月報「コイノニア」
2005年4月号 No.260


教会は楽しい。

司祭 ミカエル 藤原健久

教会はキリストの体であり、すべてにおいてすべてを満たしている方の満ちておられる場です。
(エフェソ1・23)

キリストにより、体全体は、あらゆる節々が補い合うことによってしっかり組み合わされ、結びあわされて、おのおのの部分は分に応じて働いて体を成長させ、自ら愛によって作り上げられてゆくのです。  
 (エフェソ4・16)

 「マリア・コイノニア」に登場するのは、私は今回が初めてですので、まずは自己紹介をいたします。
 私は司祭ミカエル藤原健久(ふじわら・たけひさ)です。4月1日付けで京都聖マリア教会の牧師として着任いたしました。1968年生まれで現在36歳です。家族は同い年の妻アンナ松本華子と長男ガブリエル松本優平(5歳)、次男ラファエル松本寛和(2歳)の4人です。京都復活教会のすぐ近くの実家で生まれ育ち、復活幼稚園でお世話になり、卒園後も日曜学校で楽しく過ごしました。中学生の頃、日曜学校の先生により丁寧に聖書を教えていただき、求道を始めました。この頃、教区の中学生、高校生キャンプに参加し、素晴らしい仲間を与えられました。18歳の時に受洗、翌年堅信、大学卒業後、東京の聖公会神学院で学び、卒業後、奈良基督教会で約一年半勤務し、その後、和歌山県の橋本基督教会で勤務しました。1995年に執事、1998年に司祭に按手されました。1998年9月より橋本に加え、笠田基督教会、五條聖三一教会の牧師を兼任し、また笠田の聖心幼稚園の園長にも就任しました。主日は橋本と笠田で交代交代に聖餐式を行い、司祭不在のときにはそれぞれの教会で信徒の方が朝の礼拝の司式をして下さいました。五條は月に一度、平日の夜に、聖餐式を行っていました。平日は専ら、幼稚園の仕事をしていました。和歌山で9年半生活し、皆さんに「行ってらっしゃい」と送り出され、京都聖マリア教会にやってまいりました。
 私は今まで、教会でたくさんの、素晴らしい出会いを与えられてきました。子供の頃、教会に行くと、毎週「良く来てくれた」と抱きつかんばかりの歓迎を受けました。何も出来ないこのわたしの、存在そのものを、この上なく喜んでくれる教会に、信じられないほどの驚きを覚えました。教区のキャンプでは、学校では経験できない深い交わりを得ました。それぞれの教会では、何も出来ない未熟な私を暖かく受け入れ、支えてくださいました。どの教会でも、教会のために苦労し、必死で支えておられる信徒の方々がおられました。「こんな信仰があるのか」と驚くばかりの強い信仰に出会いました。
 私にとって、教会はいつも楽しい場でした。こちらに着任し、多くの方が「大変でしょう」と言ってくださいます。お気遣いくださるお心に感謝しつつも、私には、まだその大変さが良く分かっていません。皆さんと共にお祈りできること、キリストにあってすべての教会とつながっていること、決して一人じゃないこと、これらの喜びに包まれて、楽しいばかりの毎日を過ごしています。
 未熟なものではありますが、どうぞよろしくお願いいたします。


京都聖マリア教会史 (その二)

マリア幼稚園長―菅原さと子先生、宮西(高橋)良子先生、
  宮西ゆき先生、そのまた先生の竹中千代先生の系譜。
(戸田幸子姉とのインタヴューから)

ヨシュア 立石昭三

現在91歳で東京在の木村忠一氏は大正9年、1920年にマリア幼稚園に入園し、1921年に卒園しておられる。そして1922年に卒園された戸田(旧姓、小松)幸子姉がその一歳歳下で、京都桂病院に付属するライフ・イン・京都で矍鑠とされているとのこと。一度伺わねば、と思っていた。
幸子氏は1928年ニコルス監督先生から按手を受け、1939年、結婚されるまでマリア教会のクワイヤーのメンバーであり、その他、コッタの補修などマリア教会の細々した重要なお仕事をされたとのこと。そして彼女の妹さん、小松(現姓、大谷)寿子姉もまたオルガニストとして奉仕され、島根県の益田市にご健在である。
「昔の写真などでお名前の指摘できる方は戸田幸子姉をおいて、もう居ないのではないか」とは木村氏の言葉である。お電話では戸田姉はご自分でも「もうすっかりボケましてーー」などとおっしゃるが記憶力もはっきりされているとお見受けした。
2005年3月13日に、雪が霏々として降る中、京都市を見下ろす一角にあるライフ・イン・京都の420号室へ録音機、カメラ持参で戸田幸子姉をお訪ねした。
木村兄からかねて紹介の手紙が届いていたので挨拶もそこそこに昔話に取り掛かった。
戸田姉は背筋も真っ直ぐ伸びて、この日のために昔の写真などを一冊のアルバムにまとめておられていた。マリア教会には様々な会があり、ややこしいが古いものでは「マリア会」と「マリアの会」とがあった。前者はマリア幼稚園の卒業生の会で後者はマリア幼稚園で教鞭をとった先生達の会である。当時の写真では牧師館は教会の南、今のスリー・シスターズ・インにあった。戸田姉の目も記憶力も抜群で、これはミッチャン、これは小児科医の小川先生、と説明して戴いたが,戸田姉自身の写真を撮ろうとすると、とても硬く断られ、上品で綺麗な方なのに昔の写真と比較されたくないと言う女心であろうか?
「マリア会」では、木村忠一氏、山本進氏、故中根冬雄氏などの方々が判ったが、段々皆さんが高齢化して参加人数が減ってくると、「マリアの会」と合同で開くようになり、段々、法用修氏,法用渉元中部教区主教さんや速水(旧姓服部)彩子さん、現在のマリア幼稚園長、菅原さと子先生など、私も知っている方々の顔が出てきた。これらの写真のアルバムは下田屋先生にお届けした。中には幼稚園生徒の遠足の風景もあり、下鴨の糺の森(写真2)や太秦の御室の桜もある。子供たちは岡崎の地から歩いて行った、との事だが、昔の子どもは今の子達より健脚だったことがよく判る。その頃の司祭、高松先生は大学生に人気があり、学生の信徒が多く、また三高、京大の先生方の信徒も多かった。
戸田姉は大分の生まれで東大出の父君が鉄道関係の土木技師だったので各地を廻り、四歳の時、京都、岡崎入江町、錦林小学校の東に居を構え,マリア幼稚園に入られた。その付近には三高の先生方の住居が多かったという。(文献1)
「結婚後はあまりマリア教会へも行っていません」とおっしゃるが、ご主人と死別されてからも時々、礼拝にも出られたようで、用意されたアルバム中のイースターの集合写真には私ども夫婦の独身時代のものも写っていた。マリア会の方々の著書も数冊、戴いた。 
鳥取大学名誉教授の有田美智子著の「深い湖」という本ではミス・スミスと言う女性宣教師が主人公のフィクションだが、これは同じく女性宣教師であったスカイルス先生がモデルであることも伺ってこれもマリア文庫に収められた。
戸田幸子姉はその後も手紙を下さり、マリア幼稚園時代のことを次々に書いてくださったが、やはり一番懐かしく思い出されることは高松先生のこと、竹中先生(写真2)のことで、錦林小学校へ入っても、学校帰りにマリア幼稚園へ行って竹中先生に「母を訪ねて三千里」、「形見のボタン」、「家なき子」などを読んで戴いた、と昨日のことのように話された。竹中先生は1915年から1937年までマリア幼稚園の主任であった。1945年9月、59歳で亡くなられ、若王子のウイリアムス主教記念義の真前に父、茂恒さんと共に葬られている。


文献 深江浩著「わが道は京都岡崎から」
     ナカニシヤ出版、2000年

松ヶ崎のスカイルス先生の家で。
後列左から磯部(黒谷前の薬局)、横田、
橋本の各姉、スカイルス先生、加藤智子姉、
前列左から故宮西先生、戸田幸子姉。

下鴨、糺の森へ行った
日曜学校の遠足、
大正14年(1925年)
前列右端に座っておられるのが
竹中千代先生。姉はその他の
方々の氏名も指摘されていた。


聖マリア幼稚園コーナー

2005年度を迎えて

 今年のさくらの開花はとてもゆっくり・・・これぞ春爛漫に!と心ウキウキさせ、11日の始園式、12日の入園式を迎えるはずでした。でも何ということでしょう。入園式にこそ桜の木の下の集合写真がとても良い記念になるのに、その日のみが雨になるなんて!本当に残念、お生憎様だったのです。が写真は宇野さんのおじちゃんにお礼拝堂で撮って頂きました。3年後、この同じ場所で卒園写真を撮ってもらっている子ども達に思いを馳せながら..。今年度は花組19名(うち満三歳児が2名)、赤組23名、緑組22名の64名。そしてプレプレクラス親子7組の子どもたちと、園長以下教職員8名です。それは、今年から新しくお迎えした藤原健久チャプレン先生と三クラス各々の担任の先生、花組=浅間麻衣先生と新入の河内舞先生、今年から赤組担任の=団聡子先生、緑組=生谷朋子先生、今年から週三回になったプレプレクラスの藤田尚子先生、そして事務の浦地愛先生です。
 2005年度の入園式の次の日からは勿論子ども達のみの登園になり、数人泣く子もいましたから、先生達は手分けをして対応します。子ども達も不安ですが、後ろ髪を引かれつつ帰られるお母さんも数人。でも今はもう大丈夫です。時々ウロウロしたくなるお友達もいますが当たり前。初めての集団生活に入って、目に写るものは新しい事ばかりですから。しかし、ご本の読み聞かせや紙芝居など「おもしろい!」と思った事にはしっかり興味を示し、生き生きと目を輝かせています。子どもたちって本当に賢いです。興味の在る事にはキュッと吸い寄せられるのですから。花組は3日目にして保育時間は11時半になり、すっかり落ち着いています。全クラスで月曜礼拝も水曜の献金礼拝も行い、神様のお話も聞きました。しっかり新しい生活が始まり、晴天の時はお庭でいっぱいいっぱい遊んでいます。新しく途中入園したお友達もずっと前から仲間に入っていたように、一緒にゲームを楽しんでいます。また、全お母さんを対象に行った母の会親睦会はホールいっぱいの大きな輪が出来、スキップ捕まえや友だちビンゴ(自己紹介をしながら名前を埋めていくゲーム)をすると、クラスを越えて名前を覚え、お母さん方もおおはしゃぎでとても楽しい時間を過ごしました。そして今年度色々お世話下さる母の会の幹事さんも決まりそろそろ始動です。今年のチームワークがまたまた楽しい催しに、嬉しいお友達関係に発展していく事を願い、お母様方同士も子ども達の為に、そして幼稚園の為にお働き下さる事を期待しています。チャプレン先生は朝とお帰りには、子ども達を迎え、その後時間の許す限り園庭で子ども達とともに遊んで下さっています。時には靴を脱ぎ、雲梯やロッグハウスに登って下さっていたり・・・若いのはよく分かっています。でも、靴下を履いたままで滑って落ちないでね???と声を潜めて眺めている先生達がいるのですが。スキップ捕まえも、当園の大切な恩物のゲームにもいつでもどうぞご参加下さいね。
 さあ、今年はどんな楽しい一年になるのでしょうか。植物園への春の遠足はきっとお花がきれいでしょうね。様々な行事を通し、子供達の一挙手一投足を受け止めつつ、子ども達の声に心に向かい合って、子ども達の成長を助けていきたいと思っています。教会の方々も可愛い子ども達を見守り、お声を掛けて下さいますようどうぞ宜しくお願いいたします。 感謝。 
(園長 ルデア 菅原さと子)


各部のお知らせ

=婦人会=
4月24日(日)例会。京都教区婦人大会=5月5日(木・祝)〜6日(金)三重県伊賀市。

=日曜学校=
5月1日(日)お誕生会。17日(火)教師会。6月12日(日)遠足(予定)。

=ジュニアチャーチ=
5月1・15日(日)10時より朝の礼拝(礼拝堂)。
4月29日(金・祝)遠足『ミステリーツアー』。

=青年会=
4月17日(日)ミーティング。5月8・22日(日)ギター講習会(予定)。
29日(日)昼食当番・ミーティング。

=幼稚園=
5月11日(水)9時半〜母の会総会。14日(土)保育(振替)。
24日(火)・26日(木)グループ会。28日(土)大文字ファミリー登山。

=ハンドベル=
朝の部毎週火曜日10時半〜、夜の部毎週木曜日19時半〜。

=ボーイスカウト24団=
<ビーバー隊>4月3日隊集会
<カブ隊>4月1日(金)〜3日(日)カブホリディ(南山城青少年自然の家)、10日(日)緑化募金。
<団>4月30日(土)マーキ支柱ペンキ塗り(マリア幼稚園園庭)、4月29日(金・祝)〜5月3日(火・祝)研修所奉仕
<京都連盟>4月24日(日)カブ・ビーバー90周年記念式典(京都府立体育館)。


ニュースとお知らせ

=杉山修一司祭、聖餐式の司式、説教=
4月10日の聖餐式は藤原司祭京都聖三一教会出張のため、杉山修一司祭(東京教区教役者。現在プール学院院長、同中学・高校校長)においでいただきました。ありがとうございました。

=今後の主日礼拝=
毎月第2日曜日、藤原司祭は管理教会京都聖三一教会(奥執事定住)へ出張します。当教会の主日礼拝は、5月以降、毎月岡野主教が聖餐式をしてくださいます。

=二階集会室にパソコン設置=
河原林雅之さんが司祭のパソコン無線LAN工事の奉仕の際にパソコンを献品してくださいました。安全上メールはできませんが常時接続のインターネットが使用できます。

=ウイリアムス神学館より実習生2名=
4月23日(土)より、加納嘉人さん、大居雅治さんが実習に来られています。

=第8回まりあ寄席=
5月22日に行われます。午後3時30分より。
笑福亭仁智「源太と兄貴」桂出丸「口入屋」桂文鹿「禁酒関所」。前売1500円(当日1800円)。

=5月のレクイエム=
5月15日(水)11時から次の方々を記念して逝去者記念聖餐式を行います。他に記念したい方がおられましたらご連絡ください。教籍は問いません。
1日―ルツ中山わい(1994)、
2日―ユニケ速水富子(1984)、
3日―速水経清(1967)、
4日―上羽たつゑ(1996)、
6日―本多栄(2002)、*ステパノ片岡鉄治(1947片岡霊恵弟)、
8日―司祭ヨハネ長谷川道夫(1982)
10日―木村豊山、
12日―ヤコブ江見猛(1955)、アンナ佐々木キタ(1992)、
17日―星野光謙(1955)、司祭テモテ飯田佐徳(1974)、ヨハネ岡村俊介(1995)、水本千代子(2002)、
18日―*マルコの母マリア牧口ヒロ(2001浦地愛祖母)、
20日―ヨハネ白神三郎(1951)、
30日―江見芳子(1955)、笠井シズエ(1997)、*小川嵯五郎(1951尾崎泰子父)

=教区・教育部リーダー研修会=
5月2〜3日(月・火)教区・教育部リーダー研修会が行われます。(於・奈良)この春長崎で行われたジェイズ・キャンプの報告と、夏のキャンプに向けた準備が行われます。
大学生以上、参加費1000円。参加申込は矢萩司祭(上野)または藤原司祭まで。

=藤原司祭携帯電話=
藤原司祭が携帯電話を購入しました。いつでもご連絡下さい。ただし、主日・週日の礼拝中、その前後、病床訪問中等はつながりません。


他の月の月報へ

ホームページへ戻る