月報「コイノニア」
2004年3月号 No.247


強盗の巣

司祭ヨハネ

それから、一行はエルサレムに来た。イエスは神殿の境内に入り、そこで売り買いしていた人々を追い出し始め、両替人の台や鳩を売る者の腰掛けをひっくり返された。また、境内を通って物を運ぶこともお許しにならなかった。そして、人々に教えて言われた。「こう書いてあるではないか。
『わたしの家は、すべての国の人の
祈りの家と呼ばれるべきである。』
ところが、あなたたちは
それを強盗の巣にしてしまった。」
祭司長たちや律法学者たちはこれを聞いて、イエスをどのようにして殺そうかと謀った。群衆が皆その教えに打たれていたので、彼らはイエスを恐れたからである。
         マルコによる福音書11・15―18

 「宮きよめ」として知られる物語は四つの福音書すべてに記されています。共観福音書(マタイ、マルコ、ルカ)はイエスのエルサレム入城後(受難週)の出来事として記し、ヨハネ福音書はイエスの宣教活動の初期、カナの婚礼における最初のしるしに続く出来事としています。
ヨハネ福音書では、『あなたは、こんなことをするからには、どんなしるしをわたしたちに見せるつもりか』と言うユダヤ人たちに、イエスが『この神殿を壊してみよ。三日で建て直してみせる』と答えられ、「イエスの言われる神殿とは、御自分の体のことだったのである。イエスが死者の中から復活されたとき、弟子たちは、イエスがこう言われたのを思い出し、聖書とイエスの語られた言葉を信じた」と説明しています。カナでの出来事が、ユダヤ教を越える新しいことがイエスにおいて始まるしるしであったのに対応して、宮きよめは、エルサレムの神殿における礼拝がイエスの体を通して新しい神礼拝に置き換えられるしるしとされています。
参拝者のために神殿の境内で犠牲の動物を売買することは、慣習として認められていました。レビ記の規定により犠牲の動物は傷のないものでなければならず、その判定は祭司が行います。外から持ち込むよりも、境内で神殿公認の商人から検査済みの動物を買う方が無難でした。また、神殿税や献金は、日常使わないシェケル貨幣で納めなければならず、通貨をこの貨幣に替える両替人は必須でした。これらは神殿当局や商人たちの収益源になっていました。また、神聖な境内を近道として通り抜けてはならないとされていました。
神殿を食い物にする者たちや、神殿の神聖を汚す者たちにイエスの怒りが向けられます。「わたしの家は、すべての民の祈りの家と呼ばれる」(イザヤ56・7)をマルコは「すべての国の人」と言い換え、神殿は異邦人にも開かれた祈りの家であることを強調します。「強盗の巣にしてしまった」は、「わたしの名によって呼ばれるこの神殿は、お前たちの目に強盗の巣窟と見えるのか。そのとおり、わたしにもそう見える、と主は言われる」(エレミヤ7・11)に基づくようです。
図はジオットの「宮きよめ」で、牛や羊や鳩はヨハネ福音書からです。弟子たちは「あなたの家を思う熱意がわたしを食い尽くす」という言葉を思い出したのでしょうか(ヨハネ2・17)。右端では、イエスを殺そうと謀る祭司長や律法学者たちが険しい眼をイエスに向けています。おびえる子どもたちは何を意味するのでしょうか。


マリア流「こどもといっしょ」

  京都教区宣教局では、昨年11月の教区会から一年間、「こどもといっしょキャンペーン」を行っています。キャッチフレーズは「おとなだって、こどもといっしょ こどもといっしょに、かんしゃとさんび」。
*「いっしょに」は「ともに」と「同等・対等」の二つの意味が込められています。
 「子どもたちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。」(マルコ10・14)を主題聖句とするこのキャンペーン。各教会がそれぞれ取り組みを行っている中、わが聖マリア教会は子どもに関わる各団体が活発に動いており、京都教区の中でも特に注目されているようです。
 マリアでの「こどもといっしょ」お知らせします。

信伝協大斉集会

 今年度の京都伝道区の大斉集会はマリア教会で始まりました。浦地司祭が、この「こどもといっしょにかんしゃとさんび」をテーマに説教されました。ジュニアチャーチと日曜学校教師が聖書朗読しました。
 また3月4日には復活教会にて幼稚園教諭の浅間麻衣さん、10日には聖光教会にてCSスタッフの吉村伸さんがそれぞれマリアの子ども達の様子を交えた勧話をしました。同じ教会の信徒の勧話が二週続くのは異例のことだそうです。

聖マリア幼稚園

 三面にあるとおり、この4月からは近年最大の園児数でのスタートとなります。子どもが初めてキリスト教に出会う場。教諭全員が現在受聖餐者であるのも珍しいことらしく、本来の教会幼稚園の形を守るその良さが実際に認められているとも言えます。

チャーチスクール(CS)

 日曜学校(SS)はマリア幼稚園の卒園生を中心に毎週朝九時半からの礼拝を守っています。10名のスタッフが毎月会議をし、聖書研究をし、子ども達のために奉仕しています。ジュニアチャーチ(JC)は中学生、高校生。子ども達の自主的な活動を促すスタッフが手助けし、月二回の朝の礼拝をはじめ、祭壇奉仕等にも存在感を見せています。

ボーイスカウト第二四団

 創立50周年を迎えた二四団。教会とともに歩んできたと言えます。教会員と力を合わせて行事をこなすなど、素敵な関係を保っています。

みんなでつくる聖餐式

 すでにマリア名物となりつつある「みんなでつくる聖餐式」。次回、4月25日の担当はCS。まさに「こどもといっしょ かんしゃとさんび」を実践する場が与えられました。CSスタッフを中心に楽しく前向きな企画を練っております。ご期待ください。


今年の復活祭は4月11日(日)です。復活日の前の一週間が聖週(受苦節、受難週ともいう)で、特に聖週の木曜日、金曜日、土曜日を「聖なる三日間」と呼んで教会は古来大切にしてきました。大斉節の締め括りとして聖週をしっかり守り、御復活の喜びを一層深いものとしましょう。

<聖週の礼拝>
4日(日)復活前主日(しゅろの主日)
   10:45 しゅろの行列と聖餐式
5日(月)復活前月曜日〜7日(水)復活前水曜日
   7:00 聖餐式  19:00 晩祷
8日(木)聖木曜日(赤・白)
   7:00 聖木曜日朝の礼拝(聖餐式は夜)
   19:00 洗足式・聖餐制定祈念聖餐式
      ・聖木曜日の黙想
9日(金)聖金曜日(受苦日)(赤)
   7:00 聖金曜日朝の礼拝(保存聖体拝領)
   12:00 京都伝道区合同受苦日礼拝
     (主教座聖堂)
   19:00 聖金曜日夕の礼拝
     (十字架の主に対する崇敬と賛美)
10日(土)聖土曜日(赤・白)
   7:00 聖土曜日朝の礼拝・嘆願
   23:00 イースター・ヴィジル(復活徹夜祭)
      1.序言
      2.復活のろうそくの祝福
      3.洗礼の約束の更新
      4.聖餐式

<復活日大礼拝>
11日(日)復活日(白)
   4:30 ジュニアチャーチ大文字山早天礼拝
   7:00 早朝聖餐式  8:00 英語聖餐式
   10:45 主要聖餐式
       写真撮影 イースター祝会
(祝会の食事は持ち寄り方式で行います)

<復活後一週間の礼拝>
12日(月)〜17日(土)毎日
   7:00 聖餐式  19:00 夕の礼拝
イースター献金は大斉克己献金とともに
復活日礼拝でお献げください。


聖マリア幼稚園コーナー

2003年度を終えて

 川端通りの桜の蕾も膨らみ、若い柳に、ゆきやなぎ、れんぎょ・・と毎年のことながら淡い「春」の色合いが出揃い始めました。教会の方々にはこの一年間、聖マリア幼稚園の園児、保護者、教職員の為にお祈りをして頂きましてありがとうございました。まだ残務処理があるとは言いますもののお陰様で、無事2003年度を終える事が出来ました。この場を借りて、先ずは卒園式の一コマから。卒園式は18日の午前中に行ないました。運悪くその日の午前中のみが雨模様で、着物姿のお母様方は気が気では無かったと思います。一三名の卒園生が小さな初めての巣を飛立ちました。小さいけれど、初めてだから一番勇気が要るかもしれません。今迄とは全く異なった「学校」という「木」に止りに行かねばなりませんから。13名は各々錦林校5名・御所南3名・四錦・北白川・ノートルダム2名・京教大附属の六本の木に飛んで行きます。それが、ぶどうの木でなくても各々の枝々に連なり、多くの友達と出会い、善き師に恵まれる事を望んで止みません。神様から頂いた様々な各人の能力が生かされるように、そして、隣の人にそれが生かされる様にと。それは、例年のようにお礼拝堂での卒園式でした。13名のうち、当園の卒園式を経験して下さっている保護者は何とただおひとりのみ。あとの12名のうちこれから、回を重ねて経験して下さる方々もおいでになりますが、初めてで終わりであろう方々は半数以上もおいでになりました。しかし、みんな、この幼稚園が良いと思って共に通って下さいました。子どもたちは修了証書の他に皆勤賞や精勤賞の賞状を頂きます。年長組の中に三人の皆勤賞の子ども達がいました。それが何と一人は三年間の皆勤、一人は二年間と一年間の精勤、あと一人は二年間の皆勤と、三人共が、単年の皆勤ではなかったのです。素晴らしい願張りの心と強い身体を神様から頂き、保護者の協力をもって通園して下さったのでした。また、他には難しい聖歌や、送辞、答辞をはじめ 在園生からのお祝の言葉など、次第が進められていきました。先生達が丹精込めて作ったアルバムをはじめ、記念の品々を頂く場面もありましたが、その中に母の会から全員に頂くお祝紅白饅頭があります。代表のお当番が頂きに行くのですが、卒園式が初めての花組は「自分にはお饅頭がもらえない!」とドキドキしていたようです。可愛いものですね。でも、良かった頂けて。卒園生は最後に「主イエスとともに」の歌で送り出してもらい、園庭では、待ち構えていた在園生の親子トンネルを潜ってお開きとなりました。次は、一九日の修了式のひとこまを。最終日はいつものように、花組と赤組はホールで下田屋チャプレン先生にお礼拝をして頂いてから少しゲームをして、お土産のアルバムを頂いて帰る事になっていましたが・・・。まあ、何て嬉しいのでしょう。教会のいえ、幼稚園の評議員をして下さっている、旧教員のみどり先生のお父様である立石先生が突然ご参加下さったのです。先生がチャプレン先生と一緒に来られる前に、立石先生の情報を子ども達に話しておきました。お医者様だと言う事も。そして、礼拝のあと、卒園式の事をお聞かせしたり、皆(精)勤賞の子ども達を紹介したり・・また今、胃腸風邪で休んでいるお友だちがいる事等を話した後、「元気に幼稚園に通う為にはどんな事に気をつけたら良いのでしょうか」という質問にお答え下さいました。ひとつ目「好き嫌いせず、何でも食べる事」ふたつ目「うがいをして、きれいに手を洗う事」と話して下さったのです。子どもたちの真剣な眼差し。いつも聴いているお話なのに、お医者様からの、そして、今、病気で無い自分が此処に居る事で食い入るように聴いていたのでした。そのあと、下田屋先生に「今日は4月からの練習の為に大きい椅子に座っているのですよ。ひとつ大きくなる為には、どんな事に気を付けたら良いでしょうか?」と尋ねると「みんなと仲良くすることだね。」「お口にチャックする事も仲良しになれる大切な事なんだよ。」と優しくお話ししてく下さったのです。子供達はまたしても自己主張をしては相手に言い過ぎて、喧嘩をしてしまう事が良くあります。しかし、これは、子どものみでなく、大人にとっても、相手に言い過ぎない、相手を傷付けない為には大切にしなければならない事なのでは無いかと思いました。その後、各先生から各々のクラスに進級する為のお約束を聴きました。そして、やっと、ゲーム!! 先ずはスキップつかまえから・・・。お客さま先生もチャプレン先生も共にゲームを楽しんで頂き、あっと言う間に11時15分になりました。今年度は教区での「子どもといっしょ」キャンペーンの年です。教会に連なるこの私達の幼稚園へも教会の方々をお招きして共に時間を過ごして頂けたならなあと思いました。もし、ご招待させて頂いたその折にはご協力の程、宜しくお願い致します。こんな風にして2003年度が無事にお開きしました。2004年度は九日に始園式を、一二日に入園式を行います。そして、お陰さまで、プレプレからの10人を含め、花組21人、赤組21人、緑組25人と学法になって以来最多の人数でスタートします。そして、教会委員会では教会の靴箱の使用をご承認頂き、昔のように名札を貼ってみどり組(年長組)が使用させて頂きます。それは、教会に来られた方々にも子供達の名前を見て頂く機会ができるので嬉しく思っています。と同時に園児にとっても、皆様とお会いする事で新たな様々な経験が出来るようになると思います。どうぞ、来年度も宜しくお導き下さいますようにお願い致します。感謝。
(園長 ルデア 菅原さと子)


各部からのお知らせ

=婦人会=
3月28日(日)婦人会例会。教区婦人会大会に向けて準備中。

=日曜学校=
3月21日と28日春休み。4月4日(日)入学式/進級式。10日(土)イースターエッグ作り。
13日(火)教師会。

=ジュニアチャーチ=
3月13日(土)から14日(日)にかけて教会一泊キャンプを行いました。
4月は4日(日)18日(日)10時より朝の礼拝(礼拝堂)。
4月11日(日)イースターには恒例の大文字早天礼拝。午前4時半教会出発。

=青年会=
3月27日(土)ミーティング。3月28日(日)ギター講習会。

=幼稚園=
4月9日(金)始園式。10日(土)一年生入学おめでとう会。12日(月)入園式。

=ボーイスカウト24団=
<ビーバー隊>3月20日(土)〜21日(日)春季キャンプ。葛川山の家にて。
<カブ隊>4月2日(金)〜4日(日)春季カブホリディ。和束山の家にて。
<ボーイ隊>3月26日(金)〜28日(日)春季キャンプ。芦生キャンプ場にて。

=ハンドベル=
朝の部毎週火曜日10時半、夜の部3月25日(木)、4月8日(木)午後7時半。4月11日(日)復活日大礼拝でご奉仕。


ニュースとお知らせ

=逝去=
アン乕若節子さんが2月26日に逝去され、自宅で密葬が行われました。

=佐々木栄さん退院=
昨年暮れからの入院でしたが、3月13日退院されました。

=レクイエム=
三月一七日(水)の逝去者記念聖餐式で次の方々を記念しました。
アン乕若節子(2004年2月26逝去)、
5日―プリスキラ藤田久子(1987)、*菅原敏子(1990)、
6日―プリスキラ速水えい(1963)、
7日―ドルカス星野冨美(2001)、
9日―ルツ三井みさ子(2002)、
10日―グレゴリー尾崎良嗣(1985)、
14日―エリサベツ田中善子(1992)、ペテロ伊豫田勉(1996)、
15日―津田敏子(1956)、
16日―ミカエル源高根(1997)、牧口啓司(2003浦地恭子甥)、
17日―ルデア福原律子(1962)、
18日―林正(1952)、徳田竜三郎(1961)、
19日―マリア中根緋佐子(1996)、
25日―古館三徳(2002)、
26日―ミリアム河本昌子、
27日―エリザベツ松田ミチヨ(1985)、
31日―スコラティスカ岩城道子(1995)、*尾崎良胤(1919)

=ベストリ祭布祭服箪笥補修完了=
マーレー司祭の補修により、見事若返りました。

=J'sキャンプ@沖縄=
教区宣教局教育部主催で標記のキャンプが25日(木)から29日(月)まで沖縄で4泊5日の日程で行われます。当教会のJCから、小林由布子さんと末松めぐみさんが参加します。


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