月報「コイノニア」
2011年12月号 No.340


《聖書を飛び出したイエス様・その37》
   生まれ変わってでも君を愛する

手塚治虫作『火の鳥』から

司祭 ミカエル 藤原健久

 信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。
               (Tコリント13・13)

 漫画界の巨匠、手塚治虫の大河作品です。20年以上にわたって描き続けられた、まさに「ライフワーク」と呼ぶべき作品です。
 悠久の時を生きる伝説の鳥、火の鳥。その生き血を飲むと不老不死の体になれると伝えられています。ある者は永遠の命を求めて火の鳥を捜し、ある者は火の鳥と出会うことで命の神秘へと導かれます。
 手塚治虫の創作に掛けるエネルギーに圧倒されます。とにかくスケールが大きい!はるかな古代から、想像もつかない未来まで扱っています。ストーリーは大胆かつ緻密に、歴史的事実や科学的推察と、荒唐無稽な物語とを、巧みに練り上ています。マンガとしての表現方法も、時に映画的、舞台的、時に小説的に、場面に応じて斬新に展開させます。改めて読んでみて、見慣れたマンガとしての親しみと共に、硬派なSF小説を読んでいるかのような重厚感を感じました。
 作品のテーマは、「命と死」です。これは人間にとって永遠のテーマです。様々な宗教や哲学が、命と死の神秘を解き明かそうとしてきました。「火の鳥」では、すべての生命は、「宇宙生命」の中に収められ、それが小さな細胞から大きな動物に至るまで、様々な形になってあらわれる、とされています。ですので、生命の「循環」と言いましょうか、良く使う表現で言えば「輪廻」、つまりは「生まれ変わり」と言うことも、作品中では良く用いられます。
 けれども、その事を「説明」することが大切なのではありません。大切なのは、人の生き方です。登場人物は「愛」に生きています。どれほど過酷な運命に見舞われようと、彼らは、自分の大切な人を愛することを止めません。もし、地上で結ばれない運命であるならば、次の世で、生まれ変わってでも愛し続ける。自らの運命を乗り越え、宿命を壊してでも愛してゆく、そのような思いに、火の鳥は応えてゆくのです。
 火の鳥は、自分のためだけに不老不死を求める者には、冷徹に「死」の運命を突きつけ、ただひたすら人を愛する者には、宿命をも乗り越える力を与えるのです。
 私たちも、命と死について思いを馳せます。けれども、私たちも説明だけでは満足できないのではないでしょうか。誰かを愛し、誰かと愛の絆で繋がっていることを実感するとき、もしくは誰かを愛そうと努めるとき、私たちは幸せを感じるのではないでしょうか。
 イエス様も、ただひたすら人々を愛されたのではないでしょうか。何があっても人を愛する、どんなことがあっても自分を愛する人を見放さない、その愛の思いが、死の宿命をも乗り越えて、復活の命の道を切り開いたのではないでしょうか。十字架と復活も、説明されて満足するものではありません。愛に生きてこそ、その本当の意味が分かるものなのです。


Merry Christmas

17日(土)16時15分
日曜学校クリスマス会

 小学生20名、小さいお友だち10名、中学生1名、大人12名、計43名でクリスマス会が行われました。お礼拝のあとは、場所を幼稚園ホールに移してグループ対抗ゲーム大会!必死になってクイズに挑戦しました。そしてお菓子をいただいた後は、サンタクロースのおじいさんの登場。ちゃんとプレゼントも頂きました!・・・嬉しいひとときでした。

23日(金・祝)13時
ボーイスカウト京都第二四団クリスマス会

 ボーイスカウト活動の創始者BP卿は聖公会の牧師の息子さん。と、いうこともあり24団ではこのクリスマス行事を大事にしています。
 第一部はクリスマス礼拝。凛々しい制服姿で礼拝堂が一杯になりました。ビーバースカウトが献金、カブスカウト、ボーイスカウトが聖書を立派に朗読しました。
 第二部はは幼稚園ホールで祝会です。踊りや劇など、楽しい出し物が続きました。みんなで競い合って作ったクリスマスケーキもそれぞれ力作。発表後はおいしくいただきました。

23日(金・祝)14時30分
キャロリング

 六名とちょっと寂しい聖歌隊でしたが、バプテスト病院の五ヶ所ある各病棟のデイルームにて、クリスマスの聖歌三曲を藤原司祭のギター伴奏でお届けしました。最後の「きよしこの夜」は患者さんと共に讃美する事が出来、少しですがクリスマスの雰囲気をお届けできたかな・・・・と思っています。

23日(水・祝)17時
ろうそく礼拝リハーサル

 祭壇奉仕者、聖書朗読者、聖歌隊が集まり、最後のリハーサルをしました。ろうそく礼拝を素晴らしいものにしようと、みんな二時間ぶっ通しで練習しました。

24日(土)19時30分
クリスマスイブ・ろうそく礼拝

 今年は、礼拝堂の席のレイアウトをガラッと変え、真ん中に聖書、それを囲む形で会衆が着席する形をとりました。内容は昨年同様、九つの聖書日課と黙想、祈り、それに聖歌で構成された、素晴らしい礼拝でした。
 毎年このろうそく礼拝に来て頂ける一般の方も増えて来ており、一年ぶりの再会もありました。
 連休の合間の土曜日ということで、もう少し会衆が多いと期待していましたが、少々PR不足だったようで、そのあたりを来年の課題にしたいと思っています。

24日(土)23時30分
深夜礼拝(降誕日第1聖餐式)

 ろうそく礼拝後、ホールでのお茶会は恒例になってきたたこ焼きパーティー。その楽しい雰囲気のまま約三〇名の方が参加されました。賑やかに、けれども厳粛に、主のご降誕を祝いました。

25日(日) 午前8時
英語聖餐式(降誕日第2聖餐式)

 少人数ではありますが、厳かににご降誕を祝う聖餐式を行うことができました。

25日(日) 10時45分
降誕日・主要聖餐式

 今年は降誕日が総員礼拝の日になり、理想的な形でイエス様のご生誕をお祝いできることになりました。当日は約一二〇名の方々と共に礼拝を捧げました。ハンドベルの演奏は素晴らしく、聖歌隊についてはうまく世代交代が出来ているようで、小学校高学年から中学生の信徒子妹達がすばらしい「天使の歌声」を聖堂いっぱいに響かせてくれ、お祝いを盛り上げてくれました。礼拝後はホールで祝会です。恒例となった持ち寄りの食事会も、皆さんの腕によりを掛けた素晴らしい料理が並び、信徒子弟のマリア幼稚園在園生を中心にクリスマスページェントの再現披露も盛り上がりました。サンタさんの登場もあり、楽しい会になりました。

25日(日)16時
ジュニアチャーチ・クリスマス会

 中高生(ジュニアチャーチ)メンバーとスタッフ約二五名は、司祭家族と共に、礼拝堂で夕の礼拝を行った後、教会会館でパーティーをしました。久しぶりにたくさんのメンバーが集まり、語り合い、おいしく食事をいただき、楽しいゲーム大会、プレゼント交換をし、あっという間に時間が経ちました。


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