月報「コイノニア」
2008年4月号 No.296


《シリーズ・色々な礼拝》
ほんまもん
  ジュニア・チャーチの礼拝
  (第一・三日曜日、午前10時から、主聖堂にて)

司祭 ミカエル 藤原健久

主はわたしに言われた。「若者にすぎないと言ってはならない。わたしがあなたを、誰のところに遣わそうとも、行って、わたしが命じることを全て語れ。彼らを恐れるな。わたしがあなたと共にいて、必ず救い出す」と主は言われた。                (エレミヤ一・7-8)


イースターの早朝も重い祈祷書と聖書をもって
大文字の山上で朝の礼拝を献げました。

 マリア教会で行われる礼拝の内、私が司式しない礼拝の一つが、ジュニア・チャーチの礼拝です。なら、誰が司式するかと言えば、ジュニア・チャーチの主役である、中高生たちです。
 私がマリアに来て驚いたのは、中高生たちが自主的に礼拝を行うこともさることながら、その礼拝の内容が、祈祷書の「朝の礼拝」だということでした。つまりは、語弊を恐れずに言うなら「本物の」礼拝を、子どもたちが行っているのです!祈祷書の繰り方は、大変複雑です。まず一頁から始まる「教会暦」で、今日が「〜節、第〜主日」であるか確認します。次に511頁の「聖書日課・詩編」で、読むべき聖書と詩編の箇所を確認します。「朝の礼拝」式文は一八頁から始まります。最初の「聖語」は46頁でその期節に合ったものを選びます。詩編は660頁からです。第一日課は、あの分厚い旧約聖書を開けます。それも聖餐式と違い、一頁から一頁半ほどある長い箇所を朗読します。使徒信経の後に、172頁の言葉を用いて献金を捧げます。特祷は199頁、諸祈祷は108頁以降にあります。139頁の感謝の祈りを皆で唱え、35頁の祝福まで、中高生が司式します。つまりは、祈祷書をあっちこっちと、縦横無尽に開けて必要な箇所を唱え、なおかつスムーズに礼拝を進行させなければならないのです。その上、聖歌を選び、ろうそくを灯し、立ったり座ったりの説明を会衆に行うのです。このややこしい作業を、牧師や神学生ではなく、中高生が行っているのです!これは、真に驚くべきことであり、リーダーの的確なご指導なしにはあり得ないことであり、教会として誇るべきことです。
 このような祈祷書に基づいた礼拝は、随分以前から行われている伝統なのだそうです。この「本物」の礼拝に出会わせることが、子どもの人数が少なくなる中でも、独立したジュニア・チャーチを維持できている秘訣なのかも知れません。
 中高生のころは、体の劇的な成長と共に、精神的にも大きく成長し、その分、「子ども」の頃とは違う悩みに直面したり、将来への不安を覚えたり、何かと不安定になる時期です。その分、「真実」を見極める感性は鋭くなり、「大人」の嘘やごまかしを見抜き、それらを嫌います。それが「反抗」につながります。けれども彼らは、「反抗」を通して「本物」に出会おうとしているのです。
 自分に向けられた温かい言葉は、本当に自分を思ってのことなのか、教会の教えは信頼できるものなのか、信徒の交わりは表面的なものではないのか、そして、聖書の神は本物の神なのか。彼らは本物の愛を、本物の神を求めて教会に来ています。
 「教会に来た中高生たちが、寂しい思いをしないように」と、第一、三主日を「死守」する思いで礼拝を守ってくださっているリーダーたちに、敬服いたします。どうぞ、皆様も礼拝に参加してみてください。中高生たちの唱える祈りに導かれ、中高生たちと共に、そして中高生たちのために、お祈りをお捧げ下さい。中高生たちと一緒に、本物の神様に出会う喜びを求めたいと思います。


婦人会3月・4月例会より

京都教区セクシャル・ハラスメント委員会って?

京都教区セクシャル・ハラスメント委員  マーガレット 浦地 愛

 先日、3月・4月合同婦人会の場で、京都教区セクシュアル・ハラスメント(以下S・H)防止委員会でどんな事をしているのか、また、その中で私が感じた事などの話をさせて頂く機会が与えられました。婦人会での話と重複しますが、再度この紙面でまとめてみたいと思います。
 2006年四月に第一回のS・H防止委員会(その時点ではまだ【S・H防止・相談委員会】)が開かれました。京都教区内で起こった元司祭によるS・Hについての経緯を聞く事から始まりました。ほぼ毎月一回のペースで開かれた委員会は男性2名、女性6名(内、聖職者2名)で構成。S・Hの被害を受け、その為に信仰を妨げられる人(子ども)が相談する事が出来る事を周知するためにパンフレットを作成する事が当面の目標でした。が、そのために・・・、相談者が相談するところから問題が解決するまでの流れ(フローチャート)、S・Hの防止指針、S・H防止委員会規程、S・H相談窓口に関する規程、S・H調査委員会に関する規定、相談受理方法、等々、当然の事ながら基盤を固めておかないといけない事が山のようにあり、パンフレット作成と同時に、細かい文言で頭を抱えながら委員会が進んで行きました。また、2007年6月頃、相談員へ常置委員会より依頼状を送付。相談者が「知っている人だから相談しやすい場合」と「知っている人だからこそ知られたくない場合」との両方のケースが考えられる事などから、各伝道区より一人ずつに相談員としてお願いしました。そして、実際に相談の受け方等を私達も一緒に研修会の中で学びました。そんなこんなで、2007年11月2日に文書による申込で、電話(二日間限定)で相談の申込を受ける事が出来るようになりました。インターネットを通して申し込みが出来るようにホームページも11月2日から開設しました。
そのような中で、専門的知識も何もない私が感じ、学んだ事。それは・・・、
@[褒め言葉]も嫌な人から言われるとS・Hになってしまう事。教会では特にありがちな会話です。「きれいになったね〜」とか「大人っぽくなったね〜」など。単純に褒め言葉ととるかS・Hととるかはその人たちの人間関係次第なんですね。
A第三者も被害者になるんです!言った(行動した)本人も言われた(された)本人も何も意識していなくても、それを耳にした、または目にした第三者が嫌な思いをしたなら、それはS・Hになるそうです。そうなったら、実際に言われた人も加害者側。これも教会ではありがちな気がします。
B第二次被害の怖さ!S・Hにあっている人から相談を受けた時、何も考えずに「気のせいやって・・・」「そんな事あるはずがない。」等と言ってしまいそうになります。私自身、実際委員会に関わっていなかったら、言ってるかもしれない言葉です。でもこの言葉によって、せっかく勇気を出して相談してくれた人は第二次被害を受ける事になるのです。「あなたは悪くないよ」と相談者に言ってあげる事が大切と教えて頂きました。誰もが無意識に加害者になりそうな瞬間です。
CS・H防止委員会に関わらせて頂いてから、研修会や本等で被害を受けて苦しんでいる方の姿を耳にするようになりました。それまでは、冗談で「セクハラや!」と軽く言ってた[セクハラ]という言葉。本当に苦しみ悩んでいる人を思うと、軽々しく「セクハラ!」と言いにくくなっている自分がいました。
 2008八年になり、S・H防止委員会の委員もほんの少しだけ入れ替わりがありました。今年は、リーフレットの作成、啓蒙活動、研修会等、やはりしなければならない事がたくさんあるようです。一般社会とは違い、『教会ならでは・・・』のS・Hが大なり小なり確実にあります。でも『教会だからこそ』小さい事でもあってはいけない事です。教会玄関に左のパンフレットを置いています。パンフレット表紙のように、周りに本当は心の中で泣いている人がいないか、周りに嫌な思いをさせていないか・・・少しでも意識して頂ければ幸いです。S・Hで嫌な思いをしている人、悩んでいる人、苦しんでいる人たちの思いが少しでも楽になりますように。


聖マリア幼稚園コーナー

この地で100年目を迎える新年度

 神様は、この岡崎に100年目の永きに亘るお導き・見守りを私達に与えて下さる事に感謝します。教会の幼稚園として子ども達を備え、信徒の方、ご近所の方に守られ、多くの先生が遣わされて「今も在る」事に、卒園生の一人である私は何にも代え難く嬉しい事です。キリスト教精神を基盤に神様からの賜物として子ども達を真に受け止めたいと願い、家庭との連携で子供の心に寄り添う、そんな幼児教育が開園以来踏襲されてきました。いつの時代も子ども達自身は変わる事なく成長し続けます。しかし、変遷めまぐるしい世の中で文科省の教育要領の改訂、また今回、学校教育法で幼稚園の存在が一番初めの「学校」に位置付けされました。更に自己評価や学校評価なども義務化され、資質向上を目指して教員の免許更新性も導入されます。自身が問われ、幼稚園も研修の機会を持つ責任を課せられます。等「今の幼稚園」の現況をお知らせしたいと思いました。しかし、当園の基本的な方向性は先達の教えを守り続けて、新たに導入した内容は教会の方々にもお伝えしてきました。そしてこの新年度には、二〇〇七年度を振り返る事と評価という視点から、保護者の方々に昨年度の幼稚園全ての視点を捉えて頂き、記載自由のアンケートを取らせて頂きました。A4-4面をお渡したところ回収率六三%で沢山のご意見を頂戴しました。そして全文の一言一句を纏め、幼稚園として改変可能な内容を記し、進級児の保護者の方々に配布致しました。教職員はその内容を謙虚に真摯に受け取り、保護者の方々には、自分とは違う視点で捉えられる方の存在を知って頂けたのは、何よりも素晴らしい事だったと思います。私達には勇気が要りました。が、保護者の方に迎合する事ではなく、その思いを受け取らせて頂く事で、双方での多くの理解と協力が得られ、子ども達の育ちに良い影響を及ぼすのだと思います。そんな気持で始まった今年度も三週間が過ぎようとしています。例年の様に泣く、帰りたい!と訴えていた子ども達も慣れ始め、本格化する連休後はどうなるのか楽しみです。今年度の花組24人(小花1人)、赤組19人、緑組14人、pre-pre schoolは6名です。新年度の緑組の小さいお友達への関わりを通し、縦の繋がり、育ちの大切さを改めて認識し、踏襲してきた当園の保育形態の重要さを再認識・再確認する次第です。最後に今年度の担任をご紹介しましょう。緑組:生谷朋子(主任)/赤組:団聡子・赤緑の補助に山岡慶子/花組:浅間麻衣と河内舞、補助に野村美由紀/pre-pre:藤田尚子/事務:浦地愛/藤原チャプレンと園長の10人です。全て違う子ども達です。「子供は可愛い!」そこから出発する当園の先生達です。子ども達と心を繋ぐのもあっという間です。こひつじの会役員の方も決まりました。この一年間の子ども達の素晴らしい成長を、日々感謝のうちに神様に委ねたいと思います。
 園長 ルデア 菅原さと子



各部のお知らせ

=婦人会=
5月11日(日)午後2時〜 京都伝道区婦人会『意見交換会』於:聖ヨハネ教会。
23日(金)五月婦人会例会 一部:礼拝、二部:親睦お食事会 於:『洛翠』。六月六日(金)〜七日(土)京都教区婦人会大会 於:ホリディ・イン京都。講師:大郷博氏、〆切: 5月3日。

=日曜学校=
4月27日(日)分かち合いの礼拝。5月4日(日)4・5月生まれお誕生日会。
10日(土)春の遠足『大文字山へ』。16日(金)午後8時〜教師会。18(日)子ども聖歌隊。25日(日)お休み(遠足の代休)。

=ジュニアチャーチ=
4月29日(火・祝)午前10時より『春の大パーティー』。
5月4日(日)・18日(日)午前一〇時〜朝の礼拝。午後一時〜ミーティング。

=青年会=
6月29日(日)昼食当番。

=幼稚園=
5月8日(木)五歳児園児大会(於:植物園)。17日(土)保育あり=こひつじの会総会(於:礼拝堂)。
19日(月)代休(総会のため)。20日(火)・22日(木)・23日(金)家庭訪問(新入園児のみ)。
21日(水)フットサル教室(緑組のみ)。28日(水)メリーちゃんサークル・教職員会議。

=ハンドベル=
朝ベル毎週水曜日10時半〜。夜ベル毎週木曜日19時45分〜。

=ボーイスカウト二十四団=
<ビーバー隊>
5月11日(日)ビーバー集会「ビーバーランド準備パター作り」(聖マリア教会)、
18日(日)ビーバーランド「パターゴルフ」(北白川小)。
<カブ隊>
5月11日(日)組集会「たからをさがして」(聖マリア教会)、18日(日)組集会「たからをさがして」(聖マリア教会)、
25日(日)隊集会「サイクリング」(鴨川河川敷)。
<ボーイ隊>
5月10日(土)・17日(土)・24日(土)・31日(土)合同班集会「セコムしてますか」(聖マリア教会)。
<ベンチャー隊>
5月3日(土・祝)〜5日(月・祝)隊キャンプ(芦生)、10日(土)・24日(土)隊会議「ボルダリングについて」(聖マリア教会)。
<団>
5月9日(金)団会議(聖マリア教会)、10日(土)富士記章授与式・団委員会(聖マリア教会)。


ニュースとお知らせ

=転居先訂正=
先月号に掲載しました小林由布子さんの住所にマンション名が抜けていました。追加して於いてください。「メローネ103号」です。

=5月のレクイエム=
5月21日(水)11時から次の方々を記念して逝去者記念聖餐式を行います。他に記念したい方がおられましたらご連絡ください。教籍は問いません。
1日―ルツ中山わい(1994)、
2日―ユニケ速水富子(1984)、
3日―ヤコブ速水経清(1967)、
4日―上羽たつゑ(1996)、
6日―本多栄(2002)、*ステパノ片岡鉄治(1947片岡霊恵弟)、
8日―司祭ヨハネ長谷川道夫(1982)、
10日―木村豊山、
12日―ヤコブ江見猛(1955)、アンナ佐々木キタ(1992)、
17日―星野光謙(1955)、司祭テモテ飯田佐徳(1974)、ヨハネ岡村俊介(1995)、水本千代子(2002)、
18日―*マルコの母マリア牧口ヒロ(2001浦地愛祖母)、
20日―ヨハネ白神三郎(1951)、
27日―プリスキラ中島三重子(2006)、
30日―江見芳子(1955)、笠井シズエ(1997)、マリア速水彩子(2006)、*小川嵯五郎(1951尾崎泰子父)。

=聖マリア会=
4月27日(日)、幼稚園・聖マリア会を行います。礼拝後、宮西良子先生はじめ、逝去された先生方の記念式を行います。どなたでもご参加下さい。その後、場所を移し、先生方で食事会を行います。

=ジュニア・チャーチ春の大パーティー=
4月29日(火・休)ジュニア・チャーチ春の大パーティーがあります。午前10時から集まりみんなでお昼ご飯をつくってお昼をいただき、楽しく遊んで夕方に解散の予定です。多数ご参加下さい。参加者は吉村さんまで。

=韓司祭按手式・韓国ツアーー=
韓相敦司祭按手式・韓国ツアー(5月26-29日)の案内が教区から来ています。ご希望の方はお申し込み下さい。

=北小松キャンプ場ワークキャンプ=
4月26日(土)、北小松キャンプ場のワークキャンプがあります。参加される方は京都復活教会までお問い合わせ下さい。今後毎月第二土曜日に行うそうです。

=子どもプロジェクト奉仕者募集=
子どもプロジェクトでご奉仕下さる方は、藤原司祭、または吉田栄子さんまで。

=芦生のんびりキャンプ=
GWの人混みを避けて芦生でのんびりしませんか?5月4日(日)午後〜6日(火・休)出入り自由です。往復の車を各自で手配して必要な食事を申し出てください。お問い合わせは吉村さんまで。

=婦人会よりお知らせ=
†京都教区婦人会大会。日時6月6日(金)午後2時〜7日(土)正午。場所・ホリデイ・イン京都、講師・大郷博氏(あぶらむの会代表)、締め切り・5月3日(日)。
†伝道区・意見交換会。5月11日(日)聖ヨハネ教会。

=信伝協親睦会=
「天満天神繁昌亭」で落語を楽しむ会!と銘打って信伝協親睦会が行なわれます。7月21日(月・休)12時半〜4時、2000円(補助有り)。申し込みは四月末までに、信伝協担当(福原さん、野嶋さん、浦地さん)まで。

=教区「教会ガイド」再発売=
教区「教会ガイド」が再発売されました。美しい教会写真集です。手元に10冊あります。ご希望の方は司祭まで。1冊1000円。


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