9月号 その2


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山本天文台の話

立石昭三、恭子

 9月12日はマリア教会で敬老のお祝いをして戴いた。亨ちゃんの司会、玲子さんの達者なピアノ、愛ちゃんの軽妙なゲームで七五歳以上の老人、計五四人(うち新老人は6名)には有難いことであった。会も終り婦人会心尽くしのお祝いの品も頂き,「当教会男性最高齢者,山本進さんのお祝いの品は私ども夫婦がお届けしましょう」と云うことになった。9月15日、酷暑も過ぎて爽やかな秋風の吹く日に車で滋賀県大津市上田上桐生辻の山本家を訪ねた。
 この辺りは私が医師になって最初に勤めた国立療養所紫香楽園への往還に、毎日オートバイで通った道筋で、一号線の草津から信楽へ向かう草津〜信楽線と石山の建部神社から入る石山〜信楽線との交差点から少し桐生辻方面へ行ったところにあるので直ぐにも行き着けると思って多寡をくくっていた。風は心地よく、田んぼにはまだ青い稲が一面に靡き、車も少なく快適なドライヴであった。一度、郵便やさんに道筋を聞いて直ぐに行けると思ったが、同じ所をぐるぐる回っても判らない。一度山本氏宅に行かれた藤原先生にも伺っていたので「お寺の庫裏を移築したような大きな建物」が判らないはずがない。実際立派なお寺も数箇所に見られた。
 近くの人に五人は尋ねたであろうか、皆さん「天文台のある家です。でも車は入らないので近くの正心寺の駐車場に車を置いてー」と仰るが、山本さんはご自宅を車で出発され、JR草津駅に駐車して、京都へはJRで来ておられていたので、車が入らぬはずはないと、かなり狭い田舎道を車で登って行った。「天文台、天文台!」と目指した家に厚かましくも裏庭から入って表に回ると堂々たる門構えに立派な文字で山本清之進と書かれた表札が掛かっていた。反対側には山本天文台とある。
 周囲を見渡すと中心となる大きな建物は錆びた鉄板の屋根に覆われ、確かに天文台である。建坪は五〇坪もあろうか、その外側を三階の天文台に上る階段もあった(写真参照)。
 敷地内には、年代を経て彫られた文字も消えかかっている石碑が建っていて雰囲気を盛り上げていた。裏の、隠居所と思しき家には英文で Welcomeと書かれている。
これで間違いないとドア・チャイムを押すが何方も出てこられない。お目にかかれず心残りであったが、お祝いの品に私ども、届け人の氏名、電話番号、来た経緯を残しドア・ノブに引っ掛けて帰宅した。
 山本進氏はマリア幼稚園にも在籍され、長じてはマリア教会の日曜学校の指導にも木村忠一氏とともに勤められた方である。木村氏が島津に就職し、中国各地の病院でレントゲンの機材の修復、管理に従事され、戦後は中国の国民党政府、次いで八路軍に留用された後に日本に引き揚げられた時には京都駅を通過する列車に木村氏に会いに行かれたのも山本氏だけであった。
 今年白寿を迎えられた山本進氏は教会のおうどん昼食の時よくご一緒して、そのお父上の事、軍隊ではお父上の天文学者としての名声のために気象観測班に編入された事、毎年出る神宮館福宝暦の天文学的考察にはいつも参加された事など伺っていたが、遠路遥々教会にお出でになっていた頃、もっともっとお父上の一生の事を伺って置けばよかったと思う。
 田上郷には鉱物博物館もある。明治初期に、ある米国人がここ、湖南アルブスと称する田上山で産するトバーズをモッコで運び出していた、との話を父に聞いた事がある。当時、日本人はトパーズを「偽水晶」と呼んで全く省みなかったと言うことも聞いた。今も水晶、長石などは田上の特産物である。
 翌日、息子さんから電話で、マリア教会からのお祝いの品を受け取った、との連絡があった。その際、いろいろと伺ったが山本進氏は健在で週日はデイ・ケアに通われているとの事、日曜にはデイ・ケアがないので前もって電話で知らせを受ければお会いできる、とのことであった。山本清之進とはこの家、代々の屋号のようなもので、碑文に記された清之進氏は山本進さんの祖父に当たる方のようである。これによるとこの方は天保年間(1830〜43)に生まれ明治44年(1911)に亡くなっている。温厚篤実な方で医業に従事されていた、とある。ウエブを検索すると、明治43年(1910)に田上小学校の校長でも合った。同名の方についての記載が出てきた。その方の作詞になる校歌の碑が田上小学校の入り口にあるというが、年代から推察して同じ人物であろうか。初代花山天文台長で東亜天文学会を始められた山本一清氏(1889〜1959)は山本進氏のお父上であるが山本天文台開設の詳しい経緯も是非教えて戴きたいものである。
桐生辻のような辺鄙なところに鉱物博物館や天文台が在ることに、改めて新鮮な驚きを禁じえなかった。


各部のお知らせ

=婦人会=
10月12日(火)14時〜16時 於:聖マリア教会『京都伝道区婦人会 秋の修養会』黙想と祈りのつどい〜楽しいバイブルシェアリング〜。
24日(日)13時半〜婦人会例会 一部:礼拝、二部:バザーの準備。木曜日二回程度、バザーのためのお仕事会の予定(日時詳細は後日連絡)。

=日曜学校=
毎週日曜日午前9時半〜10時45分まで 日曜学校礼拝/分級。
10月10日(日)分かち合い礼拝。17日(日)チャレンジサンデーA(10時10分〜11時30分まで)。

=ジュニアチャーチ=
10月3日(日)・17日(日)10時〜朝の礼拝。

=幼稚園=
9月28日(火)聖書をサカナにいろいろ話す会。10月1日(金)入園願書受付開始。2日(土)運動会。4日(月)代休。66日(水)新入園児面接。12日(火)キンダカウンセリング。13日(水)・27日(水)メリーちゃんサークル。
19日(火)・21日(木)グループ会。31日(土)大文字ファミリー登山。

=ハンドベル=
朝ベル毎週水曜日10時〜。夜ベル:毎週木曜日19時45分〜。

=ボーイスカウト24団=
<ビーバー隊>10月17日(日)「はじめチョロチョロ(飯盒炊爨・クッキング)」(静原)。
<カブ隊>10月17日(日)・24日(日)組集会「親しき仲にも礼儀あり!」(聖マリア教会)。
<ボーイ隊>10月11日(土)・18日(土)・25日(土)班集会(聖マリア教会)、23日(土)班集会、入隊式(聖マリア教会)。
<ベンチャー隊>10月9日(土)・23日(土)隊会議(聖マリア教会)。
<ローバー隊>10月10日(日)クルー会議(三条ホーリーズカフェ)。
<団>10月1日(金)団会議(聖マリア教会)、2日(土)団委員会(聖マリア教会)、31日(日)バザー(聖マリア教会)。


ニュースとお知らせ

=9月26日(日)午後3-4時半、伝道区会=
*〔協議事項三〕教区「ハラスメント防止のための研修会」(10月16日・土)参加者派遣の件。教区より、必ず一名の参加が求められている。防止委員の辻さん、浦地さん中心に選んでもらう。二名以上参加する場合には、参加費)(一人千円)を教会で負担する。積極的に参加を呼びかける。

=日曜学校「チャレンジ・サンデー」について=
 日曜学校に参加する子供、スタッフの増加を目指して、時間帯をずらす(午前10時10分から)活動を、実験的に行おうとしている。(来春まで月一回予定。)分級を、聖餐式の時間帯に行うのだが、ゆくゆくは、聖餐式に参加する日も作りたい。できれば、11月のチャレンジ・サンデーで試みたい。日曜学校からの以上の申し出を承認する。

=任命式=
8月29日(日)聖餐式中、オルガン検討委員任命式を行いました。

=10月のレクイエム=
10月20日(水)11時から次の方々を記念して逝去者記念聖餐式を行います。他に記念したい方がおられましたらご連絡ください。教籍は問いません。
6日―藤原清太郎(1979)、ヤコブ水本実(1991)、江口治子(2002)、
9日―主教ヨハネ山田襄(1993)、
12日―司祭パウロ速水敏彦(2008)、
13日―ベルナデッタ名倉洋子(1984)、ヨハネ石川敬介(1985)、
16日―アンナ鈴木かおる(1974)、
17日―*岡勝子(2006續木智子友人)、
18日―岡田啓子(1996)、一九日―ヴォーナド吉田篤史(1986)、
22日―ミレー尾上良知(1972)、
23日―*ヨハネ牧口重明(1972浦地恭子父)、
24日―宇野誠治(1985)、主教サムエル法用渉(1997)、
26日―*羽仁吉一(1955續木智子恩師)、
28日―ウィリアム成尾延一(1974)、*木田江悦子(2006續木智子母)、*羽仁翹(2004續木智子恩師)、
30日―イサク谷口イサク(1972)、ヨハネ木村忠一(2009)、
31日―ヨハネ立石新吉(1977)、山岡剛司(1996)。


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