月報「コイノニア」
2004年12月号 No.256


わたしのために泣くな

司祭ヨハネ

民衆と嘆き悲しむ婦人たちが大きな群れを成して、イエスに従った。イエスは婦人たちの方を振り向いて言われた。「エルサレムの娘たち、わたしのために泣くな。むしろ、自分と自分の子供たちのために泣け。人々が、『子を産めない女、産んだことのない胎、乳を飲ませたことのない乳房は幸いだ』と言う日が来る。
そのとき、人々は山に向かっては、
『我々の上に崩れ落ちてくれ』と言い、
丘に向かっては、
『我々を覆ってくれ』と言い始める。
『生の木』さえこうされるのなら、『枯れた木』はいったいどうなるのだろうか。」
       ルカによる福音書23・17―31

 十字架を担ってゴルゴタへの道を進まれる主が、こちらを振り向いて口を開こうとしている様が下図に描かれています。ジオットが主の御顔を正面から描いているのは、少年イエス(6月号)とピラトの裁判(10月号)、それに今回の場面の三つだけです。
ピラトの裁判における主の姿と今回の主の姿には多くの共通点がありますが、中でも特に印象的なのは右後方に向けられた主の目線です。それによって、前の場面(10月号)では、ペトロが三度イエスを知らないと言った時、「主は振り向いてペトロを見つめられた」ことを想起させられました。今回の場面では画面のこちら側に民衆と嘆き悲しむ婦人たちの大きな群れがおり、主はその人々に向かって「エルサレムの娘たち、わたしのために泣くな」と語りかけておられるようです。
しかしその眼差しには違いが見られます。ピラトの裁判の場面では悲しみと慈しみの入り混じった思いがこめられていましたが、今回の主の眼差しには強さときびしさが現れており、それが少しやつれた顔の輪郭によって一層強調されているようです。
イエスに従った民衆と嘆き悲しむ婦人たちは、ゼカリヤがエルサレムの住民について語った預言の言葉「彼らは、彼らが刺し貫いた者であるわたしを見つめ、独り子を失ったように嘆き、初子の死を悲しむように悲しむ」(12・10)と全く一致しており、続けてゼカリヤは特に女たちの嘆きを語りました。
冒頭聖句後半ではホセア10・8が引用され、神の裁きのきびしさと、それから逃れようとする人々のあがきを表しますが、ホセアもまた子を奪われる母の嘆きを繰り返し語っています。この母の嘆きはそのまま母マリアの嘆きでした。ジオットは画面左端に、押し戻されながらイエスを見つめるマリアを描いています。老シメオンの預言の通り、マリア自身も剣で心を刺し貫かれました。
実は、ゼカリヤの上記の預言の前には「その日・・・わたしはダビデの家とエルサレムの住民に、憐れみと祈りの霊を注ぐ」という救いと浄化の約束が語られています。ルカも、エルサレム入城の場面で、主がエルサレムのために泣き、神の訪れの時をわきまえなかったエルサレムへの裁きと滅亡を予告し、子を持つ母の嘆きを語ったと記しています(一九・四一以下)。
主の眼差しが神の裁きのきびしさを表すとすれば、ゴルゴタに向かう姿全体が救いと聖化の約束の成就を示します。「自分と自分の子供のために泣け」と改心を求めつつ、「わたしのために泣くな」と呼びかけておられます。


Merry Christmas

14日(火)18時30分
ジュニアチャーチクリスマス礼拝

 中高生は夜の礼拝を献げ、その後ホールで楽しいパーティーを行いました。今後の方針も話し合う時間を持ち、交換プレゼントを手に家路につきました。


19日(日)10時45分
降臨節第四主日・総員礼拝・祝会

 19日(日)の礼拝は降臨節第四主日(紫)として守り、聖歌隊、ハンドベルクワイアがご奉仕しました。
 礼拝後一足早いクリスマス祝会。お馴染みの持ち寄り形式で、婦人会の方々を中心に腕に縒りをかけたごちそうが並びました。聖マリア幼稚園の子ども達のお祈りで会を始め、ゲーム等で楽しいひとときを過ごしたあと、子供たちお待ちかねのサンタさんも登場。子どもも大人もプレゼントを頂き大喜びでした。


22日(水)15時30分
日曜学校クリスマス礼拝

 日曜学校はクリスマス礼拝のあと、幼稚園ホールで楽しいゲーム大会。窓から入ってきたサンタさんにビックリ仰天!プレゼントを頂き、先生方が腕に縒りをかけてつくったカレーライスをほおばり大満足でした。


23日(木)13時30分
ボーイスカウトクリスマス礼拝

 ボーイスカウトもクリスマス礼拝。凛々しい制服姿で聖堂が満員になりました。その後ビーバー隊の入隊式、BS隊副長任命式を行い、幼稚園ホールでゲーム等満載の楽しい会を持ちました。


24日(金)19時30分
クリスマスイブ・キャンドルサービス

 クリスマスイブに行われるキャンドルサービスは「九つの日課による唱詠晩祷」。聖書朗読・黙想講話と黙想・お祈りを各日課ごとに行う聖マリア教会独特の形で、五年目となります。聖堂に響き渡る聖歌隊の歌声とともに、蝋燭の光のもと、荘厳な礼拝を捧げました。
礼拝後、会館ホールで持ち寄りの食事をし、深夜礼拝までの待ち時間を利用してキャロリングに出かけました。


24日(水)23時30分
降誕日第一聖祭(深夜聖餐式)
25日(土) 降誕日7時
第二聖祭(早朝聖餐式)
25日(土) 降誕日10時45分
第三聖祭(主要聖餐式)


 降誕日には伝統的に三つの聖餐式が行われます。
@24日深夜の聖餐式は降誕日第一聖餐式で、聖歌集第五部の聖餐式U(プレイン・ソング)のB、いわゆる「マリア・ミサ曲」による歌ミサです。約40名の出席で盛況でした。教会員だけでなく、一般の方も大勢お見えになりました。マリアミサ曲には聖公会の他の教会の方々も大いに関心を持っておられます。
A25日早朝の降誕日第二聖餐式は、外国人旅行者からの問い合わせが多い英語聖餐式を8時から行いました。
B10時45分から降誕日第三(主要)聖餐式です。今年はちょうど土曜日にあたり、大勢の会衆とともに、本来のクリスマスを祝うことができました。


聖堂前室に飾ってあるポインセチアの鉢は
田中泰之さんが寄贈してくださいました。
感謝


報告!
将来計画懇談会

 12月12日、第6回目将来計画懇談会が開催されました。今回の出席者は約20名。最終回ということで、今回はこれまでの内容を一枚にまとめたレジュメをもとに、総括を行いました。資料はこれまでの話し合いをもとに、「教会の将来への成長と発展」というテーマで議長サイドでまとめたものです。その内容を辿る中で、現在の教会のあり方について参加者からいくつか問題提起がなされました。
「教会内部の様々な活動でそれぞれが非常に忙しくなっており、本来の礼拝に向かう姿勢や気持ちが保ちにくくなっている」「婦人会の活動に対する考え方が多様化しつつあり、従来のままでは維持できなくなっている」といった現状。また財政面でも「毎年行っているバザーの収益は、本来は教会財政の確保ではない、違う使い方があるべき姿ではないか」との意見。本当に私たちは、日々教会のために忙しく働いていますが、これが神様のみ業の実現に向けた本来の働きなのかどうか、もう一度原点に立ち返って考えてもいいのではないでしょうか。
 また宣教百年記念事業として先般提案のあったパイプオルガンの購入に関しては、まだまだ十分な話し合いはできていません。いずれにせよ、今後オルガンのことを真剣に考えなければならないことには違いがないので、その準備に向けてこれからさらに信徒間での話し合いが必要でしょう。
 そもそもこの将来計画懇談会は、教会の将来についてオープンに話し合いを持とうとの趣旨で発足したものです。考えてみると最近はあまり教会の将来や現在のあり方について、しっかりと話し合う場面というのがなかったように思います。
 懇談会はいったんこれにて予定の6回を終えますが、引き続き私たち信徒全員が、それぞれの思いを率直に発言することのできる場を今後とも持ち続けていきたいものです。
 最後に、今回は議長という大役をいただき、ありがとうございました。なにぶん不行き届きで十分な役割を果たせなかったところも多かったように思います。この六回が教会の将来の一つの出発点となれば幸いです。
           (議長 キリル 森田朋宏)


マリア幼稚園コーナー

 去る、12月17日にクリスマス・ページェントを行いました。今年は12月の声を聞いても、「本当に?」と季節を疑いたくなるような暖かな日々が続いていました。そんな、小春日和の11月の終わりから子ども達のクリスマス・ページェントに向けての練習は始まっていました。「練習」は、歌や言葉を覚える事だけではなく、子ども達にとって必要なのは、「クリスマスってなぁに?」を知る事から始まるのです。もちろん、メインキャストを務める年長の緑組はクリスマスが「イエス様のお誕生日!」とよくよく知っていますが、この日を迎える為に子ども達は、お家で小さなお約束をするのです。そして、そのお約束を心に留めながら、自分達で作った献金箱に、日々の感謝と祈りを込めて、献金をお献げして過ごしてきたのです。また、今年起こった多くの台風・豪雨・地震などの自然災害は、少なからず子ども達の生活にも影響を及ぼし、ご家族の中にも被害に遭われた方もありました。そして、この一年を通して起こった数々の痛ましい事件・事故を通して、私たちは改めてその命の尊さを考えずにはおられませんでした。11月には、毎週水曜日に行う水曜礼拝の献金を、保護者の方々のご理解を得て、被災地にお献げしました。こうした、この一年の社会事象を背景に、今年のクリスマスを迎えたのです。
当日は、これまでの暖かな日々が嘘のように、随分と冷え込み、イエス様がお生まれになった「その日」のように感じられました。「せんせい、きんちょうする…」と言いながら、控え室のベストリーの鏡に自分を映して自らを律しながら、小さな心を緊張で震わせながら、時に涙を流しながら頑張る子ども達。そんな子供たちの姿を目のあたりにして、その成長に驚き、喜びを感じる、本当に幸せに満ち溢れる瞬間です。神様が、下さった命がこんなにも輝いているなんて!子ども達の柔軟な心は、理屈抜きに、イエス様がこの世にお生まれになったことがどんなに幸せなことかを、私たちに教えてくれます。子ども達が直向に、自分達の役割を果たすために努力している姿は、私たちの為に、思いを尽くして愛してくださったイエスさまの心そのもののように思うのです。そして、まぶね礼拝の終わりには、こんなお祈りがあるのです。「…苦しんでいる人、悲しんでいる人、そして、世界中の人々が幸せになれるようにお導きください…」と。この小さな、お祈りが様々な壁を乗り越えて、人々の祈りとなり、子ども達が幸せに暮らせるようにと切に願います。   
(教諭 サラ 生谷朋子)


ニュースとお知らせ

=受洗おめでとうございます=
26日に、ヨシュア織田浩成さん(教父母南寛さん・津田繁さん・人與紀久子さん)、クララ越後幸恵さん(教父母松本昇さん・福原則子さん・浦地愛さん)とラファエル坂本義雄さん(教父母福原正和さん・服部卓爾さん・末松玲子さん)の三人が受洗されました。1月2日の主日に高地主教をお迎えして堅信式が行われます。

=結婚、住所変更=
岩城ちとせさんは10月2日、宮田智史(さとし)さんと結婚されました。おめでとうございます。
新住所は教会へお問い合わせ下さい。

=水野敬さん・のぞみさん夫妻に第一子誕生=
11日に男児誕生。頌平ちゃんと名付けられました。おめでとうございます。

=送籍・転会=
山本千代子さんの教籍を九州教区福岡教会へ送りました。富迫博さんとさゆりさんは聖イエス会西脇教会へ転会されました。

=1月のレクイエム=
1月19日(水)11時から次の方々を記念して逝去者記念聖餐式を行います。他に記念したい方がおられましたらお知らせください。教籍は問いません。
8日―*宮西多喜(1988)、
12日―ローレンス澤村愛策、
13日―*山下トシ子(2000)、
14日―*ベルナデッタ加藤英子(1996)、*山田ヨネ(1975)、
17日―太田福造(1973)、ヨナタン源豊宗(2001)、
22日―源里恵(1945)、
23日―谷絹(1984)、
31日―篠原勇(1991)

=2005年度教会委員・代議員=
12月25日正午、2005年度教会委員・代議員選挙の投票が締め切られ、即日開票の結果次の方々が委員として選ばれました。
 (五十音順・敬称略)
〈教会委員〉12名
浦地愛、菅原さと子、立石昭三、續木創、續木泰子、新實康男、野嶋久暉、野本武、前田潤、南寛、森田朋宏、吉村伸
(補欠・服部卓爾、辻法子)
〈教区会信徒代議員〉3名
佐々木亨、新實康男、服部卓爾
(補欠・谷嘉明、野嶋久暉)
1月9日(日)任命式が行われます。

=大晦日から元日にかけての礼拝=
12月31日23時30分より、大晦日深夜聖餐式(主イエス命名日前夜、英米のNew Year Eve Service)を行います。多くの人々が初詣に社寺へ押し寄せる刻限、一年間の主の御恵みに感謝し、御聖体にあずかって心静かに新年を迎えましょう。元日は11時から新年礼拝(主イエス命名日聖餐式)です。

=教区会=
11月23日第98(定期)教区会が開かれ、新常置委員に、石塚司祭、原田司祭、古賀司祭、服部卓爾さん、佐々木靖子さん、菊地伸二さんが選出されました。

=クリスマス・ミニコンサート盛会=
11月28日(日)、当教会の聖歌隊とハンドベルクワイアによるクリスマス・ミニコンサートが行われました。満員のお客様と共に素敵なコンサートになりました。

=八城神学生二学期実習終了=
12日(日)で終了。三学期実習は1月15日開始です。

=聖婚式=
1月8日13時よりヨシュア織田浩成さん・マーガレット津田恵理子さんの聖婚式が行われます。

=人事速報=
1月1日付公示によれば、4月1日からミカエル藤原健久司祭が当教会牧師として来られます。


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