霊降臨を保証します。
 「あなたがたの上に聖霊が降ると・・・地の果てに至るまで、わたしの証人となる」。共にいてくださる約束は、主が私たちを世に遣わされること(ミッション)と、つねに一体となっています。それゆえに聖餐式でも「どうか、聖霊によってわたしたちをこの世に遣わし、み旨を行なう者とならせてください」と祈り、「主とともに行きましょう」と送り出される(ミッサ)のです。主の昇天は絵空事でなく、信仰生活の核心に直結しているのです。


マリアの日曜学校

 いつも日曜学校のためにお祈り頂き、また色々な形でご協力頂き、有り難うございます。今年一月からいくつか変わった事を改めてご報告させて頂きます。

◎聖研・・・以前から月に一度教師会はしていました。が、日曜学校の礼拝で、子ども達を前にお話をする教師一人一人が聖書を学ぶ機会はなかなかなく、「これではいけない!」という事で、下田屋先生にお願いをして教師会の中で聖研をして頂くことになりました。お話をする聖書の箇所(主日の福音書)を解りやすく解説して頂いたり、「ん?」と思う箇所の質疑応答など・・・子ども達に伝えたい事・伝えるべき事を考えるとても大切な時間を持てるようになりました。

◎活動・・・礼拝が終わって「さよなら」をするまでの約四十五分の時間、その日のお話のお当番に当たっている教師が担当する事になりました。内容を考える所から、準備、当日の進行までを担当します。担当に当たった教師は、「母の日」等その時期的なもの、その日の聖書の関連性、子ども達の年齢などを考えながら、一生懸命頭をひねっています。そして、今まで以上に責任感を感じています。(多分・・・。)

◎案内・・・今までは、学期毎に卒園生・信徒師弟など百名近くの子ども達に活動内容を知らせる手紙を出して来ました。でも、最近は一時の頃に比べて、明らかに子どもの数は減少しています。その改善策の一つとして、翌月の活動内容を書いた案内を毎月送る事にしました。また、手紙を作る(書く)のも輪番制にし、教師それぞれのカラーを出しながら案内を送っています。・・・などなど、日曜学校を楽しみにしてやって来る子ども達のために、また、日曜学校の存在を忘れかけている(日曜学校に来ていない)子ども達のために、子ども達を受け入れる教師側も少しずつ変わりつつあります。

 少し朝早いですが、時間の許される方!ぜひ一度日曜学校の礼拝からご出席ください。元気いっぱいの子ども達と一緒にお待ちしています・・・。礼拝は、9時30分からです!
              (マーガレット浦地愛)


マリアのボーイスカウト

 ボーイスカウト京都第二四団育成会総会が4月26日に開催されました。総会では、長年お世話下さった小林迪夫育成会長に代わり私南寛が新育成会長に選任されました。また、長谷川団委員長、副団委員長=深見和弘・寺嶋俊昭・南寛(育成会長兼)の新運営体制と荒木一登ビーバー隊長、中川武志カブ隊長、藤井宗ボーイ隊長、森田健史ベンチャー隊長、井上公人ローバー隊長の指導体制が承認されました。
 昭和28年7月11日に聖公会戦後初のボーイスカウトとして京都二四団が京都聖マリア教会を母体として誕生してから50年。昨年は50周年の記念礼拝・式典を開催することが出来ましたが、翌年の一月に初代隊長の村島文二氏が紹天されました。まさに、一つの時代が終わった感があります。現在50周年の記録誌を編集中ですが、その中で村島隊長の最初の隊員であり、後に娘婿となられた川口弘二さんからの手紙で、興味深い事実を知りました。それは、村島さんが隊長となられる前にも、マリア教会でボーイスカウト活動が行われていたことです。川口さんからの手紙の一部を紹介します。
 「昭和26年以前、佐々木功さん、法用さん、津田さん、富田さん、新実さん、西浦さん、山本さん等々の方が、山田襄牧師、ロイド司祭のもとにボーイスカウト活動をされておりました。―略―何故初代のボーイスカウト活動が途切れたかは知りませんが、24隊発足時との決定的な違いは、村島隊長が経験豊かで情熱があり、山田牧師、教会、初代ボーイスカウトの先輩方、松田さんと支援者があり、何よりも隊員を教会以外にも広く募集された事だと私は思っています。勿論、時の熟したチャンスを神が用意されていたのを感じています。」
 このスカウト活動がどのような経緯で始められたのか、まだ調べられておりませんが、多くの方がキリスト教にもとづく青少年教育にボーイスカウト活動が有効だと思われていたのに違いはありません。
村島さんの書かれた色紙の中に「天に星 地には花 人に愛」というのがあります。神様が創造された自然を教育の場とするスカウト活動は、自然の美しさ、厳しさ、巧みさを通して、人知を越えたものの存在を教えてくれます。また、班制度による活動の中で指導すること、従うこと、助け合うことを通し、そのベースとなる「愛」についても学びます。
 ボーイスカト活動を契機として教会とつながり、信徒となった者がかつては多かったのですが、最近はめっきり少なくなりました。ボーイスカウトでは宗教心の涵養を大切な課題としていますが、子供たちに「愛の心」をどのように伝えるのが効果的なのか、良い答えは見つけられていません。新育成会長の最初の仕事の一つが、この答え探しだと諸先輩の活動を振り返って
教えられました。
        (育成会長 南 寛)

マリアでのカブ隊発隊式


第2回まりあ寄席

またまた今回も
大盛会 満員御礼!

 6月18日(日)第2回のまりあ寄席が幼稚園ホールで行われました。1月に開催した第一回回は地元の桂米二師をお迎えし、大盛会に終わったあとだけに、「定期公演の第二回の盛会は難しい」というジンクスをいかに払拭するかが大きなポイントでした。ところがレギュラーの桂出丸師による素晴らしいアレンジメントのおかげで、出丸師のほかに、桂吉朝師、笑福亭生喬師という豪華メンバーを集めていただきました。特にこの桂吉朝師は、いわゆる「追っかけ」がたくさんおられる、関西屈指の人気落語家だけに、当日券がどれだけ出るかが全く読めず、会場を溢れさせるわけにもいかずと、前売り販売が難しく少々難儀はしたのですが、結果、並べた椅子がちょうどいっぱいになるという奇跡的な客入りで、今回も大盛会となりました。
 開催中は礼拝堂の扉を満開にし、来場者には当教会のすばらしさを充分にPRし、実際に礼拝堂内に足を踏み入れられた方も数名おられました。「マリア教会を庶民の皆さまに親しんでいただく」という当初の目的も充分に果たしたように思います。
 次回第3回は10月19日(日)午後三時半から。関西の人気を吉朝師と二分するとまでいわれる笑福亭福笑師、そして米朝一門の若手ホープ・桂吉坊さん(この第2回も準備からお手伝いいただき、打ち上げまでご一緒いただきました)、そしてもちろん我らが桂出丸師にご出演いただきます。乞うご期待!
(まりあ寄席実行委員「し」)


聖マリア幼稚園コーナー

「聖マリア幼稚園に就職して」

                     花組教諭 北川美貴
 就職して、もうすぐ二ヶ月が経とうとしています。私も花組さんと一緒で、だいぶ聖マリア幼稚園の生活に慣れて来ました。私は中学校三年生の時から、『幼稚園の先生になりたい!』と思っていました。その時は、ただ子どもが好きだからという理由で、幼稚園の先生になる事を決めていました。しかし、短大の中での勉強や実習で幼稚園の先生になる事が、こんなにも大変で、子どもが好きだからという理由だけで簡単になれるものではないと、痛感させられました。授業内容のあまりの忙しさに学校を辞めたいと思った事もありましたが、実習で幼稚園に行き、子ども達の素直な笑顔を見ていたら、嫌な事も忘れさせられるくらい心が和み、やっぱり子ども達と関われるこの仕事に就きたいと思いました。そして、晴れて平安女学院短大を卒業し、聖マリア幼稚園に就職させて頂きました。永年の私の夢が叶えられ、嬉しくとても感謝しています。
 朝起きて幼稚園に行き、子ども達に会えると思うと、早く幼稚園に行きたくなります。毎日の保育生活の中で、子ども達から教わることも沢山あります。例えば、砂場でお山を作りトンネルを掘ったり、お団子を作ったり・・・私は姉がいるのであまりトンネル作りなどしてこなかったので、本当に毎日勉強になります。まだ就職したてなので分からない事だらけですが、先輩の先生方の保育の方法などをしっかりとお手本にし、沢山の事を吸収していきたいと思います。私の一番の目標は、子ども達の動きに合わせて、ピアノを弾く事です。先輩の先生方が、スキップつかまえやゲームの時に弾いておられるのを見て、こんなにも子ども達の動きに合わせていけるなんてすごいなぁと驚きました。この目標を持ちながら、子ども達と一緒に幼稚園での生活を楽しんでいきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。


各部からのおしらせ

=日曜学校=
毎日曜日9時30分より朝の礼拝(礼拝堂)。
6月15日(日)父の日プレゼント作り。
22日(日)春の遠足(三室戸寺)。
6月13日(金)午後八時より教師会。
今年の日曜学校キャンプは7月19日(土)20日(日・祝)近江八幡メリー保育園に決定しました。スタッフ募集中。お問い合わせは浦地愛さんへ。

=ジュニアチャーチ=
6月1日(日)は第1日曜で朝の礼拝の日ですが、「新しい歌を主に向かって歌え」準備のため礼拝堂が使えないので第4日曜に振り替えます。
18日(日)25日(日)10時より朝の礼拝(礼拝堂)。

=幼稚園=
6月4日(水)歯科検診。
7日(土)大文字山ファミリー登山。
9日(月)大文字登山代休。
11日(水)12日(木)自由参観(全クラス)。
17日(火)19日(木)グループ会。

=婦人会=
5月24日(土)〜25日(日)に行われる婦人会大会のため、5月例会は6月の例会と合同で行うことになりました。

=ボーイスカウト24団=
<ビーバー隊>6月22日(日)左京消防署見学。
<カブ隊>6月22日(日)カブラリー(平安神宮周辺)
<ボーイ隊>6月21日(土)隊ハイキング(沢池方面)


ニュースとお知らせ

=新しい歌を主に向って歌え―みんなでつくる聖餐式(第二回)=
6月1日(日)。青年会を中心に準備を進めています。礼拝要項は当日配りますが、聖卓と会衆席の配置が大幅に変わるなど、いつもと違う点が多くあります。ご理解とご協力をお願いします。

=逝去者記念聖餐式(レクイエム)=
5月21日(水)次の方々を記念して逝去者記念聖餐式が行われました。
1日―中山わい(1994)、
2日―ユニケ速水富子(1984)、
3日―速水経清(1967)、
4日―上羽たつゑ(1996)、
6日―*ステパノ片岡鉄治(1947)、本多栄(2002)、
8日―司祭ヨハネ長谷川道夫(1982)、
10日―木村豊山、
12日―ヤコブ江見猛(1955)、アンナ佐々木キタ(1992)、
17日―星野光謙(1955)、司祭テモテ飯田佐徳(1974)、ヨハネ岡村俊介(1995)、水本千代子(2002)、
18日―*マルコの母マリア牧口ヒロ(2001)、
20日―ヨハネ白神三郎(1951)、
30日―江見芳子(1955)、笠井シズエ(1997)、*小川嵯五郎(1951)。

=諸国語による聖書朗読=
6月8日(日)聖霊降臨日の礼拝では、使徒言行録の聖霊降臨の出来事にちなみ、いろいろな国の言葉で聖書を朗読します。今のところヘブライ語、ラテン語、ギリシア語、ロシア語、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、タイ語、インドネシア語について朗読者が決まっています。他に可能な言語がありましたら自薦他薦ご連絡ください。当日は使徒言行録の日本語朗読と並行して、諸国語で1コリント12・4―11を朗読していただきます。

=いろいろな楽器で主を賛美しましょう=
5月18日には末松玲子さんのオルガンと高瀬佳子さんのフルートで奏楽奉仕をしていただきました。聖書では神を賛美するのにいろいろな楽器が用いられています。ふだんの礼拝でも、自分のできる楽器を持参して、オルガンと一緒に聖歌の伴奏に加わるとか、特別に構えずに奏楽奉仕に参加してみませんか。賜物を生かして自発的に会衆の賛美に加わる中で、自ずから良い形ができていくことでしょう。

=教区会代議員変更=
5月31日(土)臨時教区会から、谷嘉明さんに代わり佐々木亨さんが代議員になられます。

=尾崎泰子さん東京滞在=
4月26日から三鍋裕司祭宅にしばらく滞在されます。
住所は教会へお問い合わせ下さい。

=増井幸夫さん・登喜子さん住所変更=
教会へお問い合わせ下さい。


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