月報「コイノニア」
2008年5月号 No.297


《シリーズ・色々な礼拝》
開いてて良かった。

  夕の聖餐式
(毎週木曜日、午後七時から、主聖堂にて)

司祭 ミカエル 藤原健久

 イエスは近寄ってきて言われた。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」。
(マタイ28・18-20)

 教会では日曜日を、一週間の中で最も大切にします。日曜日に礼拝を行い、また様々な集会を行います。信徒はできるだけ日曜日の礼拝に参加しなければなりません…というのは分かっているのですが、現実には日曜日に仕事をされている方も沢山おられます。「日曜日に来なさいと言うだけなのは、教会の傲慢さではないか。日曜日に教会に来たくても来れない人のために、教会はもっと参加できる機会を作るべきではないか」と考えて、平日の夜に聖餐式を始めました。けれども…どうも私には、マーケティングの才能がないようです。参加は決して多くはありません。少人数ですが、けれども温かい交わりがあります。毎日、礼拝に参加してくださる一人の信徒の方が、この礼拝にも参加してくださいます。多くの場合、この方と二人で礼拝を行うのですが、たまに、他の方も参加してくださいます。レギュラーの方も含めて、お仕事帰りか、お仕事が休みの方です。ずっと水曜日に行っていたのですが、先日から私の都合で木曜日に変えました。丁度、ハンドベルの練習の日ですので、練習の前に礼拝に参加される方もおられます。
 この礼拝は、「日曜日の礼拝の代わり」に行いますので、聖書日課や代祷は、日曜日のものを用います。日曜日同様、説教も献金も行います。ただ聖歌は三曲にし、私のギターで伴奏しています。夜には、昼間とは違う良い点もあります。それは、静けさです。静かにしっとりとした雰囲気で礼拝を進めることができます。一日を振り返り、仕事の疲れをいやしながらお祈りします。司式の声もいつもより良く響くような気がします。考えてみれば、聖餐式はイエス様の最後の「晩餐」から来ているのですから、この夜の雰囲気も聖餐式の本質の一つなのかも知れません。
 大体50分くらいの礼拝です。ですのでいつもよりも教会の玄関を閉めるのが遅くなります。それは言い換えると、教会の扉が開いている時間が長くなる、と言うことです。その分、色々な時間帯に活動している人たちが、一人でも多く教会を訪れてくれれば良いなぁ、と思います。多くのカトリック教会では、昼間聖堂の扉は開いたままになっています。中をのぞくと、しばしば静かにお祈りしている方の姿を見かけます。近年、活発に活動しているある韓国系の教会では、二四時間礼拝堂の扉が開いているのだそうです。そして平日にも早朝や夜に礼拝があり、熱心な祈りが捧げられているのだそうです。「夜回り先生」こと水谷先生も、夜の町をさまよう子どもたちのために、お寺や教会に扉を開いて欲しいと語られています。私たちの教会では、幼稚園がありますので、昼間は扉が開いていることが多いです。実際に信徒だけでなく、多くの観光客や見学者が礼拝堂を訪れます。それでもやはり、防犯上、夕の礼拝が終わると教会の扉を閉じます。少々残念ですが、これが現状です。
 けれども、予め連絡下されば、その時間は開けておきます。ゆっくり一人でお祈りされたい方も、牧師と共に祈りたい方も、どうぞご自由にお祈り下さい。
 物理的には教会の「開けっ放し」は難しいですが、その代わり私は最近、教会を訪ねる人に次のように言うようにしています。「一度でも教会に来られたなら、教会はあなたの家ですよ。お気軽に、いつでも『もう一つの家』に帰ってきてください。」いつでもお越しをお待ちしています。牧師も心の中では「二四時間営業」のつもりです。


聖霊降臨日

――諸国語聖書朗読――

 5月11日は聖霊降臨日。復活日・降誕日と並ぶ三大祝日で、「主は昇天の後、公会に聖霊を降し、み力によってすべての国に福音を宣べ伝えさせられた」(聖餐準備六)教会の誕生日・宣教開始の日です。大プロセッションを行い、聖歌隊とハンドベルクワイアがご奉仕しました。
 聖霊降臨に関する記事は新約聖書の『使徒言行録』2章1節〜42節にみられる。それによれば、復活したイエスは弟子たちに「近いうちに聖霊が降る」ことを告げて天に上っていく(キリストの昇天)。それから10日後、ユダヤ教の五旬祭の日に使徒とその他の弟子たちが集まって祈っていると、激しい風のような音が聞こえ、天から炎のような舌が降った。使徒たちは聖霊に満たされ、さまざまな国の言葉で語り始めた。地中海世界全域からディアスポラのユダヤ人たちがエルサレムに集まっていたが、使徒たちが自分の地域の言葉で語っているのを聞いて驚いた。ペトロが中心になってイエスの死と復活の意味について語ると多くの人が洗礼を受け、使徒たちのグループに加わった。
 この使徒言行録の朗読は今年も多言語聖書朗読で行なわれました。もはやマリア教会名物とも言えるものでそれぞれの言葉で一斉に読み始める図は迫力さえ感じました。朗読してくださったのは、日本語(本文)・津田恵子さん、英語(文語)・上野久子さん、アラビア語・ムハナドさん、ロシア語・越後幸恵さん、インドネシア語・浦地愛さん、イタリア語・住吉恵美さん、ヨゼさん、ギリシア語・福原正和さん、ドイツ語・宗像康雄さん、スペイン語・山本進さん、タイ語・江口翠さん、このうち、アラビア語で読んでくださったムハナドさんは、ヨルダンからの留学生。聖公会の「エルサレム教区」の信徒。エルサレム教区は大変歴史と伝統のある教区(でも詳しくは知らない。)アラブ圏と言えばイスラム教のイメージが強いが、クリスチャンも多く、その多くは大変歴史と伝統のある教会です。


ちょっとうれしいニュース!

ダビデ吉村和馬くん

 みなさんご存じの吉村和馬君。進行性筋ジストロフィーという病と戦いながらも明るく積極的に生活していますが、その彼が趣味としてやっている「電動車椅子サッカー」のチーム「SONIC電動蹴球団」が、チーム結成一年目にしてドンドン実力を付けて、なんとGWに行なわれた「全日本選手権大会予選大会」で金星を挙げ、10月に広島で行なわれる全国大会に出場することが決まりました。彼と彼のチームの健闘をみんなで祈りたいと思います。
 また彼は、8月に兵庫県で行なわれる「日本アグーナリー」(ボーイスカウトの障害者で行なわれるジャンボリーのような大会)にも、京都代表の障害者スカウトとして参加します。彼の両親のがんばりと共に我々信徒も教えられることがたくさんあります。近年にわかに騒がしくなってきた難病の治療法の確立と彼の活躍をみんなで祈り見守って行きたいと思っています。



聖マリア幼稚園コーナー

 入園式から約二ヶ月が経ちました。今年の花組さんは男の子11人、女の子13人の合計24人(うち満三歳児の小花ちゃんが1人)という賑やかなスタートとなりました。24人の花組さんは毎日パワー全開です!
 毎日の幼稚園はお礼拝堂のお玄関から始まります。教会玄関では、毎朝藤原健久チャプレン先生と菅原さと子園長先生が優しく子ども達を迎えて下さいます。入園当初は涙・涙の花組さん。「お母さんがいいーぃ!!」と火が付いたように泣き出す花組さんの姿は、いつ見ても可愛いと思ってしまいます。そんな子ども達ですが、泣いてばかりもいられず、あれよあれよという間に先生に、そして緑組さんに手を引かれ二階のお部屋へ連れて行かれます。そしていつの間にか涙も吹き飛び、遊びに夢中になる花組さんなのです。その間、大忙しで手助けをしてくれていたのは緑組さんです。上へ下へと花組さんのお世話に走り回り、花組さんの手を取り、優しくお部屋へエスコートするその緑組さんは、とても大きく、頼もしく見えるのです。そんな優しいお兄さん・お姉さんのお陰で花組さんも、今ではもう一人でもへっちゃら!「おはようございま〜す!」と元気にご挨拶をして飛び込んで来ます。しかし、まだまだドキドキ、頷く事で精一杯の「おはよう」を表現する子どももいます。必死の思いでお母さんに「行ってきます」をして、小さな体が鞄で埋もれそうになりながら花組さんの長〜い一日がスタートします!!
 聖マリア幼稚園の花組のある一日の生活をご紹介しましょう。それは、お礼拝で始まるのです。毎朝する様々な「ありがとう」のお祈り、例えば、本人やご家族のお誕生日、また、お休みのお友達やご病気のご家族の方を覚えてするお祈りがあります。小さな手を合わせて目をキュッとつむる姿は見ていてとても可愛らしく思います。その小さな胸の中で子ども達は何を感じているのでしょう。つむった目の奥にはどの様な事・物が映し出されているのでしょう。幼稚園に入園して初めて出会ったお祈り、そのお祈りの中で、子ども達は神様やご家族の方々、先生達等、沢山の人々に守られている事を知ります。そして「感謝する」という気持ちを知ります。その気持ちを知った事で、「ありがとう」が言える子どもに、また、お友達や周りの人々を思いやり、親切が出来る子どもになって欲しいと願っています。
花組さんにとってこの二ヶ月、毎日が新しい経験と発見の連続でした。これからも沢山の「初めて」に出会い、沢山の「発見」がある事でしょう。それらを毎日の遊びを通して学んで欲しいのです。お友達と遊ぶ事によって遊びが広がります。会話が生まれます。物を共有する事によって、様々な我慢や葛藤を経験します。また、年中・年長のお友達と遊ぶ事によって、刺激を受け、新しい遊びを知り、「発見」に繋がるのです。その様な姿をみていると、横の繋がりも縦の繋がりも本当に大切だと、改めて感じます。これから出会う人との、沢山の交わり、繋がりの中で、色々な事を学び、感じて幼稚園での三年間を過ごして欲しいと願います。その為には、子ども達に何が必要か、どんな事をしてあげられるのかを考え、子ども達の成長を見守っていきたいと思います。子ども達と笑顔を交わしつつ「初めて」と「発見」を共に感じながら…。
   花組 ダリア 河内 舞


各部のお知らせ

=婦人会=
6月6日(金)〜7日(土)京都教区婦人会大会 於:ホリディ・イン京都。講師:大郷博氏。
6月29日(日)6月婦人会例会 一部:礼拝、二部:万華鏡作り、三部:諸報告。

=日曜学校=
5月21日(水)午後7時半〜北小松キャンプスタッフミーティング@。
25日(日)日曜学校お休み(遠足の代休の為)。31日(土)春の遠足『大文字山へ』。
6月8日(日)分かち合いの礼拝。16日(月)午後八時〜教師会。

=ジュニアチャーチ=
6月1日・15日(日)午前10時〜朝の礼拝。午後一時〜ミーティング。

=青年会=
6月29日(日)昼食当番。

=幼稚園=
5月27日(火)教職員会議。午後7時半〜理事会・評議員会。
5月28日(水)メリーちゃんサークル。6月4日(水)歯科検診。11日(水)メリーちゃんサークル。キンダーカウンセリング。
13日(金)・14日(土)自由保育参観日。18日(水)〜20日(金)クラス懇談会。

=ハンドベル=
朝ベル毎週水曜日10時半〜。夜ベル毎週木曜日19時45分〜。

=ボーイスカウト24団=
<ビーバー隊>
6月1日(日)ビーバー隊集会「けがをした時どうするの?」(聖マリア教会)、15日(日)ビーバ隊集会「社会見学」(防災センター)。
<カブ隊>
6月8日(日)・15日(日)組集会「カブホリディ準備」(聖マリア教会)、22日(日)カブラリー(宝ヶ池)。
<ボーイ隊>
6月7日(土)・14日(土)・21日(土)合同班集会「セコムしてますか」(聖マリア教会)、29日(土)隊集会「セコムしてますか」(岡崎公園)。
<ベンチャー隊>
6月7日(土)・21日(土)隊会議「ボルダリングについて」(聖マリア教会)、29日(土)隊集会。
<団>
6月6日(金)団会議(聖マリア教会)、7日(土)団委員会(聖マリア教会)。




ニュースとお知らせ

=転居=
星野謙さんが左京区に転居されました。住所電話番号は教会へお問い合わせ下さい。

=6月のレクイエム=
6月18日(水)11時から次の方々を記念して逝去者記念聖餐式を行います。他に記念したい方がおられましたらご連絡ください。教籍は問いません。
1日―谷照芳(1945)、
5日―松本勇治郎(1994)、
8日―ルデア速水仲子(1992)、ヒルダ植松糸子(2000)、セシリア上小澤規子(2006)、
13日―松田タミ(1965)、サムエル林尚志(1998)、
15日―永田有(あり、1949、続木智子祖母)、
16日―*大倉秀雄(1974、大倉敏子夫)、
18日―*植松正義(1997)、
19日―続木斉(ひとし、1934、続木智子義父)、
21日―マリア山口いち(1938)、
27日―林ハル(1928)、トマス田中完一(1966)、
28日―*浅田文子(1948、服部伸子母)、
29日―*永田初子(續木智子祖母)。

=日曜学校遠足延期=
5月10日(土)に予定していました日曜学校遠足(大文字)は雨天のため中止し、31日(土)に延期しました。お手伝い下さい。

=聖婚式=
5月18日(日)イサク平田大介さん、針生亜季【はりう・あき】さんの聖婚式が行われました。聖歌隊も多数参加され、素敵な式になりましたおめでとうございます。お幸せに!

=サーバー、オルター研修会=
6月15日(日)サーバー、オルター研修会を行います。初心者の方も、多数ご参加下さい。

=子どもミーティング=
6月22日(日)子どもミーティングを行います。子どもプロジェクトに少しでも関心のある方は、是非ご参加下さい。(当初予定二九日から変更になりました。)また、新たにご奉仕下さる方を募集しています。詳しくは藤原司祭、または吉田栄子さんまでおたずね下さい。

=日曜学校キャンプ=
7月20日(日)-21日(月・休)の連休に北小松で行います。子どもたちも、スタッフの大人も、どうぞ多数ご参加下さい。特にスタッフが不足しています。是非お手伝い下さい。第二回スタッフ・ミーティングを、六月二日(月)午後七時半より行います。

=ジュニアチャーチ芦生キャンプ=
8月8日(金)〜10日(日)芦生キャンプ場で行います。スタッフが不足しています。特に車が必要です。平日の往路のみでも。吉村さんまで。

=ジュニアチャーチ礼拝=
毎月第一第三日曜の朝10時から朝の礼拝を行なっています。礼拝準備を兼ねていますので少し早めに教会へお出ましになり緑の祈祷書と聖書を持ってご一緒してください。

=教区婦人会大会=
6月6日(金)午後2時〜7日(土)正午、ホリデイ・イン京都にて。講師・大郷博氏(あぶらむの会代表)。

=み言葉の礼拝・司式研修会=
教区「み言葉の礼拝・司式研修会」が行われます。6月21日(土)10-17時。参加費無料(昼食費も)。参加希望の方は司祭まで。

=管区より=
+ミャンマーのサイクロンによる被災者支援について。ミャンマー聖公会に連絡しても、被災地近くの教区には連絡が付かない。管区から緊急に一万ドルを、シンガポール教区を通して送金した。
+中国四川省近辺の地震による被災者支援について。状況は未だ明らかでないが、教会の国際的な援助機関であるACT(Action by Churches Together)が世界的な募金を準備しています。管区はNCC(日本キリスト教協議会)に50万円を送金しました。(5月15日付けのメール)。


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