月報「コイノニア」
2008年12月号 No.304


《聖書を飛び出したイエス様・その2》
一緒にいるよ。

映画「ICHI」から

司祭 ミカエル 藤原健久

「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。      (マタイ一・二三)


 先日、久し振りにゆっくり映画を見に行きました。映画の題名は「ICHI」です。皆さんご存じの「座頭市」を、女性を主人公にして作り直された作品です。かつては勝新太郎さんのはまり役でしたが、今回は、今人気の綾瀬はるかさんが主役を務めています。さて、見終わっての感想ですが、大変面白かったです。私はアクション好きなのですが、この作品のチャンバラはとても恰好良いものでした。可憐な美少女が、並み居る悪い男どもを、目にも留まらぬ居合いでバッサバッサとやっつける。もうたまりません。物語も面白く、もちろん主役も美人でした。
 さて、この映画の中で、印象的な場面がありました。主人公の市は、盲目で、大変苦しい生活を送ってきました。その中で彼女を支えていたのは、彼女に剣を教えてくれた、父親とおぼしき男性に会いたい、という思いでした。ところが物語の途中で、その男性が既に亡くなっていることが分かってしまいます。市はこの事実を、自分をうち負かした悪役の剣士から聞かされます。剣の勝負に負け体は傷つき、生きる支えを失い心も落ち込み、市はすっかり生きる気力を失ってしまいます。その時、市を悪役の手から助けてくれた侍が、市の後ろから彼女を抱きしめ、そして言います。「死ぬな。死んではならぬ。」その言葉と抱きしめる腕の温かさに、市の心は癒され、彼女は再び生きる気力をとりもどすのです。
 私は、この感動的なシーンを見て、こう思いました。「良くあるシーンだな。」今までも、テレビや映画でこんなシーンを何回か見たように思います。映画を見終わってから色々とこのシーンについて考えてみました。「死ぬな。生きろ。」たしかに大切なメッセージです。けれども、すっかり生きる気力を失った人の心に届くには、ただ言葉だけではダメでしょう。この言葉に、次のメッセージを添える必要があるのでしょう。「私がずっと側にいるから」。真剣にその人の事を心に掛ける人がいる。何があってもいつも一緒にいてくれる人がいる。その時に「死ぬな、生きろ」のメッセージは、人を救う大きな力になるのでしょう。
 クリスマスの物語の中で、私たちの救い主イエス様のお名前の、本当の意味が私たちに示されました。聖書には次のように記されています。「『見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。』この名は『神は我々と共におられる』という意味である。」イエス様はいつも私たちと共に居てくださる方です。私たちと共にいて、私たちに生きる力を与えてくださる方です。
 イエス様はこの地上のご生涯で、人々に救いのメッセージを伝えられました。それらは私たちに「死ぬな、生きろ」と伝えるものだったように思います。イエス様はずっと人々の側におられました。だからこのメッセージは人々の心に伝わり、人々に生きる力を与えました。イエス様は十字架に掛けられ、一時、人々の前から姿を消されました。けれどもイエス様は「いつも側にいるよ」という約束を守るために、復活してくださったのです。
 イエス様は私たちに「いつも側にいるよ」と約束してくださいました。感謝して、神様の愛のメッセージを受け入れたいと思います。
 クリスマスおめでとうございます。


Merry Christmas

マリア教会のクリスマスは、他の教会では類を見ないほどたくさんの礼拝が行われます。ここではその一部であるクリスマス礼拝を紹介させていただきます。


20日(土)16時
日曜学校クリスマス礼拝

 日曜学校も幼稚園の卒園生を中心にその学校の友達などを集めてたくさんの子どもたちが集まりました。子ども約40名(幼稚園〜小5)、大人を交えて約60名が参加。司祭の聖話「そそっかしい天使さん〜おっさんのクリスマスパート3」。その後幼稚園ホールで楽しいゲーム大会。サンタさんにプレゼントを頂き、楽しい時間を過ごし、おのおの家路につきました。

21日(日) 10時45分
降臨節第四主日(主要聖餐式)
総員礼拝・祝会

 総員礼拝は降臨節第四主日(紫)として守りました。約120名が参加し、聖歌隊、ハンドベルクワイアがご奉仕しました。
 礼拝後一足早いクリスマス祝会。お馴染みの持ち寄り形式で、腕に縒りをかけたごちそうが並びました。名司会の進行で祝会が進み、ゲーム等で楽しいひとときを過ごしたあと、子供たちお待ちかねのサンタさんも登場しました。

23日(火・祝)13時
ボーイスカウトクリスマス礼拝

 ボーイスカウトもクリスマス礼拝。凛々しい制服姿で聖堂が満員になりました。その後カブ隊の入隊式、西埜ベンチャー隊員の富士章受章式を行い、幼稚園ホールでゲーム等満載の楽しい会を持ちました。

23日(火・祝)14時30分
聖歌隊有志キャロリング

 十数名の聖歌隊が参加して、バプテスト病院のホスピス病棟と一般病棟数カ所で、数曲ずつ歌いました。静かにホスピス病棟の個室の扉を開ける人、お母さんに抱っこされている子、生まれたばかりの赤ちゃんを抱っこするお母さん、皆さん静かに聖歌を聴いてくださいました。その後、松本時子さん宅でもキャロリングをしました。

24日(水)19時30分
クリスマスイブ・キャンドルサービス

 クリスマスイブに行われるキャンドルサービスは「九つの日課による唱詠晩祷」。聖書朗読・黙想講話と黙想・お祈りを各日課ごとに行う聖マリア教会独特の形です。約九〇名参加(聖歌隊含む)で、聖堂に響き渡る聖歌隊の歌声とともに、蝋燭の光のもと、荘厳な礼拝を捧げました。

24日(水)23時30分
降誕日第一聖祭(深夜聖餐式)

 約20名の参加。他教会の方、また毎年レギュラーで深夜聖餐式に参加する青年達もいます。嬉しい出会いです。

25日(木) 降誕日7時
第二聖祭(早朝聖餐式)
25日(木) 降誕日8時
英語聖餐式

 香港からのお客様が来られました。

25日(木) 降誕日10時四五分
第三聖祭(主要聖餐式)

 降誕日の主要聖餐式は平日のため少々こぢんまりとしたアットホームな礼拝になりました。約30名参加。礼拝後、祝会の残りのお菓子や、参加者が創ってきてくださったおにぎり、サンドイッチ、司祭の手作りパンなどで、腹ごしらえ。その後、お掃除。礼拝堂のロウなどをこそげ取り、きれいにお掃除しました。

25日(木)16時
ジュニアチャーチ・クリスマス会

 中高生(ジュニアチャーチ)は二階集会室でパーティーを行いました。自分たちで用意をし、おいしく食事をいただいて楽しくゲームをして過ごしました。司祭家族も含め、小さい子どもたちも参加し賑やかに過ごしました。



幼児祝福式

 11月16日(日)幼児祝福式が行われました。一般に行われる「七五三」に代わるもので、当教会は毎年この時期に行っています。小学生低学年以下の子供たちは藤原司祭から祝福を受け、プレゼントをいただき、とても満足そうな笑顔を見せていました。


12月号その2へ