月報「コイノニア」
2007年3月号 No.283


キリストって誰?

司祭 ミカエル 藤原健久

この時から、イエスは、御自分が必ずエルサレムに行って、長老、祭司長、律法学者たちから多くの苦しみを受けて殺され、三日目に復活することになっている、と弟子達に打ち明け始められた。すると、ペトロはイエスをわきへお連れして、いさめ始めた。「主よ、とんでもないことです。そんなことがあってはなりません。」イエスは振り向いてペトロに言われた。「サタン、引き下がれ。あなたは私の邪魔をする者。神のことを思わず、人間のことを思っている。」(マタイ16・21-23)

 一年間にわたって行ってきました「京都シネマリア」ですが、紹介できなかった作品もあります。今回は私のギャラリーの中から幾つかをご紹介いたします。「汚れなき悪戯」(1955、スペイン)今回の企画を知って、岡野主教様がDVDを送ってきて下さいました。感謝です。主題歌も有名です。原題は「パンとワインのマルセリーノ」、少年は、イエス様と身近に交わり、パンとワインをお捧げします。「ミッション」(1986、英)教会の信徒を守るため、武器を持って闘うのか、最後まで祈りを共にするのか、二人の神父の二つの生き方が示されます。「南京の基督」(1995、日本・香港)芥川龍之介の原作をふくらませた作品。貧しい、薄幸の少女の、キリストに対する純粋な愛が、痛いほど心に刺さります。実在の修道者を扱った作品を二つ。「テレーズ」(1986、仏)とても静かな映画です。社会的には閉ざされた修道院の中で、魂は自由に世界を巡ります。「フランチェスコ」(1989、伊)こちらは激しさがあります。ぼろを纏い、捨てられたものを食べ、戸外で寝ながら、眼差しは暖かく、笑みが絶えません。実在の人物なら「ジャンヌ・ダーク」(1948、米)キリストの声を求めて祈るときの苦悩の涙、火あぶりにされながら十字架に献げるキス。美しく激しい信仰です。少しコミカルな「フォー・ウエディング」(1994、英)礼拝が美しい!本当の愛がお葬式で語られます。もっとコミカルな「俺たちは天使じゃない」(1989、米)脱獄囚が掴んだ本当の信仰。ハチャメチャな「ドグマ」(1999、米)黙示録を現代で展開したらこうなる?どれも面白い映画ばかりです。いずれも貸し出しいたします。お気軽に牧師まで申し込んでください。
 どの作品も、娯楽映画を通して信仰を表していると言えます。それは、つまるところ「キリストって誰?」という課題に、それぞれの表現を通して取り組んだものと言えるでしょう。
 冒頭の聖句は、イエス様とペトロが「キリストって誰」という課題で論争していると、受け取ることができます。イエス様は、苦しみを負い、殺され、そして復活することによって人々を救う者、それがキリストだと言われます。けれどもペトロはそのようなキリストを受け入れることができません。ペトロにとっては輝かしい栄光を帯びた者、人々にあがめられるべき者、それこそがキリストだと考えたのでしょう。後にペトロ自身が身をもって真のキリストの姿を知ることになります。「キリストって誰?」この課題は、わたしたちそれぞれが、日常生活に於いて、いつも取り組むべき者であると思います。
 これで、「京都シネマリア」および、映画の紹介を終わります。とても楽しい一年でした。おつき合い下さり感謝です。来月からは、「色々な礼拝」というテーマで連載したいと考えています。


一年間の実習に感謝

パウロ 井上 進次

 一年間、京都聖マリア教会で学ばせて頂き、本当に有難うございました。
 神学館に学期末ごとに提出する「実習ノート」というレポートがあるのですが、数えてみると四五頁にもなりまして、それだけ内容の濃い一年間でした。
 それにしても藤原道場、なかなかハードメニューでした。日曜日は、6時20分の朝の礼拝から六つの礼拝をこなし、午後からは会合やイベント、ことに教会委員会を途中で退席して聖研に向かう、という事もしばしばありました。お蔭様で日曜の寝付きは、毎週とてもよかったように思います。
 色々な想い出がありますが、二、三挙げさせて頂きますと、まず日曜学校の子どもたちと一緒に礼拝できたこと。私の拙い話の翌週に「せんせい、お話しの本持ってきたよ」とわざわざ童話の本を見せてくれたRちゃん、やんちゃ坊主のようで、お別れ会の寄せ書きに「あそんでくれてありがとう。ちょっといじわるしたけどげんきでいてください」と書いてくれたT君。子ども達の素直な心に、私自身が幾度となく励まされました。
 また、土日の聖書研究では参加されたお一人おひとりの、信仰をお聞かせ頂いたと思います。
研究というと堅苦しいのですが、要は聖書のみ言葉が自分に何を語りかけて下さるか、それを分かち合う場であると思います。
その場のお手伝いをするのが牧師である、ということを藤原司祭から学びました。
 最後に、私はサーバーという立場上、陪餐の時に皆さんがイエス様の御体と御血を頂く表情を窺うことができる位置に立っていました。そこで私は、神様に心から祈るために教会に集う皆さんの「信仰」を、毎主日肌で感じ、深い感動を受けておりました。
 ほとんど母教会しか知らなかった私は、この実習を通し、これだけ多くの信仰の友が、同じ日の同じ時刻に共に神様への祈りをささげているのだ、ということに気付かされました。高齢化や少子化という環境の中で、教会の、また聖公会の状況も厳しくなると言われておりますが、逆に私はマリア教会の皆さんからパワーを頂きました。それを、これからの働きに活かしていきたいと思っています。
 4月からプール学院中高での働きの場を与えられました。何をしてよいやら想像もつきませんが、当教会での経験を心に留め、生徒たちに神様の愛を伝えたいと思いますので、どうぞ今後もご加祷下さいますようお願いたします。
 本当に有難うございました。


聖週とイースターのご案内

 今年の復活日は4月8日(日)です。自らの罪を悔い改め、イエス様の復活を祝い、永遠の生命の希望にあずかるため、共に祈りましょう。教会の礼拝はすべての人に開かれています。どなたでもご参加下さい。
 下のチラシが出来上がっています。お知り合いの方にもお配り下さい。教会へ取りに来てください。

<聖週の礼拝>2007年4月

●1日(日)復活前主日(しゅろの主日)10時45分 しゅろの行列と聖餐式
●2日(月)復活前月曜日〜4日(水)復活前水曜日午前7時聖餐式/午後7時晩祷
●5日(木)聖木曜日(赤・白)
午前7時 聖木曜日 朝の礼拝(聖餐式は夜)/午後7時 洗足式・聖餐制定記念聖餐式・聖木曜日の黙想
●6日(金)聖金曜日(受苦日)(赤)午前7時 聖金曜日朝の礼拝(保存聖体拝領)/正午 京都伝道区合同受苦日礼拝(主教座聖堂)/ 午後7時 聖金曜日夕の礼拝(十字架の主に対する崇敬と賛美)
●7日(土)聖土曜日(赤・白)午前7時 聖土曜日朝の礼拝・嘆願/午後7時 夕の礼拝/午後11時 イースター・ヴィジル(復活徹夜祭)
 1.序言
 2.復活のろうそくの祝福
 3.洗礼の約束の更新
 4.聖餐式

<復活日大礼拝>

●8日(日)復活日(白)午前4時30分 ジュニアチャーチ大文字山早天礼拝・午前7時 早朝聖餐式/午前8時英語聖餐式/午前10時45分 主要聖餐式/写真撮影/イースター祝会(祝会の食事は持ち寄り方式で行います)


聖マリア幼稚園コーナー

 3月17日に第98回目の卒園生を送り出しました。卒園生、22名。みんな晴れやかな笑顔で巣立っていきました。入園式の日には、笑顔どころか不安の方が大きく、涙で顔をぬらしていた子ども達だったのに…。それから、この幼稚園で過ごした各々の時間の中で、心も体も家族の方々の愛に守られ、神様に導かれて、この晴れの日を迎えることができました。振り返ると一年は、本当にあっという間に過ぎ去り、この子ども達をお預かりした日の、緊張や喜びをつい「今」の事ように感じることがます。でも、目の前を巣立ち行く子ども達は、皆、体も心も一回りも二回りも大きくなっていて輝いています。そんな、輝く子ども達のパワーがあるからこそ、保育者として時に喜び、時に悲しみ、不安を覚える中で、成長する事ができるのだと改めて、子ども達とそのご家族に感謝です。
 卒園するその日が90回目の全員出席の日となった年長組。実は、この三学期に、長期欠席を余儀無くされたお友達がおりました。先天性心臓疾患のため、手術を受ける事になっていたのです。本来、卒園までの僅かな日々を一緒にすごす事を楽しむ事が喜びのひとつにもなりますが、今年は少し違いました。入院中の友達を思いやりながら、その子の分まで、出来る事を積み重ねていく事で、毎日を過ごしてきました。お手紙を書いたり、テープに声をとったりしながら、互いを身近に感じられれば…と思いながら。
 普段、「一緒」に居る事が、当然のように感じていた毎日が、ちょっと違って感じられました。でも、入院しているお友達にとっては、ほんの些細なことに思えることでも、「幼稚園」を身近に感じられることは、入院中の子どもにとって、「大きな支えになっていた」とお母様との話を通して気付かされました。子ども達が、「幼稚園」という場を通して、友達と出会い、そこで紡がれていく人と人との出会いの糸が、毎年様々な模様を織り成していきます。卒園式の日、園長先生のお話『おしゃべりな毛糸玉』では、この糸が、次の糸と結ばれ新たな模様を織り成していくのだとお話してくださいました。卒園した子ども達が「小学校」という新たな場においても、友達を身近に感じ、思いやりの気持を持って成長してくれる事を願ってやみません。今年は、錦林小へ10名、第四錦林小・御所南小へ2名、岩倉北小・男山第三小へ1名、ノートルダム学院小へ3名、聖母学院・文教・教育大学附属小へ1名がお世話になります。それぞれの上に、これからも、神様の変わらぬ愛がありますように…。
 今年度も、幼稚園の為にご理解、ご協力いただきました教会の皆様を始め皆々様に、心より、感謝申し上げます。  (教諭 サラ 生谷朋子)



各部のお知らせ

=婦人会=
4月22日(日)13時半〜 一部 礼拝、二部 新聖歌をみんなで歌いましょう!、三部 各報告

=日曜学校=
3月25日(日)・4月1日(日)春休み。
7日(土)午前10時〜 イースターエッグ作り。8日(日)イースター礼拝。
24日(火)午後8時〜 教師会。

=ジュニアチャーチ=
4月8日午前四時半〜 大文字山早天礼拝。
15日(日)午前10時〜朝の礼拝。午後一時〜ミーティング。

=青年会=
4月29日(日)昼食当番。次回ギター講習会未定。

=幼稚園=
4月7日(土)午後〜 新一年生おめでとう会。
9日(月)始園式。10日(火)入園式。
13日(金)クラス懇談会。16日(月)新入こひつじの会親睦会。19日(木)午後保育開始。

=ハンドベル=
朝ベル〜毎週火曜日10時半〜。夜ベル毎週木曜日19時45分〜

=ボーイスカウト24団=
<ビーバー隊>
4月8日(日)隊集会「ボランティア!ビーバー(緑化募金)」(平安神宮周辺)、
22日(日)隊集会「昔訪ねて三千里?ビーバー」(寺社巡り)

<カブ隊>
4月8日(日)組集会・緑化募金(平安神宮周辺)、春キャンプ反省会(聖マリア教会)、
15日(日)組集会「野外料理を考える」(聖マリア教会)、
22日(日)隊集会・野外料理・リーダー交代式(百井キャンプ場)

<ボーイ隊>
4月7日(土)備品整理・GB会議(聖マリア教会)、
14日(土)合同班集会・リーダー任命式(聖マリア教会)、21日(土)合同班集会「白い迷宮」(聖マリア教会)。

<ベンチャー隊>
4月5日(木)新人歓迎会(ボーリング)、
14日(土)上進式・隊会議(聖マリア教会)、21日(土)隊会議(聖マリア教会)。

<ローバー隊>
4月14日(土)上進式(聖マリア教会)。


ニュースとお知らせ

=出産=
▽小泉尚子さんが3月13日に無事出産なさいました。3500グラムの元気な女の子です。「凛桜(りお)」ちゃんと命名されました。
▽水野のぞみさんが3月18日に無事出産なさいました。元気な女の子です。「すみれ」ちゃんと命名されました。おめでとうございます。

=堅信式=
3月4日(日)ステパノ高地敬主教をお迎えして堅信式行いました。テレジア山本実瑞紀さん、堅信おめでとうございます。これから共に神様の愛の道を歩んで参りましょう。

=聖婚式=
服部岳さんと鈴木美絵子さんは3月25日、ハワイ・マウイ島、ホノルア教会で聖婚式を挙げられました。おめでとうございます。

=逝去=
当教会にゆかりの深いB・D・タッカー司祭が3月10日に逝去されました。24日(土)、下記で記念式が行われました。
St.George's Church, York Harbor : 407 York Street Me. 03911 なお奥様のお名前は Jean Tuckerさんです。

=しゅろの十字架作り=
3月31日(土)午前10時より、しゅろの十字架作りを致します。ご奉仕としゅろの葉の寄付をお願いします。復活前主日「しゅろの主日」には礼拝の最初にしゅろの十字架を持ち、全員で聖堂内をプロセッションします。

=4月のレクイエム=
4月18日(水)11時から次の方々を記念して逝去者記念聖餐式を行います。他に記念したい方がおられましたらご連絡ください。教籍は問いません。
1日―マリア山岡知代(1961)、
5日―立石静(1937)、
10日―中堀瑞枝(1945)、
16日―ベニヤミン津田雅之介(2001)、
21日―司祭W・J・カスバート(1929)、松田重雍(しげやす1978)、
24日―司祭アブラハム法用繁造(1975)、
29日―続木路南(1971)、ベタニヤのマリア宮西良子(1998)

=聖器みがき=
4月1日(復活前主日)礼拝後、イースターに向けて聖器みがきを行います。ご協力をお願いします。

=イースター早天礼拝に参加しませんか?=
4月8日(日)イースターの早朝、大文字山の山上であさの礼拝を行います。毎年ジュニアチャーチの主催で当教会の伝統行事となっています。朝四時半に教会に集合してください。参加申し込みはありませんので気の向いた方はお出かけください。

=お餅つき大会=
3月18日(日)、昼食後、お餅つき大会を行いました。シニア部門を中心とした有志企画で、始めての試みでしたが、共に楽しい交わりの時を持ちました。


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