月報「コイノニア」
2005年2月号 No.258


本当に、この人は神の子だった

司祭ヨハネ

昼の12時になると、全地は暗くなり、それが3時まで続いた。3時にイエスは大声で叫ばれた。「エロイ、エロイ、レマ、サバクタニ。」これは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。そばに居合わせた人々のうちには、これを聞いて、「そら、エリヤを呼んでいる」と言う者がいた。ある者が走り寄り、海綿に酸いぶどう酒を含ませて葦の棒に付け、「待て、エリヤが彼を降ろしに来るかどうか、見ていよう」と言いながら、イエスに飲ませようとした。しかし、イエスは大声を出して息を引き取られた。すると、神殿の垂れ幕が上から下まで真っ二つに裂けた。百人隊長がイエスの方を向いて、そばに立っていた。そして、イエスがこのように息を引き取られたのを見て、「本当に、この人は神の子だった」と言った。また、婦人たちも遠くから見守っていた。その中には、マグダラのマリア、小ヤコブとヨセの母マリア、そしてサロメがいた。この婦人たちは、イエスがガリラヤにおられたとき、イエスに従って来て世話をしていた人々である。なおそのほかにも、イエスと共にエルサレムへ上ってきた婦人たちが大勢いた。
       マルコによる福音書15・33―41

 イエスの足を撫でながら泣くマグダラのマリア。気を失った母マリア、それを支えるヨハネたち。空では天使たちが嘆き、イエスの血を杯に受け、あるいは見守ります。ジオットは四つの福音書を組み合わせつつ、さらに踏み込んだ情景を描きます。
十字架の下に小さく描かれたされこうべは、ゴルゴタの丘を示すとともに、罪のゆえに死すべきものとなったアダムの骨でもあります。ゴルゴタの丘にアダムが埋葬されたという伝説に基づき、まさにその場所で第二のアダムであるキリストの十字架が死を克服することを象徴します。東方教会のイコンに多く描かれますが、西方にもされこうべ付の十字架が見られます。
画面右の兵士たちに混じってただ一人光輪をつけ、右手でイエスを指している人物は、「本当に、この人は神の子だった」と言った百人隊長です。福音書には無名で登場しますが、『黄金伝説』によれば彼はロンギヌスという名で知られます。槍でイエスの脇腹を刺した兵士だったともいわれますが、ジオットは別の兵士に槍を持たせています。ロンギヌスはイエスの死を見てキリストを信じるようになり、後にカパドキアのカイサリアで殉教の死を遂げたとされています。伝説的な聖人として尊崇されました。
画面上部は左右ほぼ対称に配された天使の世界、下部は十字架によって画然と左右に分けられた人間界です。十字架のイエスに対する態度によって分けられ、イエスを愛する一心で集まった左手の人々と、それぞれの思惑をもって群がる兵士や祭司長ら右手の人々が対照的に描かれています。信仰共同体とこの世との対立の表現でしょうか。
兵士たちがこの場にいるのは、自分の意志でなく命令によります。命令を利用して役得に与ろうと、イエスに背を向けて衣のくじ引きに熱中する者がいる一方、命令に忠実にイエスの死を見届けようとする者もいる。そのような兵士たちの中から、同じ十字架によって、イエスに対する信仰の目が開かれる者が現れる。分けられた左右の群れともにアダムの子であり、アダムのされこうべの上に十字架が立ちます。百人隊長の姿は、この十字架への希望の表現ではないでしょうか。


2005年度受聖餐者総会開催

2月13日(日)礼拝堂にて

 去る2月13日(日)、礼拝堂において受聖餐者総会が開催されました。午後1時、出席者35名、委任状65通、現在受聖餐者192名の過半数の出席を確認して、議長下田屋司祭が総会の開催を告げました。今回の総会の持ち方については、一週間前に配布される総会要項冊子『教会のあゆみ』を全員がよく読んで臨むことで諸報告の時間を大幅に短縮し、将来についての話し合いに多くの時間を充てることが予告されていました。特に、昨年度の総会で提起された事業計画案を受けて六回行われた「将来計画懇談会―明日のマリア教会を語ろう」の内容が、たまたま今年度の教区の「針の穴計画」を先取りするものであったことから、懇談会の成果を「針の穴計画」に沿って発展させることにより、教会の課題と計画を皆で考える総会にしたいということです。この方針に沿って議事が進められ、T教会の教勢と活動の報告、U教会会計報告、V教会の課題と計画のうち年間行事計画と役割分担、W教会会計予算(案)、X宣教百年記念事業について(案)が拍手をもって承認されました。


要項の訂正点および特記すべき事項は次の通りです。
▽要項7頁→6月12日(土)聖婚式狩野登・松田朋子を追加。▽要項15頁→繰越金1、877、514円を1、827、514円に訂正。▽要項22頁→第五日曜日の昼食はパン。▽要項45頁→会計*西逸郎を追加。▽要項46―47頁予算案において@収入、支出の部の合計を18、300、000円から17、500、000円に減額。A日曜学校等諸費より青年会7万円を今年度は辞退した。B司祭異動に伴う幼稚園寄付金及び福利厚生費の変更についての説明、C聖公会年金についての説明。
これらの議事を終えた後、昨年度将来計画懇談会の議長をつとめた森田朋宏兄の司会により、「針の穴計画」に沿った話し合いに移り、出席者全員が、ひとこと・ふたこと・みこと・・・活発に発言しました。以下それを箇条書きでご紹介し、全信徒の皆様に考えて頂きたいと思います。

《礼拝に関すること》

・主日礼拝に出来るだけ出席する。
・遅刻しないで礼拝を守りたい(定刻の5分前には聖堂に入る)。
・朝教会に来る時、がんばって歩いて来る。
・高齢者など足の便があれば来られる方を車で送迎する
・礼拝が始まったら礼拝に集中する!
・サーバーなどの動きも見ていて欲しい。
・普段歌われない聖歌を歌いたい。
・聖歌のリクエストを募る。
・「好きな聖歌・好きな聖句」のリストのようなものがあればよい。教会員全員の「私の好きな聖歌」を書いている教会もある。
・礼拝の中に好みの聖歌・聖句を入れる事には反対。教会暦を大切にしたい。
・試用版等の新しい聖歌をもっと増やす。
・聖歌を大きな声で歌いましょう。
・「平和の挨拶」で握手をして、たくさんの人と。
・マリアミサ(文語)の回数を増やせないものか。
・十字をきる箇所が載っている大きいサイズの礼拝式文を使っている教会がある。そういう式文があれば。
・司式者のための小机(聖歌等を置くため)が欲しい。
・新司祭に、毎日朝・夕の礼拝を続けてもらうよう引き継いでほしい。
・礼拝後に次週の聖歌を練習するなど聖歌の練習の場がほしい。
・日曜学校の礼拝の中で、次週の聖歌を一曲でも子ども達と一緒に決めたい。
・たまには早く出てきて日曜学校から出席する。

《アッシャーに関すること》

・アッシャーとは何をするのか…等を教えて欲しい。
・アッシャー当番の方は、日曜学校の礼拝から出席して下さい。
・来会者カードのチェック(案内状送付希望など)
・初めて来られた方へのその後のコンタクト。来会者カードの活用。
・初めて来られた方への礼拝後のフォロー
・初めて来た時に、マイクを持って挨拶をする事が苦手な人もいる。

《交わりに関すること》

・以前は来られていたのに遠くて教会に来られない方、長い主日礼拝に出られない方のために、別の日を設定して来てもらい、簡単な礼拝と同窓会的な集まりをしたい。
・好きな聖句に対しての思いを、幅広い年齢層の中で聴きたい。
・お昼の交わりの中でみんなで好きな歌をうたって、思いを話す時間が欲しい。
・年齢層を越えた関わりを持ちたい。自分が高齢になると高齢者に目が向いて若い人との係わりが希薄になっている気がする。
・下田屋先生の礼拝学をお聴きする会を開きたい。
・普段から意見が言えるような場所や意見箱が欲しい。
・意見箱は責任の所在や公平性など、問題がある。
・幼稚園でのお預かり保育に可能な教会員は関わっていただきたい。幼稚園→日曜学校→洗礼と長い目で見た宣教活動を。
・旅行に出掛けられたら、国内外問わず、ぜひその地の教会に行きましょう。

《パイプオルガン》

・「一日百円でパイプオルガンを入れよう」運動を。みみっちい計画で大きなことを成し遂げられる。→1日100円を百人が献げれば年間365万円、10年間で3650万円貯まります。
《広報に関係する事》
・教会員の好きな聖句を順番に掲示板に貼り出す。
・個人的な好みと公的な掲示とは別個のものである。
・コイノニアの活用
・礼拝当番表をコイノニアに載せてほしい。
・一週間の聖書日課を週報に載せて欲しい。
・好きな聖句/好きな聖歌をHPに載せる。
・自分が名親になっている人の受洗・堅信記念日のリストが欲しい。週報に載せて欲しい。

《その他》

・オルガンの後ろの整理。
・信徒文庫の活用。
・「忙しくない教会」がいい。
(書記/菅原さと子・浦地愛)


聖マリア幼稚園コーナー

聖マリア幼稚園 Pre-Pre shoolについて

 pre-pre schoolもこの三月で満5年を迎えます。8組で始まった今年度も、今、15組になり、そのうち11人が入園(うち1人は小花、1人はアメリカに行かれるまでの短期入園)されます。2007年から日本人口が減少していくといわれている中で、ミレニアムブームが一段落してきたという事を心に留めなければなりません。今、各幼稚園や保育園での子育て支援には、様々な内容のものが行われており、親の子育て放棄にならない子育て支援をしっかりと見据えなければなりません。当園は子育て支援の一環としてこのプレプレ教室を設けました。そして、幼稚園の大切な出発の年齢を2歳児と考えて、継続性を大切にし、また物理的に可能、不可能な事もある中で、子供たちの為に出来るだけのことを計画し、その大切さを見定めたうえで、再度前進していくべき事を考えています。今まで有り難い事に、週2回教会会館をお借りする事で、この教室が維持できてきました。そして、来年度「聖マリア幼稚園 pre-pre クラス」という位置付けを目指して、週3回の教室を確立したいと考えています。その為にも、今年度の三学期には、その助走として週3回(火・木・金)の教室を試みています。その中の木曜日は、親子分離可能な場合に限り、一人登園を受け入れられるようにと考え、ボランティアのお母様方のお手伝いを強い味方として、回を重ね、週3回も可能になってきました。お母様方に感謝致します。今年度は当初の予定回数六九回よりも多くなり79回になります。その大半を終え、あと8回を残すのみとなりました。活動内容も花組さんとは区別しながらも、一人登園の時には、子供たちのみで関われる内容を考える事にしました。また、子供たち同士、お母様同士の関わりも増え、情報交換も密に行われるようになってきました。この一年間を振り返ると、子供たちの成長がしっかり見て取れます。特に生活面(個々及び集団内)では、手洗い、トイレ、おもちゃの後片付け、椅子を出す、座る、運ぶ、返事をする、挨拶をする(おはようございます、さようなら、ありがとう)など、またしっかりお祈り(朝、おやつの時、お帰り)が出来るようになった事です。集団の中における自分の存在を確保しつつ、それはそれは、いっぱいいっぱい自分自身で出来る事が増え、お友達と関わる術を学び、お友達と一緒に居ると楽しい、お母さんが横に居てくれるから安心と、喜んで通って来てくれているのを見ると本当に嬉しくなります。来年度は4月19日から開始,出来る限り週3回を守り、無理なく母子分離が出来、自立への道へと導く為に、やはり二学期からは一人登園も組み入れて行こうと考えています。それにより、入園時には少しでもスムーズに園生活が迎えられるという事を願いながら・・・。
どうぞ、周りにおられる二歳児の子供たちを、私たちの聖マリア幼稚園にお誘い下さい。
この一年間の感謝を込めての報告と共に更なるご協力をよろしくお願いいたします。
(園長 ルデア 菅原さと子)


各部のお知らせ

=婦人会=
2月婦人会例会2月27日(日)1時半より。
3月4日(金)1時半より、世界祈祷日礼拝(カトリック河原町教会)。

=日曜学校=
3月15日(火)教師会。20日(日)卒業式・お祝い会。

=ジュニアチャーチ=
3月6・20日(日)10時より朝の礼拝(礼拝堂)。3月13日(日)日曜学校参加。

=青年会=
2月27日・3月13日(日)ギター講習会(予定)。

=幼稚園=
3月1日(火)春の集い。7日(月)お誕生会。8日(火)午後保育終了。
16日(水)お別れ会(園児同士)。17日(木)緑組お別れ会。
18日(金)卒園式。19日(土)終了式。

=ハンドベル=
朝の部毎週火曜日10時半〜、夜の部毎週木曜日19時半〜。

=ボーイスカウト24団=
<ビーバー隊>
2月20日(日)隊集会(醍醐スケート)。
<カブ隊>
2月20日・27日(日)組集会・春季キャンプ導入(聖マリア教会)。
<ボーイ隊>
2月19日(土)・26日(土)合同班集会「王様の食卓」(聖マリア教会)、
11日(金)〜12日(土)冬季キャンプ・王様の食卓(静原キャンプ場) 
<ローバー隊>
2月19日(土)〜20日(日)「舎営カントリースキー」(花脊山の家)、
2月20日(日)〜3月9日(水)上野RS隊員「アジア太平洋提携プロジェクト派遣(衛生指導・啓発)」(バングラディツシュ)。
<野営行事委員会>
2月27日(日)車椅子駅伝奉仕。
★育成会総会 2月26日(土)午後6時半〜(佐野屋)


ニュースとお知らせ

=退院=
服部卓爾さんは1月30日退院されました。また、津田繁さんは10日退院されました。御加祷ありがとうございました。

=節電器解約・撤去=
教会と幼稚園にそれぞれ設置していた節電器を1月26日に撤去しました。節電に一層のご協力をお願いします。

=エレベーター保守契約解約=
毎月の定期点検保守をやめ、一回ごとのスポット契約で点検します。別に年一回検査・報告の義務があります。

=新住所=
小泉満生さん・尚子さん・舞夏ちゃんは海外赴任を終え、帰国されています。住所は教会にお問い合せ下さい。
尚子さんは出産のためご実家に帰っておられます。

=献金袋奉献・祝別式=
谷嘉明さんご夫妻が退職記念として特製の献金袋(緑・赤各二)をお献げくださいました。故与賀田司祭夫人俊子さんが祈りながら一年近くかけて、絹糸を染めて布を織り、模様も織り込んで手縫いで仕上げられたものです。縁取りのリリアンもご自分で染められたそうです。20日主要聖餐式の中で奉献・祝別式を行いました。

=マーク・シュタール執事、司祭按手=
奈良基督教会勤務のマーク・シュタール執事の司祭按手式が19日(土)同教会において行われました。当教会から聖歌隊メンバーとして五名が参加されました。

=引越日程=
下田屋司祭は3月9日(水)に荷物搬出、月末まで当教会に単身居住。その間牧師館手入れのために業者が入ります。藤原司祭は3月30日(水)午前九時から荷物を搬入します。

=3月のレクイエム=
3月16日(水)11時から次の方々を記念して逝去者記念聖餐式を行います。他に記念したい方がおられましたらご連絡ください。教籍は問いません。
5日―プリスキラ藤田久子(1987)、*菅原敏子(1990)、
6日―プリスキラ速水えい(1963)、
7日―ドルカス星野冨美(2001)、
9日―ルツ三井みさ子(2002)、
10日―グレゴリー尾崎良嗣(1985)、
14日―エリサベツ田中善子(1992)、ペテロ伊豫田勉(1996)、
15日―津田敏子(1956)、
16日―ミカエル源高根(1997)、牧口啓司(2003)、
17日―ルデア福原律子(1962)、
18日―林正(1952)、徳田竜三郎(1961)、
19日―マリア中根緋佐子(1996)、
25日―古館三徳(2002)、
26日―ミリアム河本昌子、
27日―エリザベツ松田ミチヨ(1985)、
31日―スコラティスカ岩城道子(1995)、*尾崎良胤(1919)


他の月の月報へ

ホームページへ戻る