月報「コイノニア」
1999年1月号 No.185


ぶどうの木に
つながって実を結ぶ

牧師 司祭 イザヤ 浦 地 洪 一

わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。わたしを離れては、あなたがたは何もできないからである。(ヨハネ福音書15−5)

 先日、幼稚園の園長が集まる会合で、隣りに座り合わせた本願寺のお坊さんである園長先生とこんな話をしました。キリスト教が日本に入ってきたときには、キリスト教の専門用語を日本語に翻訳するのに、仏教や神道の言葉を借りなければなりませんでした。現に、ギリシャ語のセオスや英語のゴッドを、「神」という日本古来の言葉に当てはめましたから、伊勢の神様も、出雲の神様も、聖書の言う「神」もごちゃ混ぜになってしまって、日本人独特の神観で信仰をとらえ、聖書を理解するのが難しいことがあります。
 反対に、このごろは仏教も海外に多く伝えられています。仏教用語もアメリカやヨーロッパの各地に伝えられるときには、キリスト教用語を借用して翻訳しますから、キリスト教的な雰囲気を漂わせた仏教になってしまいます。たとえば、仏教の「位牌」を英語では「サイン(しるし)」と訳しているそうです。
 さらに、そのお坊さんの園長先生が言われるのには、日本では、仏教ではあまりやっていない「日曜礼拝」を、アメリカのお寺ではやっているというのです。そういえば日本のお寺では、法事や法要が中心で、毎週決まった日時に、信徒が集まってお寺で礼拝(らいはい)をしているのは見たことがありません。
 私たちが持つ信仰というものも、言葉だけでなく、宗教的な生活、しきたり、考え方にいたるまで、今まで生まれ育った環境の中で、過去の知識と経験に合う方法でしか、なかなか受け入れ難いものだということになります。
 聖書が持っている独特の考え方の一つに、「共同体」と「個人」の関係があります。
 とくに、旧約聖書では、イスラエル十二部族の連帯が強調されています。神は、イスラエル民族の救いを約束し、いつもイスラエル民族の信仰を問題にされます。そのために民の指導者を選び、彼らを通して導かれました。神に向かい合う個人は、ただの個人ではなく、民族という共同体の中にあっての個人であり、共同体から離れては個人の信仰もあり得ないものでした。
 新約聖書でも、十二人の弟子たちが選ばれ、使徒団が構成され、新しいイスラエルとして教会が立てられました。教会という信仰共同体につながっていてこそ個人の信仰を保つことができるのです。一人で聖書を読み、一人でお祈りをし、一人で賛美歌を歌っていればいいというような個人的な信仰では、十分ではありません。イエス・キリストを中心に、信仰を共にするものが集まる共同体に属していることを通して、そこから大きな恵みを受けるのです。
 ぶどうの木の幹に枝がつながり、その枝がどこまでも延び、養分や水分を吸い上げているように、私たちは、キリストを頭とする教会という共同体につながっていることによって、霊と恵みに与るのです。日本的な救済観でのみ納得するのではなく、聖書が私たちに強調している独特の教えがあることを、その違いと強調点を見極めましょう。


賀正

あけましておめでとうございます

 新年あけましておめでとうございます。
1999年という新しい年がスタートしました。本年は教会にとっても、新礼拝堂竣工という新しい節目の年となります。この一年間が皆さまにとってすばらしい年になりますようにともにお祈りしましょう。
 年末には、教会のそれぞれの団体がそれぞれ創意を凝らしたクリスマスを迎えました。礼拝堂がないため、いろいろと不自由を強いられた団体もあります。でも、今年のクリスマスは新しい礼拝堂で迎えることができそうです。

聖マリア教会のクリスマス

総員礼拝・祝会
 クリスマス総員礼拝は12月20日(日)に行われました。昨年のイースターに引き続きちょっと若返った聖歌隊の歌声清らかに、イエス様の誕生日をお祝いする礼拝を行うことができました。
 礼拝後の祝会は、恒例「持ち寄りパーティー」。腕によりをかけたお料理を堪能し、楽しく時を過ごしました。司会の南委員・辻委員のコンビネーションも抜群で、各部の紹介と出し物を楽しみ、サンタクロースの登場に歓声をあげました。

キャンドルサーヴィス
 12月24日午後7時30分より、浦地司祭司式のもと、「詠唱夕の礼拝」を幼稚園ホールにおいて行いました。礼拝堂取り壊し前には、雑誌に取り上げられたせいか、たくさんのカップルが訪れていたのですが、ここ三年は一般の方は数人。ちょっとこぢんまりしましたが、総員礼拝に引き続き平均年齢の若い聖歌隊が正面を飾り、おのおのロウソクを手に厳粛な雰囲気で執り行われました。

深夜礼拝
 12月24日午後11時30分より幼稚園ホールにて。クリスマスをお迎えするための聖餐式が行われました。さすがに真夜中になりますので出席者も少し少なくなりますが礼拝を守りました。

降誕日礼拝
 12月25日午前10時45分より幼稚園ホールにおいて。こちらも平日の昼間のため、出席者は限られますが、出席できる信徒で聖餐式を守りました。

日曜学校のクリスマス

 12月24日クリスマスイヴの日、日曜学校のクリスマス礼拝とお祝い会がありました。幼稚園もまだ行っていない小さなお友だちから小学五年のお友だちまで、六十数名の子どもたちが、所狭しと集まってきました。
 幼稚園ホールでの礼拝。小学生はそれぞれにロウソクを持って、イエスさまご誕生のお話を聞き、みんなでお祈りをしました。
 お祝い会は、教会会館に場所を移し、おやつをいただいてゲームをしたり、パネルシアターを見たり・・・と楽しい時間を過ごしました。もちろん、サンタさんも来てくれました。時間が短く、アッという間に終わってしまうクリスマス会ですが、子どもたちは本当に喜んで帰って行きました。いつもあんな子どもたちの笑っている顔を見ていたいなぁ・・・と思います。
 今回もたくさんの方に、いろいろな面でご協力いただきました。ありがとうございました。
 (日曜学校教師・浦地愛)

ジュニアチャーチのクリスマス

 ジュニアチャーチ(中高生)のクリスマスパーティーは12月22日に教会会館で行われました。夕方六時から、ホワイトソースのスパゲティを作る班と、二階の集会室をセッティングする班と、買い出しにいく班との三つに分かれて準備しました。手際よく準備ができ、午後七時の定刻から始めることができましたが、中高生八人、小学生(弟)一人、スタッフ六人と例年より少なく、ちょっと寂しいスタートでした。会が始まると、スパゲティ、お寿司、ピザ、フライドチキン、クリスマスケーキと、豪華なごちそうをお腹いっぱいいただき、大ゲーム大会になりました。結構頭を使うゲームで、みんな真剣に取り組みました。スタッフから「このゲームの結果で二十四日のキャンドルライトサーヴィスの日課を読む者を選ぶ!」と言われたからもう手は抜けません。時間ぎりぎりまで一生懸命やり、とっても楽しみました。もちろん、恒例のプレゼント交換や、仁君や南兄弟のフェイスペインティングも忘れずに行いました。
 今年もジュニアチャーチでは、いろいろな行事を行います。どうか温かく見守ってください。そして、お時間のある方は是非ともご参加ください。よろしくお願いします。
   (高二・佐々木智子) 

幼稚園のクリスマス

 幼稚園のホールでのクリスマスページェントも、今回で三度目となりました。毎日、毎日の練習では年長児は、常にメインキャストとしての緊張感を持って取り組み、また、年中児、年少児も一生懸命によく頑張っていました。当日も、大人でもドキドキしてしまう舞台の上で、本当に堂々と物語をくりひろげていきました。
 このようにして毎年、子ども達と共にイエスさまのお誕生をお祝いすることができることを、とても幸せに思っています。また、今年は、待ちに待った新しい礼拝堂での本当に喜ばしい記念すべきクリスマスページェントとなる予定です。そして、恒例の大仕事、舞台設定も今回で最後と思い喜んでいたのですが、なにやら新しい礼拝堂でも、あの舞台を活躍させることになりそうです・・・。
(幼稚園教諭・浅間麻衣)

青年会のクリスマス

 青年会は昨年一年、みなさまの協力を得て、積極的な活動が出来たと思います。組織化を打ち出し、役員、幹部を決め、ミーティングも多く開いてきました。その総決算という形で忘年会を兼ねてクリスマスお鍋パーティーを12月19日に教会会館集会室で行いました。プレゼント交換もし、新たに一年間みんなで頑張っていく決意を固めました。これからもどうぞよろしく!
(青年会会長・斉藤仁)

ボーイスカウトのクリスマス

 12月23日、ボーイスカウトのクリスマス礼拝と祝会が団行事として開催されました。参加者はスカウト、保護者合わせて一三五名。午後一時四〇分、定刻より少し遅れて会館ホールにて、クリスマス礼拝が執り行なわれました。カブスカウト、ボーイスカウトの代表が聖書を拝読し、皆で聖歌を唄います。ただ、式文が文語だったので、小さなスカウトには意味が分かり辛かったと思います。来年は口語の式文を新しく作りたいと思います。
 礼拝の後は恒例のクリスマス祝会です。最年少のビーバー隊はクリスマスソングでクリスマスを祝い、カブ隊はトルストイの「くつやのマルチン」をペープサートにして、聖句の意味を分かりやすく表現しました。また、ボーイ隊、ベンチャー隊はゲームで祝会を楽しく盛り上げます。
 マリア幼稚園の卒園者以外は、このクリマス礼拝で初めて本当のクリスマスの意味を知り、祝会で共に喜びを分かち合う初めての体験をしたスカウトも少なくありません。また、礼拝のピアノ伴奏は、日曜学校教師でもある松田朋子姉が奉仕してくれました。少しづつですか教会家族ができあがりつつある、そんな予感を覚えさせるひとときでした。 (カブ隊隊長・南寛)


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