月報「コイノニア」
2005年12月号 No.268


まんまる、その2

司祭 ミカエル 藤原健久

与えることができる力、受けることができる力、
        焔の同一円の 半円どうし
一方が他方の反映と雄弁
マリヤはキリストのおん母、
        エリサベツはバプテスマのヨハネの母

 今月も先月に引き続き、ナリニ・ジャヤスリヤ著『サッテヤ…言葉と絵による黙想』(日本基督教団出版局)の中から引用しました。「語らい」という題名が付いています。先月とほぼ同じ構図をしています。大きく違うのはその色彩です。先月の「受胎告知」は、さわやかな水色の地に、無数の白い線がまるで渦巻きのように二人の周りを取り囲んでいました。今月は、燃えるような赤もしくは朱色で、線は描かれず、絵の具の筆遣いとぼかすように描かれた黒い影で二人が円形に、「まんまる」になっているのが分かります。詩で分かるように、この二人はキリストの母マリアとエリサベトです。唇の様子から、右側の人物が語り、左側の人物が聞いているのが分かります。私たちは人の話を聞くときには相手の目を見つめ、自分の思いを語るときには視点があちらこちらと動くものです。二人が向かい合い、語らいながら、お互いをいたわり合い、力を与え合っているように感じます。二人はまだ内側を向いていますが、すぐにも外へ飛び出すエネルギーが蓄えられています。それが鮮やかな炎の色彩で現されているように思います。
 私はこの詩の中で、「受けることができる力」という言葉がとても好きです。私たちは、何かができることが「力」だと考えています。けれども、何かを受けることをも「力」だと、この作者は言っています。誰かが何かを語る時、それを聞いてくれる人が必要です。力強く力説する人も、ちゃんと聞いてくれる人がいるからこそ語れるのです。悩みや心の深い思いを語るときなどは、きちんと聞くことの方が難しく、訓練が必要なものです。受けることが、与える人に力を与えるのです。とすると、どちらが与える方で、受ける方か分からなくなってきます。受ける、与える、この相互の行き交いが、人を強めるのでしょう。
 マリアは天使からお告げを聞いたとき、一人で悩んでいました。事の重大さに誰にも相談できずにいたのです。彼女は一人で祈り、思い巡らしていました。一人の沈黙も大切です。けれども、一人で抱えきれなくなったとき、誰かが近くでしっかりと耳を傾けてくれると、それは癒しになり力になります。マリアはエリサベトに話を聞いてもらったとき、自分の使命に立ち返り、神様の救いの喜びを高らかに歌うことができました。それが、新約聖書最大の賛歌、「マリアの賛歌」です。この賛歌は、マリアだけのものではなく、エリサベトとの交わりの中で生まれました。また、この二人の交わりは、私たちも隣人と交わりを深めるようにと促してゆきます。悩み、戸惑う無力な者が、互いに与え、受け合って、支えてゆくことによって、人を癒し強めてゆく「まんまる」の輪が広がってゆくように思います。マリアの賛歌は同時に「エリサベトの賛歌」であり、また「悩める無力な者の賛歌」でもあるのです。


Merry Christmas

 聖マリア教会のクリスマスは、他の教会では類を見ないほどたくさんの礼拝が行われます。その数はこの四月から赴任された藤原司祭も舌を巻くほどのもの。ここではその一部であるクリスマス礼拝をとりあげ、紹介させていただきます。


21日(水)18時
ジュニアチャーチクリスマス礼拝

 中高生(ジュニアチャーチ)は夜の礼拝を献げ、その後ホールで楽しいパーティーを行いました。料理は高校生たちの手作り。早くから集まって用意をしました。


22日(木)15時
日曜学校クリスマス礼拝

 日曜学校も幼稚園の卒園生を中心にその学校の友達などを集めてたくさんの子どもたちが集まりました。クリスマス礼拝のあと、幼稚園ホールで楽しいゲーム大会。サンタさんにプレゼントを頂き、明けてからの日曜学校での再会を約束して家路につきました。


23日(金・祝)13時30分
ボーイスカウトクリスマス礼拝

 ボーイスカウトもクリスマス礼拝。凛々しい制服姿で聖堂が満員になりました。その後幼稚園ホールでゲーム等満載の楽しい会を持ちました。


24日(土)19時30分
クリスマスイブ・キャンドルサービス

 クリスマスイブに行われるキャンドルサービスは「九つの日課による唱詠晩祷」。聖書朗読・黙想講話と黙想・お祈りを各日課ごとに行う聖マリア教会独特の形で、六年目となります。聖堂に響き渡る聖歌隊の歌声とともに、蝋燭の光のもと、荘厳な礼拝を捧げました。


24日(土)23時30分
降誕日第一聖祭(深夜聖餐式)

 24日深夜の聖餐式は降誕日第一聖餐式です。約40名の出席で盛況でした。教会員だけでなく、一般の方も大勢お見えになりました。


25日(日) 降誕日7時
第二聖祭(早朝聖餐式)
25日(日) 降誕日8時
英語聖餐式

 25日早朝の降誕日第二聖餐式は、外国人旅行者からの問い合わせが多い英語聖餐式を8時から行いました。


25日(日) 降誕日10時45分
第三聖祭(主要聖餐式) 総員礼拝・祝会

 今年は降誕日が主日にあたり、降臨節の四主日(紫)を前週までに守り、この日を迎えました。聖マリア教会自慢の聖歌隊、ハンドベルクワイアがご奉仕しました。
 マリア和泉淳子姉の洗礼式も執り行われ、お祝いの気持ちも倍増となりました。
 礼拝後はクリスマス祝会。お馴染みの持ち寄り形式で、婦人会の方々を中心に腕に縒りをかけたごちそうが並びました。ゲーム等で楽しいひとときを過ごしたあと、子供たちお待ちかねのサンタさんも登場。子どもも大人もプレゼントを頂き大喜びでした。


アッシャー当番の方へ

 みなさん!アッシャーの役割をご存じでしょうか?一言でいえば「礼拝の案内係」ではあるのですが、欧米では大変ステータスなもので、礼拝の始まりから終わりまですべてを取り仕切るコーディネーターのような役職なのです。
 誰よりも早く教会に正装で出掛け、礼拝の出席者全員を把握する。困っている人をすぐに見つけてアッシャーから声をかけて解決する。これがアッシャーの仕事です。
 マリア教会の礼拝は10時45分からですが、聖公会の殆どの教会が10時30分からです。また、礼拝に遅れてやってくる人はマリア教会ほど多くありません。という事は、10時過ぎにいらっしゃる方こそが本当にアッシャーの助けが必要な、マリアの礼拝に慣れておられない人なのです。
 アッシャー当番にあたった人は10時に襟を正していらしてください。オルガニスト、サーバー同様に礼拝にはなくてはならない人なのです。よろしくお願いします。


聖マリア幼稚園コーナー

去る、12月16日にクリスマス・ページェントを行いました。今年は初秋を迎えて以降、なんだか急に真冬がやってきたような12月の始まりでした。そんな中、幼稚園では「おたふく風邪」が猛威を奮い、10月半ばから二週間おきに各クラスの子どもたちが、入れ代わり立ち代りお休みする日々が続いていました。でも、このクリスマス・ページェントのメインキャストを務める年長・緑組の気合の入り方は、あらゆる病原菌を寄せ付けないほどのものでした。実際、クリスマス・ページェント当日も「おたふく風邪」の為に欠席せざるをえない子どもたちが何人も居るなか、強い精神力で病気と戦い、この日の本番を全員出席で迎えられたのも、この緑組の子ども達の強い「意志」があってこそだと思っています。
 今年の緑組は体を動かし、歌い踊る事が大好きなクラスで、運動会のダンスも完全にマスターすると、自分達で自由に隊形移動を楽しみ、アイデアを出し合い、時に意見をぶつけ合い、悲しい思いをしたり、辛い思いを各々が経験しながら、相手の事を考えて作り上げていくことの難しさと楽しさ・面白さを体得してきました。勿論、こうした行事だけではなく、子ども達は毎日の集団生活の中でこうした社会性を身につけていきます。目まぐるしく変化し、多様化し様々な価値観が溢れる現代社会の中で、「こども」という尊い時間が、いつの間にか「大人の時間」と同等に流れるようになり、ふとした瞬間に見せる。子ども達の所作に「おとなしゃかい」の縮小版を垣間見る今日。こうした時代に生を受けた子ども達に「一生懸命になれる経験」を沢山して欲しい!泣いて・笑って・怒ってまた笑って…。それでも、「やりたい!」と子どもたちが一生懸命になれる事は、いろんなところに散りばめられている筈…それが、私たちの幼稚園ではずっと受け継いでこられた多くの「行事」に繋がってくるのだろうと思います。その中で最も子どもたちが意識するのが「クリスマス・ページェント」です。「イエス様のお誕生日」という事を認識した上で、子どもたちが、「どきっ」とするのは自分自身を律しながら、自らの役割をやり遂げる事の責任を感じるからでしょう。でも、その重圧に負けない、我がマリアっ子に!我が緑組に!時に叱咤激励しながらも実は、私たちが、子どもたちにかけがえのない「クリスマスプレゼント」をもらっていた事に何時もいつも気付かされます。
 クリスマスを通して、神様が私たちに下さった「救い主」の意味を考えてみたら…目の前に愛くるしい笑顔の「こども」…。        
               Merry
                Christmas
                        and 
                Happy New 
                        Year
                           (教諭 サラ 生谷朋子)


各部のお知らせ

=婦人会=
1月29日(日)婦人会一月例会 一部:礼拝、二部:新旧役員交代、会計報告等。

=日曜学校=
1月8日(日)三学期スタート・お誕生会。
10日(火)午後6時〜教会学校教師会(新年会)。

=ジュニアチャーチ=
1月15日・29日(日)午前10時〜朝の礼拝。

=青年会=
1月22日(日)ギター講習会(予定)。

=幼稚園=
1月10日(火)教師会。11日(水)三学期始業。12日(木)pre-pre school・午後保育開始。14日(土)お餅つき。16日(月)代休。17日(火)・19(木)グループ会(カワイ造形)。30日(月)〜2月1日(水)個人懇談会。

=ハンドベル=
朝の部 毎週火曜日10時半〜、夜の部 毎週木曜日19時半〜。

=GFS=
1月30日(月)11時〜 新年礼拝、新年会 於:教区センター 出席ご希望の方は佐々木富美子姉まで。

=ボーイスカウト24団=
<ビーバー隊>1月11日(日)集会・餅つきと書初め(マリア教会)。
<カブ隊>1月15日(日)組集会(マリア教会)、22日(日)組集会・私の仕事館見学、29日(日)隊集会・発表「私の仕事」(マリア教会)。
<ボーイ隊>1月15日(日)女子駅伝奉仕・新春ボーリング大会、21日(土)GB訓練・班集会「BPになりきろう」(マリア教会)、28日(土)合同班集会(マリア教会)。
<ベンチャー隊>1月7日:韓国スカウトの京都案内、15日(日)女子駅伝奉仕、14日、28日(土)ベンチャー集会(マリア教会)。
<ローバー隊>2月4日(土)ローバー総会。


ニュースとお知らせ

=受洗おめでとうございます=
マリア和泉淳子さん(教父母續木創さん、續木泰子さん、浦地愛さん)が12月18日(日)に洗礼志願式を受け、25日(日)に受洗されました。おめでとうございました。共に神様の愛の道を歩んで行きましょう。

=藤原司祭第三子誕生!おめでとうございます=
12月14日、松本華子さんが元気な女の子を出産されました。母子共に健康。英里子ちゃんと命名されました。

=転会=
森田朋宏さん、葉子さん、侑人さんはカトリック北白川教会へ転会されました。

=2006年度教会委員・教区会代議員選出=
12月25日正午、2006年度教会委員・代議員選挙の投票が締め切られ、即日開票の結果次の方々が委員として選ばれました。
 (50音順・敬称略)
〈教会委員〉12名
浦地愛、佐々木亨、立石昭三、辻法子、續木創、續木泰子、新實康男、西逸郎、服部卓爾、前田潤、南寛、吉村伸
第一補欠・福原正和、第二補欠・田中泰之
〈教区会代議員〉3名
佐々木亨、新實康男、服部卓爾、第一補欠・野嶋久暉
第二補欠・立石昭三
よろしくお願いいたします。なお、15日の礼拝で任命式を行い、同日、12時半より新旧合同の委員会を行います。

=ホーム・カミング・デイ=
1月8日、幼稚園の「ホーム・カミング・デイ」を行います。20歳になった卒園児を中心とした同窓会です。聖餐式中で、成人の祝福のお祈りをいたします。該当年齢の方は、卒園児以外でも、祝福を受けにいらしてください。

=1月のレクイエム=
1月18日(水)11時から次の方々を記念して逝去者記念聖餐式を行います。他に記念したい方がおられましたらお知らせください。教籍は問いません。
1日−ダニエル野嶋勺(1975)
3日−星野英謙(1943)
9日−*吉田勇(1971、谷敬子父)
11日−バルナバ速水経憲(1920)、菊地忠夫(1934)、岸喜国(1980)
12日−ラファエル服部喜三(1978)
14日−テモテ椹木武夫(2002)
19日−*吉田花子(1992、谷敬子母)
21日−モニカ尾上千代
24日−アクラ中島誠(1975)
25日−トマス立石愛二(1990)
26日−エリザベス西原信
28日−ヒルダ中野京子(1995)
29日−*アクラ浦地辰雄(1985浦地洪一父80歳)
30日−ドロシー・デッソー(1980)、エリザベス岸喜江(1989)
31日−ハンナ星野富士子(2002)

=大晦日から元日にかけての礼拝=
12月31日23時30分より、大晦日深夜聖餐式(主イエス命名日前夜、英米のNew Year Eve Service)を行います。多くの人々が初詣に社寺へ押し寄せる刻限、一年間の主の御恵みに感謝し、御聖体にあずかって心静かに新年を迎えましょう。元日は十一時から新年礼拝(主イエス命名日聖餐式)です。

=加納・大居神学生二学期実習終了=
12月12日(日)で神学生の二学期実習が終了しました。三学期実習は1月21日(土)開始です。

=教区会=
11月23日第99(定期)教区会が開かれ、新常置委員に、石塚秀司司祭(委員長)、三浦恒久司祭、宮嶋眞司祭(書記) 、菊地伸二氏、佐々木靖子氏、松本嘉一氏が選出されました。
また、常置委員会の主教諮問によって次の方々が局長に就任されました。
総務局長―三浦恒久司祭、
宣教局長―大岡創司祭、
財政局長―冨山陽二郎氏。

=伝道区長=
12月8日付で次の方々が伝道区長に任命されました(任期は2008年定期教区会まで)。
京都伝道区―大塚勝司祭、
若丹伝道区―柳原義之司祭、
和歌山伝道区―西川征士司祭、
大和伝道区―三浦恒久司祭(代行)、三重伝道区―富田正通司祭、
北陸伝道区―門脇光禅司祭。

=伝道区・信徒伝道協議会主催新年会=
1月13日(金)午後7時より、教区センターにおいて、伝道区・信徒伝道協議会主催の新年会を行います。参加される方は野嶋さん、前田さんまで。


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