月報「コイノニア」
2005年9月号 No.265


聖書そのまんま

司祭 ミカエル 藤原健久

そのとき、ペトロがイエスのところへ来て言った。「主よ、兄弟がわたしに対して罪を犯したなら、何回赦すべきでしょうか。七回までですか。」イエスは言われた。「あなたに言っておく。七回どころか七の七十倍までも赦しなさい。」
(マタイ18:21―22)

 このイコンは、テゼのブラザーが描いたものと思われます。全長約一メートルの、大型のイコンです。正面に十字架につけられたキリストが、左右に十字架のキリストを見上げる弟子が、キリストの頭上に天使が描かれています。左右の弟子たちは、右が手に書物らしいものを携えているところから、福音記者ヨハネと思われます。左はキリストの衣にそっと触れている姿から、マグダラのマリアと推測します。天使の手には器があります。これは脇腹から流れ出たキリストの血を受け止めた、との伝説の器と思われます。全体的に、最大限に単純に描かれています。最も大切なことのみを描いて、省略できるものは、大胆に省略しています。キリストの頭上から茨の冠が省略されています。聖なる存在であることを示す頭の後ろから輝く光輪に、通常なら神であることを示す、三方に放たれた光線が描かれるのですが、それすらも省略されています。描かれているのは、他の人物に比べてひときわ大きい全身であり、そのなかの苦しみにゆがんだ顔と、大きくねじれた体です。その両手両足には、十字架に打ち付けられた釘がはっきりと認められます。悲惨な姿ですが、黙想しながら見つめると、悲惨さだけを表現しているものではないように思えてきます。キリストの手は上を向かって開かれています。これは祈りの姿のように見えます。聖餐式の中で、私たちが「心を神に」「主に心を捧げます」と唱和する時の、司祭の所作に通じるものがあるように思われます。またキリストの両腕は大きく開いています。これは誰かを抱きしめようとしておられるように思われます。
 このイコンは、いつもはテゼの「和解の教会」の正面右側にあります。テゼでは毎週金曜日、「十字架の礼拝」が行われます。礼拝の最後に、このイコンが教会の中央に運ばれ、寝かせて安置されます。参加者は四方から集まってきます。そしてイコンの前に正座し、額をイコンの上に載せて、しばらく祈りを捧げるのです。それは一人一人の苦しみを、十字架のキリストにゆだねる祈りなのです。苦しみにゆがむキリストの顔が、一人一人の苦しみを受け止め、和らげようとされている、慈しみのお顔に見えてきます。
 教会の信仰に於ける、テゼ共同体の最大の貢献は、福音の新鮮さを取り戻すことにあると言って良いでしょう。聖書の御言葉そのまんまが、私たちの生活の中で、新たに力強く迫ってくるのです。先日、悲しいことにテゼ共同体創始者のブラザー・ロジェが、夕の礼拝の最中に参加者の一人に襲われ、逝去されました。後日行われた葬送式の中で、後継者のブラザーがこう祈りました。「善なる神、私たちは、病によってブラザー・ロジェの人生に終止符を打った女性を、あなたの赦しにゆだねます。十字架のキリストと共に、私たちは祈ります。: 父よ、彼女をお赦しください。彼女は何をしているのか知らないのです。」キリストの語られる、「赦しなさい」の御言葉が、力強く迫ります。私たちは日常の生活の中で、聖書の御言葉をそのまま受け止め、生きようとするときに、福音の核心に近づくのです。


堅信式!9/18

 9月18日(日)ステパノ高地敬京都教区主教をお迎えして堅信式が行われました。
 アグネス伊庭和子さん(教父母:大倉敏子さん、服部卓爾さん、伸子さん)、ダビデ吉村和馬さん(新實康男さん、南寛さん、津田恵子さん)、ヨシュア岩本翔太さん(河原林雅之さん、吉村伸さん、由理さん)、ルカ津田知さん(久保田栄三さん、南寛さん、畠田暢子さん)の四名が主教の按手を受け、信仰の確認をしました。
 四名のうち三名が未成年信徒ということで、お祝いに駆けつけた日曜学校、ジュニアチャーチの子たちも、聖歌隊にまじって美しい歌を献げ、ハンドベルの奉仕もあり、素晴らしい礼拝になりました。礼拝出席者は100名を越えました!
 式後、末松玲子さんの司会で、堅信のお祝いの会と敬老の集いを兼ねての祝会を教会会館ホールにて行いました。歌あり演奏あり、り、お話しありと、楽しいひとときを信徒みんなで過ごしました。主に感謝。

小5・小6・高2という
若い受聖餐者が増えました。


パイプオルガンのための献金

マルコ 新實康男

 私たちの礼拝堂のチャンセルの東側が西側よりも広くなっていることは、皆さんお気づきかと思います。その場所は近い将来にパイプオルガンを設置するべく用意されている場所なのです。何トンもの重量のあるオルガンのために基礎が強化されており、またオルガンのための電源も用意されています。
2年前の11月、聖マリア教会創立100周年の記念行事の一つとしてパイプオルガンの設置が決まり、記念祝会の場で発表されました。けれどもその後具体的な募金の方法は決まらず、前に進むことなく1年半の年月が過ぎていきました。数ヶ月前に続木創さんがオルガン募金の具体的な金額と方法の提案をされました。1日100円が基本になった優れた提案とおもいましたが、これも議題として審議されませんでした。
 このことは教会員のみなさんお一人ごとにオルガンの対する思い入れが深いかた、深くない方、色々であることが募金計画が具体化しないことの原因の一つであると思います。
 聖マリア教会の会計の中にオルガン積立金という項目があることはご存じですか。これは20年ほども前のことですが小谷先生の時代に始められたもので、結婚式を教会で挙げた方が捧げられた献金の中から5000円を将来のオルガンのために積み立ててきたもので、現在203万円になっています。
 最近になって3人の方が全く別個にオルガンのために指定献金を捧げてくださいました。9月4日の教会委員会でこのオルガン積立金について再確認をいたしました。この項目は発展的に考えて、将来のパイプオルガンを含めたオルガンのための積立金であることが全員一致で確認されました。そして最近捧げていただいた3人の方々のオルガンのための献金がこの積立金に繰り入れられます。
 おもてだってオルガンのために募金活動はいたしませんが、感謝献金などのなかで「オルガンのために」とのご指定をいただければ、一般献金とは別にオルガン積立金の中に繰り入れさせていただくことになります。
 私達の賛美の歌声やコンサートの音楽が心地よく響くこの聖堂にパイプオルガンの音が鳴り響く日がそれほど遠くない日であることを願っています。ぜひオルガン積立金を実らせていただくようお願いするものです。


聖マリア幼稚園コーナー

去る9月10日(土)第5回子育て支援講演会を行いました。私達の教会では大切な方のお一人、立石恭子先生にお願いしました。演題は「こどもの育ちを考えて」-病気の予防や事故を防ぐために-です。先生にはご多忙のなか快くお引き受け頂き感謝です。先生は京都小児科医会子育て支援委員会のメンバーのおひとりとしてお働きになり、4保育園の園医や保健所で検診立ち会ってられるなど、先生個人としては、五人のお嬢さんのお母様であり、七人のお孫さんがおられる等々・・・子育て支援のお働きそのものと考えてお願いした次第です。
先生は、まずご専門の小児の病気についてお話し下さり、子どもの病気はウィルス感染に因るものが一番多いとして「かぜ」についての、様々な症状からその対処の方法を詳しくお話しして下さいました。そして、私達が普段の生活をどのように過ごす事により様々な疾病を予防しうるのかを示して下さいました。子ども達にとって一番大切な事、それは毎日の生活リズムを規則正しく整える事、うがい、薄着、適度な清潔観志向など何より、心の安定感が大切であるとお話し下さいました。疾病のお話の後は、子ども達の事故防止について、現状や成長を追って発生発生しやすい事故の種類を示して下さいました。私達(先生も保護者も)は子ども達の病気や事故について,素早く的確に対処しなければなりませんが、それに対応するべく,体験施設もご紹介下さいました。幼稚園として、今季、川端署からの要請もあって,秋の交通安全開始式に参加します。保護者の方にも啓蒙する意味で、シートベルトの着用やチャイルドシートの安全な取り付け方の講習会を持ちます。また、第二日赤横に新しく出来ました京(みやこ)あんしんこども館での体験学習(救急処置、人工呼吸法など)も企画したいと考えています。
私達は、日々の保育とともに、子ども達の健康を守り、怪我から身を守る術を子ども達自身にまた保護者に伝えて、大人としての良き判断を備えてもらわねば成りません。この事は正しく神様から頂いた「いのち」を守る事だと再認識致しました。そして、その大切な「いのちを下さったのは神様ですよ。」とこの幼児期に伝える事で、一生その事に感謝出来る子どもになって欲しいと切に祈ります。恭子先生が最後に下さった聖句:マタイ13;3:8 良い種が良い地に落ちて・・・幾百倍もの良い実を結んで欲しいと願います。この講演会をしていただきました陰には,昭三先生がレジュメの作成(ワープロ作業)や代診をして下さったというお助けがあったようです。私達の幼稚園の為にお助け下さいました事をも感謝したいと思います。そして、関わって下さった方々すべてに感謝申し上げます。ありがとうございました。


各部のお知らせ

=婦人会=
9月18日(日)聖餐式後 敬老お祝い会・堅信お祝い会お手伝い。
10月23日(日)婦人会例会。 

=日曜学校=
9月18日(日)聖餐式・堅信式に出席(9時半からの礼拝はお休み)。
10月30日(日)遠足予定(Jr.と合同)。

=ジュニアチャーチ=
10月2日・16日(日)朝の礼拝。18日(日)聖餐式に出席。
10月30日(日)遠足予定(S.Sと合同)。

=青年会=
10月9日・23日(日)ギター講習会(予定)。30日(日)昼食当番。

=幼稚園=
10月1日(土)入園願書受付開始。8日(土)運動会
11日(火)・13日(木)グループ会。
17日(月)遠足『比叡山ふれあいの杜』へ。
20日(木)四歳児幼稚園大会(京都会館より)。
28日(金)お誕生日会(9・10月生まれ)。

=ハンドベル=
朝の部 毎週火曜日10時半〜、夜の部 毎週木曜日19時半〜。

=ボーイスカウト24団=
<ビーバー隊>
10月2日(日)集会・工作(マリア教会)見学歓迎、
23日(日)集会・入隊式(マリア教会)
<カブ隊>
10月16(日)組集会(マリア教会)、23日(日)隊集会(沢池ハイク)
<ボーイ隊>
10月15日(土)・22日(土)班集会「新しい出発」(マリア教会)、
29日(土)隊集会、「新しい出発」(マリア教会)
<ベンチャー隊>
10月一日(土)・一五日(土)・二九日日(土)ベンチャー集会(マリア教会)
<ローバー隊>
10月16日(日)・29日(日)会議(ひと・まち交流館京都)


ニュースとお知らせ

=入籍=
マリヤ米川光恵さんが、8月25日付けで九州教区福岡教会から当教会へ入籍されました。心より歓迎いたします。

=誕生感謝の祈り=
7月17日、織田恵理子さん(母)、恵衣ちゃんの誕生感謝の祈りを行いました。

=聖マリア幼稚園母の会バザー=
9月16日(金)午前10時から午後1時半まで、幼稚園・母の会主催のバザーを行いました。ご協力ありがとうございました。

=ハンドベル練習を再開=
夏休みでしたハンドベルの練習を再開します。朝ベルは火曜日、午前10時半より正午まで、夜ベルは木曜日、午後7時半より9時まで。関心のある方、演奏希望の方は、林悦子さん、またはハンドベルのメンバーまで。

=名札着用のお願い=
牧師からのお願いです。教会の中では名札を着用願います。

=10月のレクイエム=
10月19日(水)11時から次の方々を記念して逝去者記念聖餐式を行います。他に記念したい方がおられましたらご連絡ください。教籍は問いません。

6日−藤原清太郎(1979)、ヤコブ水本実(1991)、江口治子(2002)
9日−主教ヨハネ山田襄(1993)、
13日−ベルナデッタ名倉洋子(1984)、ヨハネ石川敬介(1985)
16日−アンナ鈴木かおる(1974)
18日−岡田啓子(1996)
19日−ヴォーナド吉田篤史(1986)
22日−ミレー尾上良知(1972)
23日−ヨハネ牧口重明(1972浦地恭子父)
24日−宇野誠治(1985)、主教サムエル法用渉(1997)
28日−成尾延一(1974)
30日−イサク谷口イサク(1972)
31日−ヨハネ立石新吉(1977)、山岡剛司(1996)

=米ルイジアナ州大型ハリケーンの被害について=
教区より以下の連絡が届きました。東北教区からの情報だそうです。(古くから関係がある。)
一、ハリケーンはルイジアナ州ニューオーリンズを直撃、人工四八万人の大半が避難、市の多くの部分が水没、ほとんど壊滅状態ではないかと伝えられています。
二、ニューオーリンズが海やミシシッピ川より水位が低いことが大被害の要因の一つのようです。
三、一部関係者とのEメールによる連絡はつき始めていますが、まだまだ深刻な状況は続いてゆくと思われます。
四、「支援募金・献金」等の具体化は考えられていませんが、まずどうぞそれぞれの教会に置かれまして、代祷の内にお覚えくだされば幸いと存じます。  
日本聖公会京都教区教務所
 主事 司祭 三浦恒久


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