月報「コイノニア」
2007年4月号 No.284


《シリーズ・色々な礼拝》
主よ、みもとに近づかん
福音書の方を向いて聴く【4―7月】

司祭 ミカエル 藤原健久

その日、すなわち主の初めの日の夕方、弟子達はユダヤ人を恐れて、自分たちのいる家の戸に鍵をかけていた。そこへ、イエスが来て真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。(ヨハネによる福音書20・19)

  今月から、「シリーズ・色々な礼拝」というテーマで連載したいと思います。マリア教会では様々な礼拝が行われています。日曜日だけでも、最大六回の礼拝が行われています。その他にも平日の礼拝や折々の礼拝、また幼稚園やボーイスカウトで行われる礼拝があります。それぞれの礼拝にはそれぞれの意味があり、教会の中での役割と特色があります。また様々な思いと背景を持つ人々が集われます。このすべての礼拝に参加している人はいません。(牧師である私ですらそうです。)お互いに礼拝の様子を知り、分かち合うために、またそれぞれの意味を少し深く考えて、自らの信仰生活を深めるために、それぞれの礼拝を、また礼拝を構成する要素を、少しずつ紹介したいと思います。
 初めは、丁度始めたばかりでもありますので、「福音書の方を向いて聴く」事について考えたいと思います。本年度の受聖餐者総会の要項に、新たな「針の穴計画案」として私の方から提案したものの一つです。その後教会委員会でも話し合い、「針の穴計画」は別に検討することにしまして、私の案は、牧師からの牧会的指導として皆さんにお勧めすることにしました。復活日より週報の冒頭に書かせてもらっています。
 正に字の通りで、福音書の朗読の時、聖書のプリントから目を離して、耳で福音書の言葉を聞こうと言うものです。目は閉じていても開いていても構いません。手は合掌しても、下で組んでいても、プリントを持ったままでも構いません。「福音書の方を向く」ので、聖歌隊や前の方におられる方は、少し後方(扉側)を向くことになります。朗読者と同じ並びの方は真横に、それより後ろの方は、体を斜めに向けます。後ろになればなるほど、ほぼまっすぐ前を向くことになります。
 この事の意味は、わたしたちが「イエス様をお迎えする」と言うものです。古来より、福音書のみ言葉を通して、イエス様がわたしたちに臨在されるという信仰があります。ですので、目の前にイエス様が来られているかのように、イエス様をお迎えするつもりで、福音書のみ言葉を聞きます。聖書朗読の中で、福音書の時だけ立つのはそのためです。東方教会では、会衆は恭しく身をかがめて、お辞儀しながら聴くのだそうです。ある人が外国の教会の礼拝に参加したとき、皆がお辞儀するのを見て、会衆の一人に何をしているのか尋ねたとところ、「しいっ、今、イエス様が来ておられるんだよ」とたしなめられたのだそうです。
 考えてみれば、わたしたちの聖餐式は、「主イエス・キリストよ、おいで下さい」という呼びかけから始まります。聖餐式全体が、イエス様をお迎えするという態度で貫かれているものと言えるのでしょう。けれども、もっと深く考えてみれば、本当はわたしたちがイエス様をお迎えしているのではなくて、イエス様がわたしたちを迎えてくださっているのではないでしょうか。「おいで下さい」と言っているだけなら、何やら怪しげな“降霊術”のように思われてしまうかも知れません。イエス様は人間の都合によって降りたり上ったりされる方ではありません。イエス様が来られる、というのを、違う視点から考えれば、わたしたちがイエス様のみもとに近づく、となるのではないでしょうか。「イエス様をお迎えしよう」というわたしたちの心の動きは、実は、「少しでもイエス様に近づき、イエス様の愛を実践してゆこう」という新たな決意へとつながってゆくものなのです。



祝 ご復活!

 4月8日の復活日大礼拝では、聖歌隊とハンドベルクワイアのご奉仕のもと、荘厳かつ活気に満ちた礼拝が捧げられました。それに先立つ聖週は大斎節のしめくくり。主イエスがエルサレムに入城され、苦難を受け、十字架上でご自身を献げ、死んで葬られ、陰府に降り、三日目に復活されるまでの激動の日々を記念する一週間として聖マリア教会では特に大切にし、様々な礼拝が行われました。


4月1日(日) 10時45分
復活前主日(しゅろの主日)
 しゅろの行列と聖餐式

 礼拝の最初に、礼拝堂前室に集合し、聖歌を歌いながら、しゅろの枝を手に聖堂内を行列しました。これは、主のエルサレム入場を記念するためです。福音書は主の受難物語が朗読され、登場人物ごとに役割分担をしました。この日は説教はなく、司祭の黙想講話の後、「十字架を前にして、自分はどこにいるか」を思いながら、黙想しました。

2日(月)〜4日(水)
7時 聖餐式 19時 晩祷

5日(木)聖木曜日 7時
   聖木曜日朝の礼拝

 洗足式では、3名の方が足を洗われました。聖餐式の中で、ご聖体を保存し、式後、フロンタル等、祭壇の飾りを全てはずし、十字架も布で覆いました。この日の黙想は、主がゲッセマネの園で祈っておられたとき、弟子達に「眠らずに私と共に祈りなさい」と言われたことを思い起こして行うものです。聖書と詩編と黙想の組み合わせを10回行うもので、約一時間の黙想でした。今年は英国人のダニエルさんが、英国の祈祷書持参で参加され、詩編は司祭と一節ずつ、日本語と英語で交唱しました。

6日(金)聖金曜日 7時
朝の礼拝(保存聖体拝領)

 この日は一年で唯一、聖餐式を執行することができない日です。前日に保存しておいたご聖体を頂きます。


6日(金)聖金曜日 正午
京都伝道区合同受苦日礼拝
(於・主教座聖堂
  〔聖アグネス教会〕)
 例年通り、伝道区合同礼拝が行われました。


6日(金)聖金曜日 19時
  聖金曜日夕の礼拝
(十字架の主に対する崇敬と賛美)]

 司祭手作りの木の十字架(ほぼ等身大)を聖卓前に設置し、礼拝しました。ヨハネ福音書の18〜19章のとても長い受難物語が朗読されました。代祷では、世界中の様々な課題を、日頃より丁寧に取り上げしました。

7日(土)聖土曜日 七時
  聖土曜日朝の礼拝
   ・嘆願・聖餐前式

 朝の礼拝の最後で嘆願(祈祷書九八ページ)を用いました。嘆願は、主日礼拝で用いることは殆どありませんが、聖公会の大切な伝統的祈祷です。大斎節中は、毎日夕の祈りの後に嘆願を用いました。

7日(土)聖土曜日 23時
イースター・ヴィジル
復活のろうそくの祝福・
洗礼の約束の更新・復活の
聖餐式

 黙想の後、聖堂を真っ暗にし、復活のろうそく(パスカル・キャンドル)を祝福し、点火しました。その火を用いて会衆のろうそくにも点火し、キャンドルサービスを行いました。その後、復活日の最初の聖餐式を祝いました。久しぶりに歌う「大栄光の歌」に、心が震え上がりました。この日、洗礼の約束の更新も行いました。古代の教会ではこの日しか洗礼が行われませんでした。そのことを覚え、洗礼の時の誓いを思い起こし、信仰を新たにしました。礼拝後、大斎節中の節制が解かれ、早速おやつをほおばる姿も見られました。


8日(日)復活日
4時30分 (教会発)
  ジュニアチャーチ
     大文字早天礼拝

 「朝まだ暗い内に」墓へと急いだマリアたちに思いを馳せながら、行われる恒例の復活日早天礼拝です。早朝から頑張ったジュニアチャーチのメンバー達が、その後の、大礼拝でも礼拝の奉仕をしてくれました。眠たかったでしょうに、ご苦労様!

8日(日)復活日
    7時 早朝聖餐式
    8時 英語聖餐式

 いつもは参加者の少ない早朝の礼拝も、復活日には、いつもの倍ほどの兄弟姉妹(それぞれ約10名ほど)が集い、主のご復活を祝いました。英語礼拝には、外国から旅行中の方も、「是非、イースターを祝いたい」と、インターネットで調べて来てくださいました。英語の勉強を兼ねた高校生達も、参加してくれました。礼拝後の朝食も、和気あいあいと楽しく過ごしました。

八日(日)復活日
9時30分、日曜学校

 この日は礼拝だけで分級はお休みです。入学式を行いました。前日の卵作りも子ども達の奉仕でした。ありがとう。


5日(日)復活日
10時45分 主要聖餐式

 約130名の出席でした。式中、クリストファー西岡宋真ちゃんの洗礼式も行われ、喜びがより深まりました。この日は、新聖歌集の使い初めでした。祝会は、持ち寄り形式の昼食会が行われ、朗らかな司会と共に、音楽の演奏、クイズ、ゲーム等で、盛り上がりました。

9日(月)〜15日(日)
オクターブの聖餐式、晩祷

 早朝聖餐式では、様々なご復活の場面を記した福音書が朗読されました。


聖マリア幼稚園コーナー

『満開の春の中での進級・入園』

 暖冬と言われ続けていたのに、神様はやはりご自分の創造された命には、しっかりその時をお与えになったのでしょうか。何とも嬉しい進級・入園の式となりました。
4月9日には花3人・赤16人・緑18人の36人が桜の下で進級写真を撮りました。10日には花18人・赤二人の21人と昨年途中入園のお友達が、各々の保護者の方々と共に入園式の写真を撮りました。そして、今3週間が過ぎようとしています。一一日からの一人登園が始まった時は、子供たちのどの顔にも緊張感が漂っていました。一つ大きくなったと言っても、それは必然的な事で、子供達の内実は緊張のほか何ものでもありません。しかし緑組になった子供たちは、玄関での花組へのお世話も日ごとに上手な声かけになって行きました。赤組はまず自分で何でもやってみなければならなくなり、自立から自律への道を歩み始めています。花組はといえば、一人で関わる集団生活が始まり、お母さんと離れがたく涙する子供達も数人。一人で行く事は判っているのだけれど、幼稚園が楽しい事は知っているのだけれど・・・。でもこの感情はどうしようもないのですね。とても可愛いものです。泣いているのに、その日の全てを家で話す子供たちがいるのは、如何に興味を持って新しい場を捉えようとしているかなのです。花組でしっかり自分を出し切って毎日を過ごす中で、少しずつ「ルール」「善悪」「我慢」などを学びつつ、この園で大切な「お祈り」を知って「神様」との出会いを素直に受け入れて欲しいと願います。自分の有りようを認めながら、人を認める。小さいからこそ、その出発の時点から「心育て」が大切なのでしょう。まさしく「すくすくと」の今年度の主題のように素直に神様に育てて頂けるように祈ります。また今年度より、「母の会」を改称し「こひつじの会」となり保護者全員が子育てに関心を持って頂けるような会へと移行して行きます。初代会長は「お父さん」実務はお母さんが代行。ご夫婦での話し合いをもってご快諾頂きました。そして新しく「メリーちゃんサークル」を立ち上げます。教会委員会でもご承認頂き、pre-pre入会以前の親子を対象と致します。子育て支援といわれますが、その基本は子供たちを交えてのお母さん同士の「情報交換の場」の提供ではないでしょうか。月1回10時〜12時、出入り自由、無料です。場・遊具・お湯などを準備致します。子育ては大変!との思いが少しでも緩和され、子育ては楽しみ!と思って頂けるように、地域解放の子育て支援として当園が一役を担う事が出来ればとの考えです。藤田・菅原が担当しますが、法子先生にもお助け頂けるのは、この場にある園として大きな感謝です。また卒園児の保護者もお手伝い下さる予定です。受けて下さっています。様々な関わりの中でお腹の中に在る時からの子育てに、当園が少しでもお力添えが出来れば嬉しい限りです。今年度も、教会の皆様には何かとお世話になります。どうぞよろしくご協力くださいますようお願い致します。いつでも幼稚園をお訪ねください。園長 ルデア菅原さと子


各部のお知らせ

=婦人会=
5月27日(日)13時半〜 一部 礼拝、二部講演『目には目を。歯には歯を。』(イスラム教の思想) 講師:立石昭三先生、三部 各報告 どなたでもご参加下さい!

=日曜学校=
4月27日(金)午後5時〜 教師会。5月6日(日)お誕生日会。

=ジュニアチャーチ=
5月6日・20日(日)午前10時〜朝の礼拝。午後1時〜ミーティング。

=青年会=
4月29日(日)昼食当番。次回ギター講習会未定。

=幼稚園=
4月28日(土)〜5月6日(日)休園。10日(木)園児大会(緑組のみ)参加。
15日(火)・17日(木)グループ会。19日(土)平常保育(午前のみ)・こひつじの会総会。
21日(月)〜25日(金)家庭訪問。23日(水)メリーちゃんサークル。

=ハンドベル=
朝ベル〜毎週火曜日10時半〜。夜ベル毎週木曜日19時45分〜。

=ボーイスカウト二四団=
各隊とも進入隊員募集中。詳しくは南育成会長まで。


ニュースとお知らせ

=洗礼式=
4月8日(日)聖餐式中にクリストファー西岡宋真ちゃんの洗礼式が行われました。教父母:佐々木亨さん、佐々木まゆみさん、前田潤さん。

=入籍=
マリア浦地恭子さんの教籍を四月一日付で、聖アグネス教会より入籍しました。

=週報変更=
週報の構成とサイズを変更しました。如何でしょうか。ご意見下さい。信徒の方には予めメールボックス・状差しに入れておきます。(世帯ごと)そちらからお取り下さい。

=神学生実習勤務=
ウィリアムス神学館より、出口崇神学生が4月21日より当教会での勤務を開始されました。よろしくお願いいたします。

=5月のレクイエム=5月15日(水)15時から次の方々を記念して逝去者記念聖餐式を行います。他に記念したい方がおられましたらご連絡ください。教籍は問いません。
1日―ルツ中山わい(1994)、
2日―ユニケ速水富子(1984)、
3日―速水経清(1967)、
4日―上羽たつゑ(1996)、6日―本多栄(2002)、*ステパノ片岡鉄治(1947片岡霊恵弟)、
8日―司祭ヨハネ長谷川道夫(1982)、
10日―木村豊山、
12日―ヤコブ江見猛(1955)、アンナ佐々木キタ(1992)、
17日―星野光謙(1955)、司祭テモテ飯田佐徳(1974)、ヨハネ岡村俊介(1995)、水本千代子(2002)、
18日―*マルコの母マリア牧口ヒロ(2001浦地愛祖母)、
20日―ヨハネ白神三郎(1951)、
27日―プリスキラ中島三重子(2006)、
30日―江見芳子(1955)、笠井シズエ(1997)、マリア速水彩子(2006)、*小川嵯五郎(1951尾崎泰子父)

=マリア・ミサ=
4月29日主要聖餐式に於いて、マリア・ミサ曲による文語唱詠聖餐式を行います。

=省エネにご協力ください=
省エネを心がけましょう。電気、空調等のスイッチ切り等励みましょう。(教会委員会より)

=教区・リーダー研修会=
29日(日)午後六時より、奈良キリスト教会で教区・リーダー研修会が行われます。夏の教区キャンプに向けての準備です。参加される方は牧師まで。


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