月報「コイノニア」
2011年3月号 No.331


《聖書を飛び出したイエス様・その28》
   踊って、笑って、祈って!

近藤良平著『近藤良平という生き方』から

司祭 ミカエル 藤原健久

 イエスは振り返り、彼らが従って来るのを見て、「何を求めているのか」と言われた。彼らが、「ラビ―『先生』という意味―どこに泊まっておられるのですか」と言うと、イエスは、「来なさい。そうすれば分かる」と言われた。               (ヨハネ一・38-39)

 NHKドラマ「てっぱん」の冒頭の踊り、あれ、良いですねぇ。がに股になったり、体をフワフワとくねらせたり、ちょっとふざけたかのような踊り。そのためか、踊っているみんなが笑顔です。腕を組んで廻ったり、手を合わせたり、誰かと一緒に踊るのがとても楽しい、という表情をしています。この振り付けをしたのが近藤良平。この他にも、もっとふざけているように見える「テレビ・サラリーマン体操」などもあります。
 今、とても注目されている振付家、ダンサーです。いい年をしたおじさま達が、学ランを着て、踊りだけでなく様々な企画で人々を楽しませる「コンドルズ」の主宰でもあります。様々な人を対象とした、踊りのワークショップも行っています。
 彼のダンスに対する考え方を読んでいると、だんだん興奮して、元気になってきます。ダンスはどんなに楽しいものか、またダンスを通して如何に人と交わっていけるか、が伝わってきます。確かに、体を動かすと、心が晴れやかになり、楽しくなりますもんね。踊りながら、深刻に悩んでいる人は見たことありません。楽しい姿は人に伝わります。みんなで一緒に踊ったら、その楽しさは何倍にも増えるのでしょう。
 踊りと宗教は、とても深い関係にあります。踊りを祈りの基本に据えている宗教も、数多くあります。言葉だけで言い尽くせない心の思いを、体の動きを通して表現しているのでしょう。「どのように祈るべきか」と悩む弟子に、「ただ歩け」と語った砂漠の修道士の話も伝えられています。
 イエス様も、実は体で語ることが多かったのではないでしょうか。もちろんたくさんの教えを言葉で語られました。でも、言葉以外にも、人々と一緒に、歩いて、働いて、ご飯を食べて、寝て、それらを通して神様の愛を伝えることも多かったのではないでしょうか。だって、元々大工さんです。きっと、筋骨隆々で、体を使うのは得意だったはずです。祈りも、静かな沈黙だけでなく、体を使って行うこともあったと思います。映画「ジーザス・クライスト・スーパースター」では、十字架の前夜のゲッセマネでの祈りを、岩山をよじ登る激しい動きで表現しています。
 イエス様の祈りには、踊りもあったかも知れません。タンバリンや楽器に合わせ、神様の栄光をたたえ、神様への愛を表現するために、踊りを通して祈ることもあったかもしれません。ならばきっとその時、イエス様は笑っておられたことでしょう。みんなと一緒に、笑いながら、楽しそうに踊っているイエス様のお姿を想像すると、私たちも楽しくなってきます。きっと神様も、踊りの祈りを、楽しい思いで受け取られたことでしょう。「踊れ、輪になって、リードする主と共に。福音の喜びへと、招かれた者はみな!」(聖歌集増補版7番)


東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の
被災者のためお祈りしましょう!

 3月11日、東北、関東地方をおそった未曾有の大災害。予想を遙かに超えたこの天災に、まだまだたくさんの被災者が元の生活を取り戻せず、困っておられます。
 東日本大震災に際し、高地主教様が、被災者の方々を覚えて、お祈りを作成してくださいました。これは、教会の主日礼拝だけでなく、様々な礼拝や集会、また個人の祈りでも使うべき物です。どうぞ皆様も折に触れ、お祈り下さい。

東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の被災者のため

苦しみ悩みの内にある人々に憐みのまなざしを常に向けてくださる主なる神様、わたしたちに心を合わせ共に祈る時をお与えくださることを感謝いたします。3月11日の激しい地震、津波で被害を受けた東北や関東地方の人々のために祈ります。恐怖と孤独の内に命を落とした人々をどうかあなたが顧みてくださり、み手の内にその魂を抱き慰めをお与えください。家族を失った人々、家族の消息がいまだに分からない人々は、不安と絶望の内に日々を過ごしてます。どうか一日も早く穏やかに眠れる時をお与えください。また、地震や津波で恐ろしい経験をした人々は心に深い傷を負ったまま不便な生活を強いられています。その中でも特に病気の人やしょうがいのある人々、高齢の方々、外国人の方々、をお守りください。このような時にこそ被災地でも遠く離れた私たちも、社会の中で弱い立場にある人々の思いを大切にし、少しでも寄り添うことができますようにお導きください。被災した人々が日常生活を取り戻すには長い年月がかかると思われますが、私たち教会に集う者がそのことを忘れることなく支えていくことができますように。主イエス・キリストのみ名によってお祈りいたします。アーメン

教区震災対策室では、毎週火曜日、12時15分から、聖アグネス教会にて、上記のお祈りを用いて
「昼の祈り〜東日本大震災被災者の方々を覚えて〜」を行っています。みなさん、ぜひご参加下さい。

教区震災対策室より
お願い

 東日本大震災被災者のために、管区より、支援物資のお願いが来ています。さっそく当教会礼拝堂前室に箱を設置しました。お持ち下さい。中部教区センターで集積して、仙台に運搬します。
 京都教区としては「震災対策室」をたちあげ、藤原司祭が室長に就きました。
 まず第一便として3月25日(金)に藤原司祭自らが車を運転して中部教区まで物資を運んでいただきました。
 また、藤原司祭はこの4月3日(日)の夜半から、7日(木)まで、教区ボランティア先遣隊として、出口崇執事と共に現地小名浜(福島県いわき市)と仙台市に出向き、神戸教区と連携を取り合って、今後の教区ボランティアの可能性を模索して来られます。お働きに感謝すると共に安全をお祈りください。



2011年度受聖餐者総会お詫びと訂正

2月20日の受聖餐者総会において、2010年度教会会計報告の支出の部「協力費」とその内訳の合計金額が違うとのご指摘がありました。また、2011年度経常会計予算の支出の部「旅費交通」の桁数に誤りがあるとのご指摘も受けました。ご指摘を受け、決算及び予算を点検したところご指摘どおり誤りが判明しましたので、お詫びとともに次のとおり訂正させていただきます。

31頁
 協力費   誤 501,953円 ⇒ 正 517,207円
 立替払い  誤 178,265円 ⇒ 正 163,011円
39頁
 旅費交通費 誤 400,000円 ⇒ 正  40,000円
予備費   誤 326,640円 ⇒ 正 686,640円


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