月報「コイノニア」
2007年12月号 No.292


いやしの礼拝

「病人訪問の式」
   (祈祷書323頁以降)、他。

司祭 ミカエル 藤原健久

 四人の男が中風の人を運んできた。しかし、群衆に阻まれて、イエスのもとに連れて行くことができなかったので、イエスがおられる辺りの屋根をはがして穴をあけ、病人の寝ている床をつり降ろした。イエスはその人たちの信仰を見て、中風の人に、「子よ、あなたの罪は赦される」と言われた。            (マルコ2・3―5) 

 英国に留学されていたある司祭さんから伺ったお話です。英国聖公会では近年「いやしの礼拝」が積極的に実践されているそうです。定期的に時間を決めて、病人と家族、介護者が教会の礼拝堂に集まります。時間になると、観光名所の大聖堂でも、門を閉じ、関係者のみになります。そこで行われるのは、従来より祈祷書に載せられている「病人のための祈り」です。けれども司祭はその礼拝を、心を込めて、丁寧に行うのだそうです。集まった人々は、時に涙を流しながら、共にお祈りをします。そこでは、奇跡的な癒しは、まず発生しません。けれども、礼拝の終わりには、皆の心が力付けられ、慰められ、再び治療に励む力が与えられるのだそうです。
 日本聖公会にも「いやしの礼拝」とも言えるものがあります。それは祈祷書の「病人訪問の式」です。これは「訪問」「信仰と祈りの勧め」「懺悔の勧め」「聖餐」「病人(病児)の按手」「塗油」から成っています。内容は、通常の礼拝と変わりなく、聖書のみ言葉と祈り、司式者と会衆(病人)との応唱などです。式名にもあるように、基本的には司祭が病人の家や病室を訪問して行う式です。これは病気で寝込んでいることを思えば当然ですが、外出が可能でいつも教会に通っていても、持病を抱えている人もいますので、教会の礼拝堂で行うことも可能だと思います。
 これらの式は、決して「魔術」や安易な「奇跡」のようなものではありません。あくまで礼拝であって、神様への信仰を深めるためのものです。病気に立ち向かうには、体の症状への治療が必要なのは当然ですが、心のケアも必要です。「頑張って治すぞ」という思いがあれば治療も早く進むでしょう。人間を単純に「心と体」に二分して理解するのは宜しくないのですが、この祈りは、主に病人の魂を力付け、医療者の治療と協力し、病人の癒しを求めるものと言えるでしょう。
 この礼拝には、病の「重い、軽い」は関係ありません。本人が求めれば行うことができます。小さな病気でも、本人が不安を感じるのであれば行いますし、客観的に見て大きな病気でも、本人が必要ないと思うのであれば、必ずしも行わなくても構いません。特に「塗油」は、「死の直前に受けるもの」という「誤解」があるように思います。小さな病気でも受けることができますし、また何度も受けることができます。またクリスチャンでなくとも受けることができます。祈祷書にも「塗油による主の恵みは、これを望すべての人に与えられる。病人が希望するときには、司祭はこの式を行う」と、明記されています。必要なときにはいつでも司祭に申し出てください。また司祭からお勧めすることもあります。その時には、どうぞ前向きに捉えてご検討下さい。
 これらの他にも、祈祷書「諸祈祷」中に、「病人、病児、手術を受けるもの、妊婦、産婦」の
ための祈りがあります。また「感謝」の中には「産後、病気が治ったとき」のための祈りがあります。これらは随時に、誰でも用いることができます。(祈祷書128頁以降)。また日曜日や毎日の礼拝の中でも、病を負う方のお名前を挙げてお祈りしています。



Merry Christmas !

 聖マリア教会のクリスマスは、他の教会では類を見ないほどたくさんの礼拝が行われます。ここではその一部であるクリスマス礼拝を紹介させていただきます。


22日(土)16時 日曜学校クリスマス礼拝

 日曜学校も幼稚園の卒園生を中心にその学校の友達などを集めてたくさんの子どもたちが集まりました。子ども約40名(幼稚園〜小5)、大人交えて約60名が参加。司祭の聖話「忙しすぎる宿屋さん〜おっさんのクリスマスパート3」。その後幼稚園ホールで楽しいゲーム大会。サンタさんにプレゼントを頂き、楽しい時間を過ごし、おのおの家路につきました。


23日(日) 10時45分 降臨節第四主日(主要聖餐式) 総員礼拝・祝会

 23日(日)の礼拝は降臨節第四主日(紫)として守りました。約140名(記名が120名強)が参加し、聖歌隊、ハンドベルクワイアがご奉仕しました。
 礼拝後一足早いクリスマス祝会。お馴染みの持ち寄り形式で、腕に縒りをかけたごちそうが並びました。聖マリア幼稚園の子ども達のお祈りで会を始め、ゲーム等で楽しいひとときを過ごしたあと、子供たちお待ちかねのサンタさんも登場しました。

23日(日)18時 ジュニアチャーチクリスマス礼拝

 中高生(ジュニアチャーチ)は夜の礼拝を献げ、その後ホールでパーティーを行いました。料理は高校生たちの手作り。早くから集まって用意をし、おいしくいただいて楽しくゲームをして過ごしました。

24日(月・祝)13時 ボーイスカウトクリスマス礼拝

 ボーイスカウトもクリスマス礼拝。凛々しい制服姿で聖堂が満員になりました。
 その後、幼稚園ホールでゲーム等満載の楽しい会を持ちました。

24日(月・祝)14時30分 聖歌隊有志キャロリング

 十数名の聖歌隊が参加して、バプテスト病院のホスピス病棟と一般病棟数カ所で、数曲ずつ歌いました。静かにホスピス病棟の個室の扉を開ける人、腕に点滴を受けながらお父さんに抱っこされている子、お腹の大きいお母さん、生まれたばかりの赤ちゃんを抱っこするお母さん、階を移っても「もう一度聴きたい」とエレベーターで先回りする方もおられました。
 その後、松本時子さん宅でもキャロリングをしました。

24日(月・祝)19時30分 クリスマスイブ・キャンドルサービス

 クリスマスイブに行われるキャンドルサービスは「九つの日課による唱詠晩祷」。聖書朗読・黙想講話と黙想・お祈りを各日課ごとに行う聖マリア教会独特の形です。約120名参加(聖歌隊含む)で、聖堂に響き渡る聖歌隊の歌声とともに、蝋燭の光のもと、荘厳な礼拝を捧げました。

24日(月・祝)23時30分 降誕日第一聖祭(深夜聖餐式)

 24日深夜の聖餐式は降誕日第一聖餐式です。約30名の出席で盛況でした。教会員だけでなく、一般の方も大勢お見えになりました。

25日(火) 降誕日7時 第二聖祭(早朝聖餐式)
25日(火) 降誕日8時 英語聖餐式

 25日早朝の降誕日第二聖餐式は四名が参加。外国人旅行者からの問い合わせが多い英語聖餐式は8時から。神学生が、もうすぐ留学する青年を誘ってきてくれました。

25日(火) 降誕日10時45分 第三聖祭(主要聖餐式)

 降誕日の主要聖餐式は平日のため少々こぢんまりとしたアットホームな礼拝になりました。約20数名参加。礼拝後、祝会の残りのお菓子や、参加者が創ってきてくださったおにぎり、サンドイッチ、司祭の手作りパンなどで、腹ごしらえ。その後、お掃除。礼拝堂のロウなどをこそげ取り、きれいにお掃除までしました。



聖マリア幼稚園コーナー

『クリスマス・ページェント』

 ひと言で表現できない感動を幾度子ども達からさせてもらったでしょうか…。メインキャストを務める緑組(年長児)の子ども達(入園したその日や、それぞれの思い出や思い描いていた成長の姿を…目の前にしたら)。一人ひとりの子ども達のそれぞれのマリアでの歩みが走馬燈の様に甦り、思わず涙が込み上げるのです。「あんなに甘えん坊やったのにね、まあ立派に」「練習では、何回園長先生に叱られたかわからんかったのに…よう出来てるがな」「よかった、本当によかった」「大きくなったな〜、嘘みたい…」先生達の心の声が聞こえてくる様です。もちろん子ども達と私達教職員だけの感動ではありません!会衆席においで下さった子ども達のご家族の皆様も、同様に終始緊張感を持って暖かい眼差しで見守っていて下さいました。小さな弟妹ちゃん達は長い時間を頑張って!歴代メインキャスト経験者の小学生も自らの思いと重ね合わせながら…歌を思わず口ずさんでいました。そして、二階から素晴らしい歌声を響かせて下さる「こひつじの会」の有志のコーラスのお父様・お母様方、子ども達と同様一生懸命に練習を重ねて下さったお母様方、お仕事の合間をぬって貴重なお休みに足を運んで下さったお父様方。毎年その歌声に胸が一杯になります。またそのコーラスをお子さんが卒園されても尚、「私は、卒園させてもらえへん〜。」と言いながらも、指導し支えて下さり、美しい声を聞かせて下さる教会信徒(ご本人も卒園生)の吉村由理さん。「私は小さい羊飼い〜♪あれが好きでな〜。」と言いながら、極度の緊張に喉を乾かす緑組がいつでもお茶が飲める様にし、裏を整理したり…の裏方ご意見番の久保田栄三さん、「今年は、なっちゃんがいいひんからな〜。」と思っていたら何と突然帰国!もちろんお手伝いに来てくれた、卒園生で教会信徒の藤原なっちゃんには、子ども達も初対面が嘘の様にすんなり親しんで、花組(年少児)のおトイレ係を任せました。奏楽の練習を何度も心配して見に来ては、愛の叱咤激励を下さった教会信徒(卒園生保護者でもあります)末松玲子さん。『クリスマス・ページェント』と教会信徒で旧職員の速水佳子さんの書いてくださる毛筆の看板の前で何人が記念撮影をしたでしょう。みんなみんなに支えて頂いて、みんなみんなが喜んで、みんなみんなで感動して…神様、有り難うございます。聖マリア幼稚園では、毎年こんな幸せなイエス様の御誕生をお祝いします。「クリスマスおめでとうございます」主に感謝。         (教諭 リベカ 浅間麻衣)


各部からのお知らせ

=婦人会=
1月27日(日)婦人会例会 一部 礼拝、二部 活動諸報告

=日曜学校=
1月13日(日)三学期スタート。22日(火)午後8時〜 教師会。

=ジュニアチャーチ=
1月20日(日)・2月3日(日)午前10時〜朝の礼拝。午後1時〜ミーティング。

=幼稚園=
1月9日(水)三学期始業。10日(木)pre-pre school三学期開始。杉の子劇団鑑賞会。
11日(金)出初め式参加。15日(火)振替休日の為休園。19日(土)おもちつき。
21日(月)演劇鑑賞(京都会館)。23日(水)メリーちゃんサークル。
28日(月)〜30日(水)個人懇談会。31日(木)新入園児半日入園。

=ハンドベル=
朝ベル毎週水曜日10時半〜。夜ベル毎週木曜日19時45分〜。

=ボーイスカウト24団=
<ビーバー隊>1月20日(日)隊集会「もちつきだ。ビーバー!」(聖マリア教会)。
<カブ隊>1月13日(日)組集会「創作もちメニュー」(聖マリア教会)、
1月20日(日)隊集会「創作もち大会」(聖マリア教会)。1月27日(日)組集会「スキー準備」(聖マリア教会)。
<ボーイ隊>1月12日(土)・19日(土)・26日(土)合同班集会「夜の冒険」(聖マリア教会)。
<ベンチャー隊>1月12日(土)・199日(土)隊会議「スキーバス準備」(聖マリア教会)。
<団>1月11日(金)団会議(聖マリア教会)、12日(土)団委員会(聖マリア教会)。13日(日)女子駅伝奉仕。
●各隊とも新入隊員を募集しています。見学・体験入隊も随時行なっていますので興味のある方はお問い合わせください。またリーダーも募集しています。担当=吉村伸(組織拡張団委員)


ニュースとお知らせ

=命名=
11月30日に誕生した谷祐子さんの赤ちゃんは、玲香(れいか)ちゃんと名付けられました。

=名簿の変更=
▽和泉淳子さんの住所が変更になりました。教会へお問い合わせください。
▽沢辺栄里さんと丹悟くんの姓が、旧姓「浜野」に変わられました。

=2008年度教会委員=
12月25日に選挙の開票が行われ、2008年度の教会委員、教区会代議員が決定しました。
(五十音順、敬称略)
《教会委員》12名
浦地愛、小林格子、佐々木亨、菅原さと子、辻法子、續木創、新實康男、野嶋久暉、野本武、服部卓爾、福原正和、吉村伸、(補欠)末松玲子、西逸郎、立石昭三、
《教区会代議員》2名
佐々木亨、野嶋久暉、(補欠)服部卓爾、辻法子、新實康男、
どうぞ、よろしくお願いいたします。なお第1回教会委員会(新旧合同)は1月20日に行います。同日聖餐式中で、任命式を行います。

=1月のレクイエム=
1月16日(水)11時から次の方々を記念して逝去者記念聖餐式を行います。他に記念したい方がおられましたらご連絡ください。教籍は問いません。
4日―*福原工(1957福原、新實父)、
8日―*宮西多喜(1988大岡みゆき叔母)、
12日―ローレンス澤村愛策、
13日―*山下トシ子(2000續木智子)、
14日―*ベルナデッタ加藤英子(1996尾崎泰子妹)、*山田ヨネ(1975佐々木富美子母)、
17日―太田福造(1973)、ヨナタン源豊宗(2001)、
22日―源里恵(1945)、
23日―谷絹(1984)、
31日―篠原勇(1991)、*ハンナ木田有美(2007續木智子姪)。

=クランツ、台の覆い作成=
降臨節を前にした11月末、クランツを藤田尚子さんが、台の覆いを吉田栄子さんの指導の元に数名の方が刺繍して、作成してくださいました。

=神学生二学期実習終了=
12月9日(日)で出口神学生の二学期の実習が終了しました。三学期は1月20日から実習されます。

=子どもプロジェクト=
原則毎主日、子どもプロジェクトが開始されています。ご奉仕下さる方は、藤原司祭、または吉田栄子さんまで。

=ハンドベル・コンサート=
12月2日(日)夕方より、礼拝堂にて林姉率いる、平安女学院OGのハンドベルクワイヤーが演奏会を行いました。

=芦生キャンプ場冬支度=
12月8日(土)から9日(日)にかけて、ボーイスカウトを中心に芦生の冬支度を行いました。雪深い美山の冬にそなえて小屋に柱を立てたり、トイレを汲み取ったり、溝を掘り直したりと、大変な作業をしてくださいました。お疲れさまでした。

=婦人会例会=
12月16日(日)婦人会例会では、第一部の礼拝に続いて、第二部では、社会福祉法人、京都いのちの電話事務局長、平田真貴子さんのお話を伺いました。

=成人の集い=
来年1月6日(日)は、幼稚園のホーム・カミング・デイ(20歳を中心とした同窓会)を行ないます。また同日に教会の成人式も行います。聖餐式中に祝福のお祈りを致しますので、今年聖人される方は是非ご参加ください。

=ハンドベル練習時間変更=
朝ベルを、毎週水曜日、午前10時半からにします。関心のある方はご参加下さい。林さん、藤原司祭まで。

=クラシックCDミニバザー=
深見和弘さんが、ご両親の集めておられたクラシックのCDを寄贈されました。礼拝音楽委員会が扱ってみなさんに持ち帰っていただき、献金をお願いし、オルガン献金の一部にしたいと思います。ご協力お願いします。


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