8月号その2


「思いを形にする時」

クレネ人シモン
南 寛

 週報や礼拝後のアピールでご承知のとおり、礼拝堂建築のための設計事務所選びが最終段階に入っています。去る3月の教会委員会では、設計希望社7社の内、4社に選定のための資料を要求し、残り3社にはお断りの手紙を出すことに決定しました。この4社からの資料をもとに検討し、6月の教会委員会ではヴォーリズ建築事務所と坂本建築事務所の二社に絞り、建築要項をもとに礼拝堂のデザインイメージを出してもらうことにしました。
 さらに、7月11日の建築実行委員会には両社の担当者を招き、図面や文書では分からない設計思想や、今後教会からの要望にもとづいて基本設計に着手する姿勢について話をうかがいました。両事務所の設計イメージは渡り廊下に置かれていましたのでご覧になられた方も多いと思います。また、建築例としては、坂本建築事務所は昨年見学に寄せていただいた室町教会が、ヴォーリズ建築事務所は、現在増改築中の御幸町教会があります。興味のある方はごらん下さい。図面では分からない作品の質感などが分かると思います。
 今後はご意見箱に入れられた信徒の声を参考にしながら、8月教会委員会で設計事務所を内定したいと思います。9月13日の受聖餐者総会で一から決めるべきという意見があるかもしれませんが、総会の席上で多数決で設計事務所を決定するのも、適切な選定方法ではありませんし、11月の教区会で承認を得るためには、内定した事務所とレイアウトなどを詰め、選定理由のみならず、基本構想と資金計画を合わせて決定していただきたいと考えています。そして、正式に設計事務所が決定しましたら、信徒の皆さんの要望を伝え、来春の着工、来年末の竣工を目指し、礼拝堂の基本設計に着手したいと思います。
 一方、建築を進めるための建築献金ですが、6月末で教会員以外の外部献金額が1280万円近くに達しました。献金してくださった方々はもちろんのこと、献金の依頼をして下さった信徒の皆さんに感謝します。一方信徒の献金ですが、6月末までのお約束額8520万円に対する実際の献金額は7850万円。単純に計算すれば670万円の不足です。2001年末には約束額の12770万円を達成できるよう努めなくてはなりません。
 現在までの信徒献金額と外部献金額に今後のお約束額、そしてバザーなどの事業収益額、募金以前の自己資金を合計すると16320万円になります。募金目標額は二億円ですから3680万円が不足します。今後は目標額達成に向けて収益事業に努めなくてはなりませんし、納骨箱についても収益ありきではありませんが、その規模などを検討して行かなくてはなりません。そして、今後の事業収益を予測しながら建築予算額を決定しなくてはなりません。 今、礼拝堂建築という私たちの思いが具体的な形になろうとしています。後世に悔いのない礼拝堂を残すためには、建築要項で示した理念をいかに現実的に実現するかの判断が重要になります。この理念、いわばロマンは決して妥協してはなりませんし、その理念を実現するためには冷徹な資金計画が必要になります。「右手にロマン、左手にソロバン」の俗句?を心に刻み、思いを形にして行きたいと思います。


外部献金にご協力いただいた方々

(6月28日〜7月26日扱い分)

(順不同・敬称略)伊藤信義、植村良子、藤原玄夫、広沢貞子、山田英次、速水経康・昌子、日本聖公会東京教区、(大阪教区)聖贖主教会・川口教会、戸畑聖アンデレ教会、(復活教会)吉井和夫・中川和子、(田辺聖公会)小泉好子、(奈良基督教会)島崎敏彦・牧村利男、(和歌山聖救主)上田泰子、(聖アグネス)西川静・香代、山崎仁美・徹、中井浩貴、中井敏夫、永井隆則、横井純・真、臼井梨沙・亮太、石黒倫史・嘉子、山崎章司・敦子、内海和子、大脇昇、(和歌山聖救主)荒川昌佳、土井赳他四名、(丹波新生教会)平野ふじ江、塩崎十五・・・・・・・・感謝!


外部募金にご協力いただいた方へ コイノニア発送開始

外部募金名簿の整理がやっと一段落つき、6月号より、外部募金趣意書のお約束通り、コイノニア発送がスタートしました。名簿の取り扱いの難しさを痛感し、まだまだ不手際が多々あると思いますが、紙面をもって、お詫びさせていただきます。また、宛名の住所・氏名等間違いがあれば、お手数ですが、ご一報お願いいたします。「幼稚園の在園児がおります。そちらからコイノニアが届きますので、郵送は結構です。」とのご連絡をいただいた方もあります。これもひとつの献金の形だと思います。無駄を省いて少しでもいい礼拝堂を・・・・!

笠間焼陶製十字架を寄贈

名古屋聖マルコ教会の前川四郎様が、「当教会の礼拝堂建築のために」と陶製十字架を五個寄贈してくださいました。茨城県笠間市の笠間焼(栃木県の益子焼と同系統)の作家、大野俊次氏の作で、大変手に入りにくいものだそうです。早速ご本人のご提案通り、ミニバザーで扱わせていただきました。現在、在庫僅少。お問い合せは婦人会へ。


私達のキャンプ場

芦 生

 私達の教会のキャンプ場「芦生」は今年の夏もたくさんのキャンプを開き、たくさんの想い出を作ることでしょう。
この秋には野外礼拝も行われ、初めて芦生に足を踏み入れる信徒の方もたくさんおられることと思います。
 このたび、全国の聖公会の信徒が読んでおられる「聖公会新聞」に、この私達の自慢の芦生を通しての青少年活動の報告が、掲載されましたので、転載、紹介させていただきます。

野外活動を通して

京都聖マリア教会
吉村 伸

 京都聖マリア教会は、京都府北桑田郡美山町芦生(あしう)に3000坪の広さのキャンプ場を持っています。京都市内と日本海のちょうど中間にあたる芦生は、たくさんの自然に囲まれたすばらしい土地です。夏は鮎の名勝・由良川で水泳。川幅は10メートル位ですが、水深は2メートル以上の部分もあり、かなりの高さから飛び込んでも大丈夫です。一般の方は入ってこれないので、まるでプライベートビーチ気分です。また水の透明度は最高で、水中メガネをして潜ると目の前にいっぱいの魚が見え、アマゴやイワナなども捕れます。春・秋は付近の山々の散策。特に山菜やキノコの種類は豊富で、キャンプの食卓にたびたび登場します。冬はさすがに雪深い京都北部。滑り止めがないと行けませんが、背丈以上の雪の中、雪中キャンプ等も可能です。
 このキャンプ場で子供たちは数々の思い出をつくり、学習をし、仲間を増やして来ました。京都聖マリア教会は、併設の聖マリア幼稚園の卒園生を中心に日曜学校が盛んで、日曜学校キャンプには100名以上の参加者が集まります。芦生キャンプ場では、水道も電気もない完全な野営ですので、小学校低学年にはちょっとハードで、もう少し便利なキャンプ場をお借りしているのですが、その小学生たちが卒業した時から芦生生活が始まるのです。中学に入って日曜学校からジュニアチャーチになります。本格的なキャンプをしたこともない子たちも夏の芦生キャンプに連れて行かれます。生まれて初めてのテント・シュラフでの就寝、初めての釜炊飯、初めてのドラム缶風呂、初めての食事のための魚獲り、初めてのウルシかぶれ、初めてのマムシとの遭遇、初めての蜂の巣退治と、都会育ちのお坊ちゃん、お嬢ちゃんにとっては初めてづくしのことばかり。しかし子供たちの顔は普段見たこともないほど生き生きとしています。もちろん勉強も怠りません。毎日のプログラムには聖書研究の時間があり、真夏の炎天下、裸になって石を集め、マタイによる福音書の第一章の系図を川原一面につくったこともありました。一時間の予定の聖研が白熱してしまって、水泳の時間を返上してまで議論したこともありました。ノアの箱舟の模型を実際につくって川に浮かべてみたこともありました。毎年本当に充実した時を過ごし、子供たちはキャンプ開始から終了まで時間単位でみるみる成長していくのが手に取るようにわかります。芦生生活2年目になるとだいぶん要領を得て、てきぱきと行動をするようになります。一年生に指示をし、あたかも前から知っていたように教えたり。そして3年目にもなるともうほとんどアウトドアの達人気取りです。
 こうしてジュニアチャーチ6年間を過ごしても、芦生からは離れることができないらしく、年数回行う青年会キャンプになると、主日にはほとんど顔を見せたことのない青年たちも芦生に集います。私は「芦生だけじゃなくマリアで顔を見たいな〜」という声をかけています。「行事だけに参加して主日に礼拝に出席しない青年がたくさんいる」ということに対して、「教会の世俗化」とかいう問題提起をする方もおられます。しかし、私は今のところこれでもいいと思っています。夜中の四方山の話の中に、やはり聖書のこと、キリスト教のこと、いろいろな事が出てくるのです。マリア幼稚園、日曜学校、ジュニアチャーチを通して知らず知らずのうちに身についたキリスト教精神は、彼らの中に確実に息づいています。そして、彼らは本当に困ったときに神様の事を思い出し、必ず教会に帰ってきます。それを温かく迎える余裕が私たちにもあっていいのではないでしょうか。 マリア教会には芦生の川で洗礼を受けた信徒もおられます。芦生が縁で仲良くなって結婚したクリスチャンホームも数件あります。こうして芦生世代が、礼拝堂建て直しを一丸になってがんばっている当教会のリーダーになっていき、まだまだたくさんの芦生が取り持つ真の信徒を産んでいってくれることを願っております。
(聖公会新聞七月号掲載原文まま)


各部からのおしらせ

=日曜学校=

日曜学校は、北小松キャンプが終わると、夏休みに入ります。9月から二学期が始まります。

=ジュニアチャーチ=

今年の芦生夏のキャンプは8月22日(土)・12日(日)に行います。ご予定ください。
お問い合わせは吉村まで。

=青年会=

青年会の8月の集いは、恒例の大文字送り火鑑賞会と合併します。8月16日(日)午後七時マリア幼稚園屋上にて。会費はワリカン、差し入れ歓迎。お問い合せは斉藤まで。


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