2010年3月号 No.319
《聖書を飛び出したイエス様・その一六》
映画「おとうと」から
司祭 ミカエル 藤原健久
わたしたちは、今は、鏡におぼろに映ったものを見ている。だがそのときには、顔と顔とを合わせて見ることになる。わたしは、今は一部しか知らなくとも、そのときには、はっきり知られているようにはっきり知ることになる。
優秀な姉と、そうでない弟。姉は東京で、女手一つで娘を育てあげ、片や、弟は大阪で、仕事は上手くいかず、バクチや借金で乱れた生活をしています。子どものときから叱られ馬鹿にされるばかりの弟、唯一の誇りは、可愛い姪に名前を付けたことでした。けれども、その姪の結婚式に、酒を飲んで酔っぱらい、場を台無しにしてしまいます。親族の中で唯一弟をかばってきた姉も、弟に迷惑をかけ続けられ、ついには多額の借金の肩代わりをするに至って、絶縁を宣言します。行方知れずになった弟と、次に再会したのは、大阪のホスピスでした。行き倒れの末運び込まれたのです。姉は弟の最期を、静かに看取ります。平日の昼間にもかかわらず、映画館は満員でした。昨年の「おくりびと」といい、誰もが避けることのできない「死」を、正面からしっかりと見据え、死を巡る人間模様を丁寧に描き出そうとする良心的な作品に、多くの人々の注目が集まっています。作品の後半、弟の死が近づく場面では、館内のそこかしこで、すすり泣く声が上がりました。私も泣きっぱなしでした。
受聖餐者総会開催
2月21日(日)、礼拝堂において受聖餐者総会が開催された。午後12時30分、出席者51名、委任状60通、現在受聖餐者140名の過半数の出席を確認して、議長藤原健久司祭が総会の開催を告げられた。藤原司祭のお祈りと挨拶をもって、一週間前に配布された総会要項冊子『教会のあゆみ』の議事に沿って進められた。まず、2009年度の教勢報告が行なわれたが、特に報告の追加、補足説明、意見、質問はなかった。2009年度の主な活動報告についても追加、補足説明は特になかった。席上、議長より、ボーイスカウト京都第24団(団委員長:長谷川和彦兄)の活動に対し、特に当教会との関わりに於いて、丁重な謝辞が述べられ、出席者一同、拍手でもって謝意を表した。
雑感 年に一回の受聖餐者総会。会議に慣れておられる方もおられれば、全く会議などに出たこともない方もみんな集まっての総会です。「ここで一言言っておかないと一年間何も言えなくなる!」と張りきって発言される方もいらっしゃり、これは大変素晴らしいことだとは思います。ただ、既にお配りしているはずの「総会のしおり」には必ず目を通して欲しいものです。会議はそれを総べて熟読いただいているということを前提におこなわれています。今年のしおり製作は、週報やコイノニアで再三呼びかけたにもかかわらず、どなたもお手伝いには来ていただけず、司祭ご夫妻お二人で作業していただくことになってしまいました。そのあたりにも総会資料の軽視が見られるかもしれません。反省!(し)
2月20日(土)午後6時30分より佐野屋にてボーイスカウト京都第24団総会が行われました。
『2009年度を終えて』
幼稚園の桜も咲きはじめたものの寒い毎日。開花も一休みでしょうか。特別の年度が子ども達の歌う「主イエスとともに」の歌で二十四日に修了致しました。また、「♪桜の蕾もふくらんで、もうすぐ学校嬉しいなあ」と、去る3月19日には、20名の子ども達が聖マリア幼稚園を巣立ちました。その日は朝からどんよりしたお天気の中、子ども達は正装して登園。保護者の方々も、笑顔でお越し下さいました。がその中には、目にうれし涙、寂しくなる涙を浮かべて、ご一緒に登園された方もおられました。当園の卒園式は、子ども達もその保護者の方も全員参加で臨みます。これは、この園の子ども達の繋がりや保護者同士の繋がりを大切にしてきたことにあります。日々の送り迎えにはじまり、この園の方針の一つである縦横の関係を紡ぐことで、家族のような関わりをいつまでも大切に続けて欲しいと願っているのです。クラスを越えての関わりは、子ども達や保護者、特に第一子で子育て初めての方にとっては、とても大切な「共有の場」となっています。では、卒園した20人の子ども達の進学先はといえば、10校もの学校に分かれて入学式を迎えます。それは、錦林校10人、三錦2人、四錦1人、御所南1人、松ヶ崎1人、教育大付属1人、ノートルダム1人、立命館1人、同志社1人、横浜に転居しての藤が丘1人と半数が聖マリア幼稚園右代表のような形になります。多くの親御さんは、みんなと一緒である事を望み、入園の時からそのことを思って、集団での見学を希望されることが多々あります。それは、メリーちゃんサークルやpre-preに来られる時から見受けられることです。しかし、当園に入園を希望して下さる保護者の方々に感謝すべきは、しっかりとご自分のお子さんには何が必要なのか、当園の教育理念・方針・保育内容等を理解した上で、みんなに流される事なく入園させて下さっていることです。その為か、子ども達に対してもしっかりとした考えを持っておられる場合が少なくありません。子ども達も、幼く経験不足から、楽しい事に思いっきり揺さぶられたり、困った時に「どうしよう!?」と考えすぎたりしました。叱られた時にはショゲかえり手も足も出せなくなっても、知らず知らずに体中に力の蓄積を計り、本番には何にもめげずやってのけるという場面に、私たちは度々遭遇させられるという、素晴らしい切れ者達が揃っていました。そんな年長組を見て来た年中の子ども達も、隣の保育室で先生と子ども達が織りなす喜怒哀楽の日々を眺めていた花組の小さな子ども達も、憧れを抱いたお兄さんお姉さんへの思いを胸に、大きくなる次のクラスへの期待に心を弾ませているはずです。子ども達の成長素晴らしい!本当に嬉しいものです。又、教会の皆様にお目にかかる事なく去ってしまいましたが、今年度のみで、赤組副担任の北村敦子が退職致しました。4月から新卒先生を迎えます。そして、67人の子ども達と共に新年度を迎えます。この一年、子ども達、先生達そして各々のご家族をお守りお導き下さいました神様に感謝申し上げます。そして今年度も、教会の皆々様のお祈りに支えられて無事修了致しましたことに深く感謝申し上げます。
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