月報「コイノニア」
2012年5月号 No.345


《聖書を飛び出したイエス様・その42》
   友だちになろう!

テレビ番組『仮面ライダー・フォーゼ』から

司祭 ミカエル 藤原健久

あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。         (ヨハネ13・34)

 今回は、皆さんご存じの「仮面ライダー」のお話です。仮面ライダーが誕生してから40年以上の時間が経ちました。途中、何度か、しばらく放映されない時期もありましたが、今も放映され、子どもたちを中心に、多くの人々の人気を得ています。仮面ライダーも、時代と共に随分と変化してきました。皆さんの中には、昔の仮面ライダーのイメージがあるかも知れませんが、今放送されている「仮面ライダー・フォーゼ」は、昔のライダーとは似ても似つかない格好になっています。白を基調とした体に、とんがった頭、これは宇宙を駆けるロケットをイメージされています。そして物語の舞台は、高校です。今回の仮面ライダーは、「学園もの」なのです。「エッ」と思うかもしれませんが、見てみますと、これが大変面白いのです。主人公は、舞台となる高校に移ってきた転校生です。彼はひょんな事から仮面ライダーに変身する力を手に入れ、高校で暗躍する怪人たちと闘ってやっつけてゆきます。主人公の面白さは、次の台詞に表されています。「俺は、この学校の生徒全員と友だちになる男だ。」彼は、この言葉を誰にでも言います。そして彼は、初めて出会う生徒たちとも、友だちになろうとします。みんな、最初は面食らって、相手にしませんが、主人公のひたむきな姿に心惹かれ、一人、また一人と友だちになってゆくのです。
 「みんなと友だちになる」というのは、随分と古い価値観だと思います。わたしが子どもの頃に再放送されていた「学園もの」のドラマの価値観だと思います。森田健作などが、このような価値観に基づいて活躍していたと思います。「友だちになる」という価値観の古さを表すように、仮面ライダーの主人公の姿も、今時珍しい、短い学ランにリーゼントという、古くさい格好になっています。古くさい価値観に、周りの生徒たちも、最初は抵抗感を示したり、反発を抱いたりします。けれども最後には、みんな友だちになってゆくのです。これは「みんなと友だちになる」という価値観が、古さを越えて、今も続いている、と言うことを示しているように思います。周りが移り変わっても、変わらなかったもの、それが「友だちになる」ことの大切さだったのです。
 聖書が語る「愛し合う」というのと、「友だちになる」と言うのは、よく似ているように思います。「愛」も、もしかしたら古くさい価値観なのかも知れません。本当の「愛」は、周りの人々から反発されたり、抵抗されたりするものなのかもしれません。そして「愛」には、十字架が含まれています。誰かをしっかりと愛する時には、十字架の苦しみが伴うものです。それは、「友だちになる」と言うことも同じです。仮面ライダーでは、友だちになろうとした主人公が、相手と心から分かり合えるために、激しいケンカをして、けがをして、とうとう命を落としてしまう、というエピソードがあります。そこはテレビドラマなので、最後には奇跡的な力で生き返り、再び仮面ライダーとして活躍するようになるのですが、いずれにせよ、「友だちになる」というのは、それだけのリスクをも負うことになると言うことを示しています。
 「友だちになる」というのは、イエス様が言われる「愛する」ことの一つの姿なのだと思います。


聖霊降臨日礼拝

 5月23日は聖霊降臨日。復活日・降誕日と並ぶ三大祝日で、「主は昇天の後、公会に聖霊を降し、み力によってすべての国に福音を宣べ伝えさせられた」(聖餐準備六)教会の誕生日・宣教開始の日です。
 ここ数年恒例になってきていた使徒言行録の多言語聖書朗読については今年はちょっとお休みいただきましたが、聖歌隊とハンドベルクワイアが礼拝奉仕をし、美しい音楽を聖堂に響かせました。
 また、この日、テレーズ水野沙良ちゃんの幼児洗礼式が行われました。教父母は、立石るかさん、森田しおりさん、松本優平さんという、これからの教会を背負って行ってくれる若い世代。またサーバーも続木明佳さんが実習、聖歌隊にも吉村真綾さんをはじめ中学生がリードするなど若い世代が礼拝に活躍してくれる姿を頼もしく思いました。
 礼拝後、サーバーギルド・オルターギルド講習会が催され、こちらも若い世代の受講者が目立ちました。出席出来なかった方は各担当まで。


金沢の教会より礼拝堂見学に!

 4月29日10時過ぎに金沢聖ヨハネ教会より総勢18名の方がマイクロバスで来られました。
 今回の目的は、聖ヨハネ教会礼拝堂の建て替えの為の見学と質問・意見交換でした。
 当日はマリア信者のかたにお願いして、幼稚園はマイクロバスの駐車用にマイカーの駐車を遠慮するなど、多くのご協力を頂きました。またマリア会の数名が駐車案内や受付での名札とポストカードをすすめたり、礼拝後には、婦人会の方々の奉仕で、お抹茶とお菓子、うどんを召し上がって頂きました。
 昼食後に、ベストリーや牧師館などの見学会をされ、ホールでは、浦地先生などと話合いが行われて満足して頂けたと思います。
 午後3時すぎに帰路につかれました。マリア会、婦人会などの皆様、ご奉仕ありがとうございました。


ヨシュア岩本翔太

被災地より現地レポートA

 五月の仙台の日中は暖かいですが京都とは違い朝晩はまだまだ寒いです。沿岸部は特に風が強く寒さを感じる場面が多いです。
 現在、私は子どものプログラムを多く持っています。そのプログラムの子ども達の多くはお母さんが外国から来られ結婚された子どもが多く、旦那さんは津波の被害により宮城県の沿岸で働く事は難しく単身赴任していたり、離婚されたなど家におられない家庭がほとんどです。普段、家には旦那さんがおられないため子ども達の日頃の宿題、学校から配られたプリントの処理などのお手伝いをさせていただいています。
 このようにしてできた関わりの中で春休みや夏休みなどの長期休暇を利用し、様々なプログラムを行ってきました。また、今年の夏休みもいくつかのプログラムを考えています。


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