月報「コイノニア」
2010年5月号 No.321


《聖書を飛び出したイエス様・その18》
   可愛く、強く。

映画「プリキュア・オールスターズDX2、
希望の星レインボージュエルを守れ」から

司祭 ミカエル 藤原健久

そこで、マリアは言った。「わたしの魂は主をあがめ、わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。…今から後、いつの世の人も、わたしを幸いな者と言うでしょう。」
(ルカ一・46-48)

 私も、せっかく娘を授ったんですから、女の子の文化に触れよう、と、人気のキャラクターが活躍する今作品を見に行きました。(もちろん娘と一緒です。)こんな私でも子どもの頃は、サリーちゃんや、アッコちゃんや、メグちゃんを、テレビでそれなりに見ていたのです。さて、30数年ぶりに見る女の子の世界は、あの頃とは随分と違い、「スッゴイ」ことになっていました。
 まず、登場人物たちが、「スッゴク」可愛いのです。主人公たちの変身した姿は、大きなリボンにひらひらのレース、ピンクを中心にキラキラ輝く色遣い、それにハイヒールです。髪の毛までも、変身と共にさらりと長く伸び、ふわりとボリュームが増え、ピンクやブルーなど、あざやかな色に変わります。これは今の女の子たちの憧れの姿なのでしょう。こんな姿に変身したいと、誰もが思うことでしょう。画面の中では、主人公たちが実に楽しそうに変身しています。これから悪者たちと闘う筈なのですが、彼女たちはおしゃれを楽しむように、笑いながら、軽やかに変身しています。
 次に、彼女たちは「スッゴク」強いのです。確か昔は、魔法の杖や呪文を使って、指先から可愛い光線を出す程度だったと思うのですが、今や、天突くような大男や怪物相手に、パンチやキックで闘います。時には相手の攻撃をまともに受け、吹っ飛ばされたり、地面にたたきつけられたりします。正に「肉弾戦」です。きらきらの可愛い格好をした女の子たちが、ドカバキの激しいバトルを繰り広げるのです。見ているオジサンはタジタジです。これも、今の女の子たちの憧れの姿なのでしょうか。誰よりも可愛く誰よりも強い、私の大切な人達を、私の手できっと守ってあげる、そんな颯爽とした姿が、これからの女の子たちのスタンダードになってゆくことでしょう。何とも頼もしい限りです。
 イエス様の周りには、いつも、たくさんの女性たちがいました。彼女たちは、神様のみ言葉を聞き、イエス様を物心両面から支えていました。彼女たちの容姿は聖書に記されていませんから、「スッゴク」可愛かったかどうかは分かりません。けれども、彼女たちの行動を見ていると、「スッゴク」強かったことは分かります。田舎の村ナザレに住む一人の少女は、神の子を身に宿すという重大な使命を、しっかりと受け止めました。それは男の許嫁が二の足を踏むほど、厳しさが予想される使命であったにもかかわらず、です。イエス様が十字架に掛けられたとき、男性の弟子たちはみんな逃げ出してしまったのに、女性の弟子たちは最後まで十字架から目を離しませんでした。そして、イエス様が復活されたとき、一番最初に天使からのメッセージを聞いたのは女性の弟子でした。復活されたイエス様に出会い、その喜ばしい知らせを他の弟子たちに知らせたのも女性でした。そして男性の弟子たちは、彼女たちの知らせを受け入れられず、家の中に閉じこもっていたのでした。
 女性が強くなったと言われながらも、まだまだ女性の強さが十分発揮される社会にはなっていないのでしょう。男性も女性と一緒に、時には女性の後を付いて行きながら、社会をよりよく整えていきたいと思います。
 きっと、ウチの娘も強くなるんだろうなぁ。


聖霊降臨日礼拝

――諸言語聖書朗読――

5月23日は聖霊降臨日。復活日・降誕日と並ぶ三大祝日で、「主は昇天の後、公会に聖霊を降し、み力によってすべての国に福音を宣べ伝えさせられた」(聖餐準備六)教会の誕生日・宣教開始の日です。プロセッションを行い、聖歌隊とハンドベルクワイアが礼拝奉仕しました。
 今年も使徒言行録の朗読を多言語聖書朗読で行ないました。すっかり毎年恒例のマリア教会名物になりました。朗読してくださったのは、英語(文語)・上野久子さん、フランス語・叶マリコさん(上野さんの友人)、ロシア語・越後幸恵さん、ドイツ語・中谷詩織さん、アラビア語・ムハナドさん、中国語・イェ・ファさん、インドネシア語・リナさん、ミャンマー語・マリナさん、日本語(本文)・柳原健之さん、です。このうち、最後にご紹介した三名の方は、京都聖ヨハネ教会の青年です。ヨハネ教会は、韓国から来られた韓相敦(ハン・サンドン)司祭が牧師になられてから、青年を中心に活気が出て、特に留学生など外国から来られた青年達がたくさん集まっています。当教会の多言語聖書朗読の話を聞き、是非今後の活動に活かしたいと、八名の青年が参加してくださいました。
 また礼拝後、マリナさんから、現在教区で行っている「ミャンマー奨学友の会」のアピールがありました。この会は、2006に行われたウィリアムス神学館のミャンマー訪問により京都教区とミャンマー聖公会との交流が深まり、その交わりの中で、立ち上げられました。マリナさんはこの会の招きで来日され、現在日本語を学び、将来日本の大学で福祉を勉強し、母国のために活躍したいという目標を持っておられます。会の案内は事務所前の掲示板に張ってあります。是非ご協力下さい。




「新世紀エヴァンゲリオンを語る会」

6月13日(日)午後2時より、会館二階集会室にて。DVD上映会と座談会。伝道区合同礼拝の日ですが、午後から行います。現在も若者に人気のアニメ作品に出会ってみませんか。始めて観る方も大歓迎です。


主日実習の神学生の紹介

4月からウイリアムス神学館ウイリアムス神学館よりリチャード池澤隆輝神学生(神戸教区)とパウロ横山明光司祭(北海道教区)が当教会で実習されます。池澤神学生は一年間、横山司祭は7月までの4カ月間の期間になります。よろしくお願いします。

リチャード
池澤隆輝神学生

1982年4月2日神戸生まれ、満28歳。神戸学院大人文学部卒業。神戸教区神戸ミカエル教会垂水伝道所出身。趣味は音楽鑑賞。なんと宇多田ヒカルのファンでアルバムはすべて持っているとのこと。特技をたずねると「英語」ということです。英語ペラペラというわけではなくペラペラになれるよう勉強中ということで、皆さんも協力お願いします。いろいろな形の礼拝について興味を持ち、色々な土地の色々な礼拝に参加してその違いを楽しみ、味わい、研究しているそうです。聖マリア教会の数々の礼拝も経験値アップに繋がるはずです。

パウロ
横山明光司祭

1944年11月3日稚内生まれ、満65歳。酪農学園大学酪農学部酪農学科家畜繁殖専攻卒業。北海道教区主教座聖堂札幌キリスト教会付。今年3月22日に北海道教区主教座聖堂にて司祭按手を受けられました。趣味は魚釣り。渓流釣りが好きということで、芦生でその腕前を見せていただきたいものです。また特技は馬術ということで、前職の教員(農業・普通・盲高等学校、特別支援学校、大学)時代は馬術部の顧問。また、高体連スケートと陸上競技の専門部長も歴任され、国体など全国大会・国際大会への選手派遣等のお世話もしておられたそうです。


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